石川県羽咋郡で気密測定 2024/09/20

稜です。

2024年9月20日は石川県羽咋郡で

㈱D-COLORSさまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

壁の断熱材はネオマフォーム。

 

現場はパネル工法となっており、

パネルの取り合いを外壁側と室内側の

両方からテープを貼って気密処理してあります。

 

私たちの測定してきた限りでは、

どちらか一方のみ処理するよりも

内外両方で処理してあった方が

気密は良くなり易いです。

屋根の断熱材もネオマフォーム。

 

断熱材と梁などとの取り合い部分に

コーキングを打って気密処理してあり、

さらには、梁と柱の取り合いまでも

コーキングで気密処理されています。

 

これは伝い漏れの対策なのですが、

中々ここまで細かい処理を施している

現場ってありませんので、

それを進んで実行している大工さんは

本当に素晴らしいと思います。

サッシはYKK APW330。

樹脂ペアガラス仕様ですね。

チェックしていきます。

 

サッシ周りはコーキングとウレタンで

気密処理してありました。

 

わざわざ使い分けをしているのは、

おそらく上部に出来る隙間が大きく、

効率良く埋めるためにはコーキングよりも

ウレタンの方が適していると判断したからでしょう。

 

縦のラインや隅を見れば分かりますが、

コーキングや細かに綺麗にスマートに

処理出来るのが良いポイントです。

ただし、大きめの隙間などを埋める際は

使用する量もいかんせん多くなります。

 

その点、ウレタンは少量吹き付けるだけでも

後から膨らんで隙間を埋められるので便利です。

つまり適材適所というヤツですね。

現場は床断熱です。

 

床(合板)の取り合いを見ると

テープで気密処理されていますね。

 

テープを使って気密処理をする際は

貼る箇所を事前に綺麗にしておきましょう。(特に床)

 

接着面に塵や木くずが乗っていると、

折角時間をかけて貼ったとしても

剥がれたり浮いたりしてしまいます。

そして貼る際にはグッグッと

手やヘラ、ローラーなどで

押さえて圧着させるのがベスト。

 

本当に丁寧に処理してあって素晴らしいです。

柱周りもテープで気密処理。

 

直線部分以外のL字や複雑な形状をした箇所は、

無理やりギチギチ押さえて貼るよりも

このように形を合わせてテープをカットしつつ

貼っていくのがおススメです。

 

テープというのはただ貼ればいいという訳では無くて、

接着面との間に気泡や浮きがあると

時間経過でジワジワと広がっていき、

いずれ漏気を起こすような隙間となります。

 

ウレタン・コーキング・テープ。

気密材としてよく使用されるこの3つですが、

この中で一番丁寧かつ繊細な処理を求められるのは

テープだと断言できます。(私個人の意見)

床の外周部、パネルとの取り合いに

コーキングを打ってありますね。

 

テープではなくコーキングなのは

隅だからでしょうか。

 

隅をテープで処理する場合、

後の処理の事を考えるとL時にピッチリと

浮きが出来ないように貼らないとならないので

どうしても時間がかかってしまいます。

 

その点、コーキングは処理スピードや

精度において優れていますので、

テープを使い場合より時間をかけず、

かつスマートに収めることが出来ます。

一階から上を見上げてみると、

二階の床や梁などとの取り合いに

コーキングを打って気密処理してあります。

 

もちろん、上(二階の床外周部)からも

しっかりと処理してありますので、

上下で挟み込むように塞いである訳です。

 

これが上か下のどちらか一方しか

処理していないと、

残った隙間を逃げ道として

空気の出入りが起きてしまいます。

 

気密処理を行う際には、

(ここを塞いでもこっちに繋がっていて、

結局この隙間から漏気するから…)

という風に関連する取り合いの事を

考えながら処理出来るようになれば

必然的に気密も良くなります。

木と木のジョイント部分に

ネチッとコーキングが塗ってありますね。

もちろんコレも気密処理です。

 

使用する気密材を選択する際に

重要なポイントの一つとして、

処理する箇所の形状が挙げられます。

 

例えば、ウレタンなら凸凹した箇所や

大きな隙間、狭く奥まった箇所。

コーキングなら隅や配線などの貫通部。

テープであれば同じく隅や平面といった感じです。

 

ですので、この木と木の取り合い部分は

平面なのでテープがベスト!…という訳ではなく、

組み合わせ(相性)という要素も重要なポイント。

 

何が問題なのかというと、

周りにコーキングが打ってある状態で

上からテープを貼ろうとすると、

ペラリと剥がれてしまうんですよね。

(個人的には、ウレタン→テープや

コーキング→ウレタン等の組み合わせも

あまり好みではありません。

とか言いつつもやったりしていますが。)

 

テープ→コーキングと手順を逆にして

処理すれば特に問題は無いのですが…

手間が増える上にコーキングのみで

処理した場合より効果があるかと言えば

実際そこまで違いは無いでしょう。

 

平面の処理にテープが適しているのは

間違いありませんが、

コーキングでも丁寧に処理すれば

ちゃんと気密は保たれるでしょうし、

何より、効率や相性といった点で

付近の気密材と合わせるのはとても有効的です。

 

文章をつらつらと並べましたが

綺麗にまとまってないので、

「結局何が言いたいのか分かんねーよ。」

と思った場合はゴメンナサイ。

化生材の周りもちゃんと処理してあります。

 

見えないように、汚さないようにと

気を払いながら処理しなければならないので

処理するのを躊躇してしまいますが、

端のほうだけピシッと丁寧に

処理してあって素晴らしいです。

測定を始める前に少しだけ

C値改善作業(隙間埋め)

をしていきます。

 

こちらも化生。柱周りです。

流石の大工さんでもこちらは

少し躊躇していたようです。

 

というのも、先程の梁桁と違い

位置的に人が接近する箇所なので、

養生を剥がせないんですよね。

とはいえ、何もしないと

漏気を起こす可能性もあるので、

コーキングを打ったのち指でなぞって

押さえてキチッと処理をします。

お風呂の配管貫通部。

こうして見ると、特に問題

なさそうに見えるのですが…

手を近づけて確認してみると、

給湯管の上辺りから少し漏気がありました。

 

追加でウレタンを吹き付けて

気密処理を行いました。

 

こういった配管の集中している箇所は、

配管同士の間に隙間が出来やすいので要注意です。

最後に玄関ドアの下端付近。

 

どうやら漏気があったようですので、

ウレタンを吹き付けて気密処理を

して下さっています。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.19cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

決して悪い数値では無いのですが、

これだけ丁寧な処理を徹底しているので

少しだけn値が気になります。

 

そこで玄関片引き戸を目張りして

測定してみることになりました。

結果はいかに…

C値=0.15cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
28cm2 → 23cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.56 → 1.26
となっています。

この結果に、

立ち合いされた大工さんは

納得されたご様子でした。

 

玄関片引き戸を目張りした結果、

αA (家全体の隙間面積)と

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が

どちらも良くなっています。

 

やはり構造的に隙間があるので

それなりに影響してしまうようです。

 

何はともあれ、とても良い気密。

 

丁寧かつ徹底された気密処理が

所々に施されている現場。

大工さんの頑張りがあってこそ

これだけ良い結果となっているのですね。

気密測定

Posted by fok-rs