石川県白山市で気密測定 2024/05/20

稜です。

2024年5月20日に石川県白山市で

㈱アントールさまの現場の

気密測定を行いました。

現場の外側をチェックしてみると、

吉野石膏のタイガーEXハイパーが

面材として施工されていました。

中に上がります。

屋根・壁の断熱は、

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

サッシはリクシルのEW。

樹脂トリプルガラス仕様です。

チェックしていきます。

 

サッシ周りはコーキングで

気密処理されています。

現場は床断熱となっています。

 

床の合板のジョイントは

テープで気密処理されています。

柱周りはコーキングで

気密処理されていました。

 

打った後に上からなぞってあるので

隙間にミッチリと詰まっている

感じがありますよね。

外周部の柱の取り合いまで

しっかりと処理されていました。

床断熱の現場ですので、

配管の床貫通部なども

コーキングで気密処理が

施されています。

お風呂周りの気密処理です。

 

断熱材の取り合いを見ると、

こちらも丁寧にコーキングで

気密処理されていました。

 

かなり太めに打ってあるので、

安心できそうです。

太めに打てば打つほど切れにくく

経年劣化に強くなりますので、

是非おススメしたいですね。

配管の貫通部をチェック。

 

ウレタンが結構吹き付けてありますが、

実際は小さな隙間が出来てしまっている

というケースがあります。

 

測定器で減圧しながら

漏気のチェックをしてみると、

少し空気が漏れていました。

さらにウレタンを吹き付けて

漏気を止めようと試みます。

(ちょうど隠れてしまっているようですが、

大工さんがウレタンガンでモコモコと

吹き付けて下さっています。)

 

ウレタンは吹きつけた後で膨らむので

大きな隙間を埋めやすいという

メリットがありますが、

ギチギチミチミチに埋めてくれるかと言われると

そう都合よく埋めてはくれません。

 

なので、膨らんだウレタン同士の間に

出来てしまった小さな隙間を伝って

漏気が起きてしまう場合があります。

(※市販の1液ウレタンフォームなどの場合)

 

測定器で減圧している最中は、

漏気の有無で隙間が残っているかを

判別する事が出来ますので、

実際に漏気が無くなるまで

気を付けながら処理をしました。

監督さんと一緒に何か確認しています。

 

どうやら玄関ドア付近の土台と基礎の

間に入っているパッキン辺りから、

漏気があったようですね。

監督さんと大工さんがウレタンや

コーキングを使って、

気密処理をしています。

 

玄関土間の辺りって結局モルタルとかで

埋まる箇所なんじゃないの?

と思う方もいらっしゃるでしょうが、

実際は玄関ドアの下端の高さまでしか

埋まってはくれません。

 

特に玄関ドア下端横の基礎との

取り合いやパッキン等から

漏気が起こりやすいのですが、

実際に完成時の気密測定でチェックをした際に

付近のタイルの取り合いから漏気が

起きてしまっているケースがあります。

(㈱アントールさまの現場の話ではありません。)

 

文面だけでは説明が難しいですが、

要は油断は禁物という事です。

筋交いの付近をチェックしていると、

何やら少し怪しい隙間が。

 

床との取り合いはコーキングで

気密処理されていますが、

隣り合った箇所に隙間があると

漏気が起きてしまいます。

ウレタンを吹き付けることで

漏気を止めました。

 

これは良く言わせて頂いている

事なのですが、

気密ラインに関連する取り合いは

徹底して処理するべきです。

 

取り合いという取り合いを全部処理する

となると流石に難しいと思いますが、

伝い漏れを起こしてしまうような

大きさの隙間が出来てしまっている箇所は、

埋めておくに越したことはありません。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.17cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。

 

屋根のウレタンがかかっている

束と間柱の間に隙間が出来ています。

狭い隙間ではありますが、

これは見過ごせません。

近くで確認してみるとこんな感じ。

屋根にウレタンは吹き付けてありますが、

この隙間にはウレタンが詰まっていませんよね?

屋根上部とこの隙間は空気の通り道と

なってしまっている訳ですね。

 

こんなことを言うと誤解を

招くかもしれませんが、

ウレタンというのは狭い箇所の

処理にはあまり向いていません。

 

上の方でも似たようなことを書きましたが、

意識して吹き付けでもしない限りは

そう都合よく隙間を埋めてはくれないんです。

 

これはウレタン吹き付けの業者さんが

どこまで気密に関して理解しているかにも

よる所はあると思いますが。

大工さんがコーキングを打って

隙間を埋めようとしています。

 

この場合、処理する箇所が平面なので

テープで処理するでもいいじゃんと

思われるかもしれませんが、

上の方にウレタンの飛沫が付いているので

テープを貼ったところで剥がれてしまう

可能性が高いです。

 

ですので、狭い隙間にもミッチリと

詰められるコーキングを打って

処理する判断をした訳ですね。

ここで大工さんの腕が光る!

 

打ったコーキングを上から指で

なぞってらっしゃいます。

 

これが本当に大切な事でして、

コーキングを打って気密処理をする際には

ただ打つだけではなくヘラや指などで

上からなぞることによって、

隙間をより効率的かつ確実に埋められる上に

接着している面積が増えるので、

経年劣化にも強くなります。

 

私からは何も言っていないのに、

当然のようになぞって処理してらしたので

内心感動してしました。

壁の柱と下地の取り合い。

(だと思います。)

 

薄っすら隙間が出来ているのが

分かりますでしょうか?

 

先程の束と間柱の隙間を同様に、

上のウレタンの方から伝って

漏気が起きてしまっています。

こちらも大工さんが丁寧に

処理して下さいました。

 

私が個人的な意見にはなりますが、

気密を確保をする上で一番大切な事は

気密ラインと取り合いの関係性を

考えながら処理する事ですね。

 

こうして口で言うだけなら簡単ですし、

忙しいのにそんなこと考えながら

作業している暇なんて無い!

と言われてしまうとそこまでですが、

気密を良くしたいという気持ちがあるのであれば

ぜひ心の片隅に置いてくださると嬉しいです。

壁外周部の下地と柱の取り合いに

隙間が出来ている箇所があったのですが、

この隙間から漏気がありました。

コーキングで隙間を埋めて

気密処理を行いました。

 

同様に隙間が出来ている箇所は

いくつかあったのですが、

全ての箇所から漏気している訳では

ありませんでした。

 

壁にウレタンを吹き付ける際には

既に下地を施工してあったと思うので、

上手くこの隙間を埋められなかった

箇所もあったのでしょうね。

 

こればっかりは仕方がありませんが、

こうしてチェックをして処理する事は出来ます。

しっかりと処理して漏気を止めましょう。

監督さんと大工さんがそれぞれ

何かなさっていますね。

 

監督さんは玄関ドア周りの処理を補強して、

大工さんに至っては窓枠を一度外して

気になる箇所の気密処理をしようと

準備されています。

大工さんにお話を伺ってみたところ、

間柱とまぐさの入隅に出来た隙間から

少し漏気していると判明したので、

気密処理しようと思い至ったそうです。

 

いやぁ~、これは流石に驚きです。

私たちは漏気している箇所を発見したとしても、

あくまで「漏気しちゃっていますね…」

とお伝えする事があるって程度で、

「気密処理したいから窓枠を外してくれ」だなんて

偉そうなことはまず言えません。

窓枠を外して回りながら、

監督さんと大工さんで

気密処理をして下さいました。

 

本当に素晴らしい行動力と向上心。

こんな事、協力なしではまず出来ない

処理ですので尊敬してしまいます。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.12cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
22cm2 → 15cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.43 → 1.24
となっています。

この結果に、

立ち合いされたお施主は

納得されたご様子でした。

 

一度目の測定の前にも

気密処理を行っていましたので、

実際に αA (家全体の隙間面積)が

がどの程度埋まったのか分かりませんでしたが、

少なくとも7cm2 以上は埋まったようですね。

 

これも偏に、㈱アントールさまや

大工さんが良い家を建てようとする

想いや熱意があるからこそ、

この結果に繋がったのでしょう。

 

特に大工さんや監督さんの行動力や

意識には本当に驚かされました。

まだまだ私も勉強させて頂きます。

気密測定

Posted by fok-rs