石川県金沢市で気密測定 2024/06/04
稜です。
2024年6月4日は石川県金沢市で
中村住宅開発㈱さまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
屋根・壁の断熱は、
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。
サッシはYKK APW330。
樹脂ペアガラスですね。
チェックしていきます。
サッシ周りはコーキングで
気密処理されています。
クリアなので見えづらいですが、
とても丁寧に処理してあります。
現場は床断熱です。
配管の床貫通部は、
コーキングで気密処理されています。
土台と基礎の間に入っているパッキンの
ジョイント部分や上下の取り合いも、
同様にコーキングで気密処理されています。
特にジョイント部分からは漏気が
起こりやすいので注意しましょう。
お風呂周りの気密処理です。
ボード状断熱材の取り合いに
ウレタンが吹きつけられていますね。
玄関ドア周りの気密処理がまだでしたので、
監督さんがコーキングで
気密処理をしてくださっています。
こうしてコーキングを打った後に…
上から指でなぞる!
とても素晴らしいです!
何か言った訳でもないのに
こんな丁寧な処理をして下さるとは…
隙間にミチミチとコーキングが
押し込まれて埋まりやすいうえ、
周りに薄くコーキングがかかるので
接着面積が増えて経年劣化にも強くなります。
まぁ、それだけではなくて、
ドア枠を入れやすいようにする
目的もあるのですが。
指がベタベタに汚れることを厭わず
このように処理しているのを見ると、
本当に尊敬してしまいます。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.37cm2/m2の高気密です。
表示は四捨五入により0.4cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
お風呂の給湯配管などの貫通部。
少し怪しいとは思っていましたが、
減圧中に手を近づけてみると
やはり漏気を起こしていました。
赤丸の中心部分。配線の下を見ると、
小さな白い点があるのが分かりますよね?
コレは隙間が外まで通じていて、
光が入り込んでいるという訳です。
ウレタンをプチュッと詰めて、
隙間をしっかり埋めました。
配管や配線の集中している箇所は、
物と物の間に隙間が出来てしまいがちです。
物同士の間隔を空けて配線・配管をすれば
気密処理もしやすくなるのですが、
それが難しい場合は隙間が残っていないか
ちゃんと確認するのが大切です。
特に今回のようなケースでは、
かがんで見るなどしなければ
隙間を発見する事すら難しいですよね?
ここでもう一つお伝えしたいことは、
角度(視点)を変えて確認する。
これも気密を良くする上で非常に大切です。
火打ち梁の付近をチェック。
怪しい隙間が出来ていますね。
何やら追加でウレタンを吹き付けた
跡がありますが、
隙間はまだまだ残っています。
手を近づけて確認してみると、
漏気を起こしていました。
他にも近くの火打ち梁の上部に
隙間が出来ていて、
こちらも漏気しています。
どちらもウレタンを吹き付けて
気密処理を行いました。
こういった箇所の処理を行う際に重要な事は、
隙間の表面だけ埋めてハイ終わりではなく
なるべく奥の方まで埋まるように
ウレタンを吹き付けるという事です。
漏気が起きているという事は
小さい隙間であれ大きい隙間であれ、
外気まで通じる道が出来ている訳です。
そしてその隙間分はウレタンが
欠損しているという事に他なりません。
それを補うためにも、
なるべく隙間の奥まで埋まるように
ウレタンを吹き付ける事で、
断熱的にも気密的にもより良い
状態になるはずです。
間柱の取り合いをチェックしています。
どうやら下の方に隙間が出来ている
箇所があって漏気していたようですね。
隙間にウレタンを吹き付けて
漏気を止めました。
実際に業者の方がウレタン吹き付けをしている
動画などを見れば分かりますが、
狙って根元に吹き付けるでもしなければ
まず綺麗に埋まることは無いでしょう。
ですが、業者の方は床周りをウレタンで
ゴテゴテにしてしまうような吹き付けは
指示がない限りは普通しませんからね。
そのため、チェック&リカバリーをして
隙間を埋めるこの作業はとても大切なんです。
最後に下屋部分の壁際の取り合い。
状況を見るに、ウレタンを吹き付ける前に
ボードを貼ってあったのだと思います。
勿論、このボードとウレタンの間の
隙間全てからという訳ではありませんが、
手を近づければ分かる程度には漏気していました。
隙間にウレタンを詰め込んでいきます。
先ほども一度説明しましたが、
隙間にウレタンを吹き付ける際は
なるべく奥の方まで詰め込むのが大切です。
結構高い位置でしたが、
監督さんが連梯子で上まで登って
気密処理をして下さいました。
玄関ドア周りのコーキング処理といい、
気密処理で妥協をしないこのスタイルは
本当に素晴らしいですね。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.19cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
42cm2 → 22cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.43 → 1.16
となっています。
この結果に、
立ち合いされたお施主様は
喜んでいるご様子でした。
改善前の結果と比較すると、
全体的にかなり良くなっていますね!
αA (家全体の隙間面積)に至っては、
20cm2 も縮まっています。
コレは中々ですね…。
ウレタン吹き付け断熱の現場は
気密が取りやすいと言われていますが、
今回ご紹介した火打ち梁や間柱の下端のように
隙間が出来てしまっているケースもあります。
ぶっちゃけると、吹き手の方の技術に
よる所も大きいのですが、
ウレタン吹き付けに頼り切るだけではなく
その後怪しい隙間を探して埋める等するのも
良い気密を出す上では非常に重要です。
何はともあれとても良い気密。
暖かく快適な家になると良いですね。