石川県金沢市で気密測定 2024/06/19
稜です。
2024年6月19日は石川県金沢市で
FeeL Design㈱さまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
壁の断熱材はグラスウール。
充填する前の状態ですね。
気密に関しては面材のラインで
確保している状態なのですが、
内外両方の取り合いを気密処理するではなく
あえて処理を外側だけで留めた場合、
どのような結果になるのかという
検証も兼ねた測定となっているようです。
ちなみに見えづらいですが、
面材のジョイントにテープを貼って
気密処理してあります。
結果を比較する為に、
この気密測定が終わった後に
内側からも気密処理をするとの事。
こうして実際にどれ程違いが出るのか
確かめるというのは中々ワクワクしますね。
天井の断熱材はネオマフォーム。
こちらは壁の面材とは異なり、
断熱材と梁などの取り合いを
室内側はコーキング、外側はテープと
内外両方の気密処理が既に施されています。
サッシはリクシルのサーモスⅡ。
アルミ樹脂複合のサッシですね。
チェックしていきます。
サッシ周りはコーキングで
気密処理されています。
現場は床断熱となっています。
床(合板)のジョイント部分に
テープを貼って処理してありますね。
柱周りまでしっかり丁寧に
テープが貼ってあります。
これはホールダウン金物。
白いモコモコで本体が見えませんが、
満遍なくウレタンを吹き付けて
金物全体を覆い隠すことにより、
熱橋の対策をしている訳ですね。
結露を発生させないようにする上で
素晴らしい処理だと思います。
それでは早速測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.21cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
玄関ドア下の隙間に物を詰めて、
取り合いにテープを貼ることで
仮に気密を確保していたようですが、
テープにゴミが付いてペラりと
捲れてしまっている箇所がありますね。
付近のゴミを払って綺麗にし、
さらに上からテープを貼りました。
その他にも端の気密パッキンと
土台などの辺りから漏気があったようでして、
コーキングで気密処理をして下さっています。
壁の面材の隅の方に
結構な漏気を起こしている
箇所がありました。
暗くて写真を綺麗に撮れませんでしたが、
外に通じる隙間が出来ています。
ウレタンをモコモコ吹き付けて
隙間をしっかりと埋めました。
今回は室内側で気密処理をしない
という条件でしたので、
見逃してしまったのでしょうね。
やはりこういった見つけづらい隙間を
見つけて確実に埋めておくための
保険といった意味合いでも、
内外で気密処理をするのは
効果的なのかもしれませんね。
下屋部分の狭い空間。
奥の方に断熱材(ネオマフォーム)
が入っているのですが、
狭すぎて室内側からの気密処理が
まともに出来ていない状態だそうです。
勿論、他と同様に上(外側)から
テープを貼って処理してあるそうですが、
大工さん的に不安があるようです。
もし上に隙間が出来てしまっていて
下に阻むものが何も無い状態だと、
当然漏気してしまいます。
先ほどの壁の隙間のように、
片側に問題があった際の保険という意味でも、
内外二重の気密処理をしておくのは
とても良い事だと思います。
ただ、こういった隙間を埋める際に
ウレタンを使う場合は要注意。
何が問題かというと、
天井(下から上)に吹き付けた際には、
ウレタン自らの重みにより落下して
しまう恐れがあるからです。
隙間が大きく、吹き付ける量が増えると
その分重みに耐えられずに落下する
リスクも大きくなります。
今回のような大きな隙間は
ほぼ間違いなく落下しますので、
それを見越して予めテープで
受けを作っています。
いやぁ~流石大工さん。
しっかりと分かってらっしゃる…
テープで受けを作ったのち
カッターで切り込みを入れて、
そこからウレタンを吹き付けます。
こうすれば下にウレタンを落とすことなく
効率的に隙間を埋められる訳ですね。
しかも、テープで仕切りが出来ているので
制限された空間でウレタンがギチギチに膨らんで
隙間を確実にミッチリ埋められる
といったメリットもあります。
ただ、無理に吹きすぎると
テープを押しのけてはみ出し、
結局下に落ちるなんて事も
考えられますので注意してください。
お風呂付近の間柱と床、土台の
取り合い部分です。
上で一度ご紹介した通り、
こちらの現場は床断熱で
床(合板)の上からテープを貼って
気密処理してあります。
つまりはこの間柱欠きの隙間から
漏気してしまう可能性がある訳です。
実際に確認して見たところ、
少なからず漏気が起こっていました。
正直気密処理に使うものは
ウレタンでもテープでもいいのですが、
ここはコーキングをチョイス。
理由としては土台と間柱の手前側の
取り合い、平面部分の処理を考えると
一括でコーキングを使った方が
隙間が残りにくく、綺麗な処理に
なると判断したからです。
まずはコーキングを適当に打って…
その上からなぞる!
このなぞる工程が肝心です。
ちゃんろ埋まっていない隙間まで
埋める事が出来るひと手間です。
給水管の床貫通部です。
ちっちゃなちっちゃな隙間が
出来ていますよね。
まぁ間近で見ないと分からないような
本当に小さな隙間ですが、
外気がここから出入りすると思うと
気持ち悪いじゃないですか?
ですので、こんな小さな隙間でも
見つけた以上はしっかり埋めます。
先ほどと同様に、
コーキングを打った後に上から
なぞって隙間を埋めました。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.16cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
24cm2 → 18cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.47 → 1.21
となっています。
この結果に、
立ち合いされたFeel Design㈱の方々は
満足されたご様子でした。
それもそのはず、
今回は壁の気密に関して
外側の面材の取り合いにテープを
貼って終わりでしたが、
ここから更に室内側も気密処理をして
再度測定に臨むわけですからね。
つまり、さらにパワーアップする
可能性を秘めている訳ですよ。
いやはや恐ろしい…
このブログを書いている時点では
まだ測定していないのですが、
近日中に測定を行う予定です。
どんな結果になるのでしょうか…
今から楽しみです。