石川県金沢市で気密測定 2024/09/11
稜です。
2024年9月11日は石川県金沢市で
㈱ハザマ住建さまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
屋根の断熱は、
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。
壁の断熱材はセルロースファイバー。
充填とシート貼りをする前の状態です。
ハザマ住建さまの現場では、
中間気密測定の際にもし隙間が
あれば直せるようにと、
気密ラインを露出させています。
ちなみに測定が終わった直後、
現場の外でスタンバイしていた
セルロースファイバーの吹き付け業者さんが、
予めサイズ調整をして準備していた
スーパージェットファイバーという
シートを爆速かつ丁寧に施工していました。
機材を撤収して現場を出る頃には、
先程までと全然違う光景となっていて驚きです。
サッシはリクシルのEW。
樹脂トリプルガラス仕様です。
では、チェックしていきます。
少し見えづらいですが、
サッシ周りはコーキングで
気密処理されています。
面材と柱などとの取り合いにも
丁寧にコーキングで気密処理が
施されています。
写真は撮影できなかったのですが、
内側の処理だけでなく外側からも
面材のジョイント部分にテープを貼って
気密処理してあるんですよね。
内外二重の気密処理。
パネル工法などでも同じことが言えますが、
片側しかやらない場合よりも
間違いなく気密は良くなるはずです。
柱と梁などとの取り合いまで
コーキングで処理してあります。
これは伝い漏れの対策ですね。
それと、先ほどの画像でも
見受けられましたが、
梁の根元当たりにウレタンが
吹き付けられていますよね。
ここには羽子板ボルトという
材木を固定する為の金具が
付いているのですが、
内外どちらも露出した状態だと
熱橋を起こしてしまいます。
そうなると、温度差によって
結露が起きてしまう可能性がありますので、
こうしてウレタンを吹き付けて
断熱処理をしているという訳ですね。
排水管の目張りが端の方まで
かかっていないようです。
このままでは漏気してしまいますので、
測定の前にしっかり目張りを補強します
これでOKです。
奥側にも隙間があったのですが、
給水管が密接してしているので
ぐるりと一周テープを巻くのが
難しい状況でした。
そういった場合には、
このように給水管を巻き込んで
目張りをしてしまうのがベストです。
目張りだけでなく気密処理にも
言えることなのですが、
隙間を塞ぐ場合は関連する取り合いまで
徹底的に塞がなければ意味がありません。
少しでも空気の逃げ道が残っていると、
結局漏気を起こしてしまうので要注意です。
監督さんがスリーブ管をチェックして
追加でコーキングを打っています。
どうやらスリーブ管と柱との間の
取り合いを処理しているようですが、
ここが要注意ポイント。
狭い隙間というのはウレタンや
コーキングなどの気密材が詰まりづらく
隙間が残ってしまいがちです。
このような場合は無理に隙間に
詰め込もうとするのではなく、
出口で塞いでしまうのも手です。
勿論、隙間に気密材が入るならば
ミチミチに埋まっていた方が
良いに越したことはありませんが、
入るような幅でない場合には
正面と側面を塞いでしまう方が効率的でしょう。
下屋付近の隅にあるチョボ。
梁と二階の床の取り合いです。
柱や間柱用の切り欠き部分を下から見ると
このように隙間となるのですが、
コレが結構漏気を起こしやすい。
気密ラインの位置や工法的には
あまり漏れる印象は無いのですが…
今回はこちらから漏気していました。
ウレタンを吹き付けて隙間を埋めました。
取り合いが複雑なのでしょうか。
とにかく、漏れないと思っていても
このように漏気してしまうケースも
ありますので油断なりません。
特に室内側に気密シートを貼って
それを気密ラインとしている場合には
ほぼ間違いなく漏気を起こしますし、
そうでなくとも必ずチェックするべきですね。
他にも、何か所か怪しいポイントを
監督さんが気密処理していました。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.10cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
この結果に、
立ち合いされたお施主様は
納得されたご様子でした。
現場を見ていれば分かりますが、
梁の取り合いをグルリと一周
コーキングを打ってある等、
気密処理の徹底ぶり、丁寧さが
本当に素晴らしいです。
それだけに、C値=0.09○cm2/m2 表示まで
持っていけなかった事が悔しい。
あと1cm2だけでも隙間を
埋めることが出来ていたら、
達成できていたのですが…
お施主さまも楽しみにされていたでしょうし
自分の力が及ばず、申し訳ないです。
とはいえ、とても良い気密で
ある事に違いはありません。
これからも住宅の気密をより良くし、
工務店さんや建築会社さん、お施主様たちに
喜んでいただけるよう精進して参ります。