石川県河北郡津幡町で気密測定 2024/09/03
稜です。
2024年9月3日は石川県河北郡津幡町で
正栄産業㈱さまの現場の
気密測定を行いました。
こちらは正栄産業㈱さまが展開している
住宅シリーズ(家づくりプラン)の内の
ACTUS LABOというセミオーダーの
住宅となっているようですね。
玄関ポーチの上部を見ると、
素敵な板張り天井となっていました。
中に上がります。
屋根と壁の断熱は、
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。
サッシはリクシルのEW。
樹脂ペアガラスです。
現場は基礎断熱となっています。
基礎に空いている貫通部は
測定を始める前にしっかりと
塞いでおく必要があります。
ちゃんとテープを貼って
目張りして下さっていますね。
それでは早速ですが、
測定を始めたいと思います。
気になる結果は…
C値=0.16cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
スリーブ管の壁貫通部です。
ウレタン吹き付けの現場では
壁に吹き付けをして気密を取りますが、
このようにスリーブ管の上部が
胴差し等と密接している状態だと
ウレタンが上部の隙間に詰まらず
隙間が出来てしまうケースがあります。
ウレタンをいうのは、
大きな隙間や奥まった狭い箇所などを
埋める際にとても有用なのですが、
こういった極端に狭い隙間には
詰めるのがとても困難です。
ですので、なるべく隙間を
埋めるように吹き付けをした後、
モコモコと表面を覆うように
蓋をしてしまいましょう。
実際は隙間が出来ていたとしても
視点(見る位置・高さ)によっては
問題なさそうに見えてしまいますので、
ウレタン吹き付け業者の方も
見逃してしまうのでしょう。
割と良くあるケースですので、
注意しておきたいポイントですね。
PF管などの壁貫通部です。
こちらも先程と同様に
視点というのが重要でして…
正面から見た時には全然
問題なさそうに見えますが…(1枚目)
上から覗き込むように見てみると
PF管の背後に怪しい隙間が出来ていますよね?(2枚目)
実際に手を近づけて確認すると
漏気していましたので、
ウレタンを追加で吹き付けて
気密処理を行いました。
この気密処理のシーンを見れば
分かるかもしれませんが、
結構狭い箇所ではありますので
顔を近づけてみるというのは
難しいかも知れませんね。
ただ、そういった場合には
スマホのカメラを目の代わりとして
確認するというのも一つの手段です。
写真でも動画でも何でも、見えればいいんです。
梁の金物のスリット部分です。
こちらから漏気がありました。
この金物のスリット部分って
現場によっては複数あると思いますが、
漏気する箇所とそうでない箇所を
判別する方法を簡単に説明しますと、
このスリットの反対側が外気に
通じているかそうでないかです。
んな事は分かっとるんじゃ!
と言われてしまいそうですが、
実際本当コレに尽きまして。
今回の場合、すぐ上が屋根で
ウレタンが吹きつけられていますよね?
そしてそのウレタンがスリットのある
梁までかかっている訳です。
勿論、上部に隙間なくミッチリと
ウレタンが詰まっているのであれば
漏気する事も無いでしょうが、
全く隙間なく吹き付けするのは
中々現実的ではありませんよね。
そして残った隙間同士が道となって
外気まで繋がっているのであれば、
このスリット出口として漏気が発生します。
これはウレタン吹付だけでは無くて、
気密シート貼りやパネル工法の現場でも
結構ありがちなケースですし、
隙間が大きかったり金具があったりと
条件的に結露が発生してしまう可能性が高いので、
しっかりと処理しておきたいですね。
隅の方をチェックしていると、
怪しい隙間を発見しました。
確認してみると漏気がありましたので
気密処理していきたいと思います。
先程の写真では分かりませんでしたが、
ただ隅だから処理しづらかっただけでなく、
ウレタン吹き付け時には既に
天井下地が組んであったというのも
隙間が出来てしまった要因の一つでしょう。
ウレタン吹き付けといえど、
どんな箇所でも正確に隙間なく
埋められるという訳ではありませんので。
追加でウレタンを吹き付けて
しっかり隙間を埋めました。
これまた分かりづらい写真ですね。
どうにも撮るのが下手で申し訳ない…
このチョビっと顔を出しているのは
ウレタン吹き付けの下地材です。
こちらからも僅かに漏気がありました。
はみ出していた部分を
ウレタンで覆ってしまえば
漏気はすぐに止まります。
このはみ出している部分ですが、
写真を拡大しているからこそ見えるものの
通常パパパッとチェックして周るだけでは
中々見つけづらい箇所じゃないかと思います。
気密測定や改善を時間を設けることで、
普段は目の届かないような箇所まで
しっかりと再チェックできるので
気密をより良くしたいという場合には
おススメしたいですね。
最後にサッシ周りや一階の天井と
胴差し(桁梁)との取り合い等に
ウレタンを吹き付けて気密処理をしました。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.14cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
19cm2 → 16cm2
となっています。
この結果に、
立ち合いされたお施主様は
納得されたご様子でした。
結構改善していたつもりでしたが、
αA (家全体の隙間面積)は
3cm2 埋まったという結果でした。
(モウスコシヨクナルカトオモッタノニ…)
とはいえ、とても良い気密で
あることに違いは無いでしょう。
何より、数値だけではなくて
実際に内と外との空気が出入りする
可能性のあった箇所を見つけて
埋められたというのが重要ですよね。
これだけ気密が良ければ、
きっと暖かい家になる事でしょう。
これから迎える寒い季節でも
快適な生活が出来そうですね。