石川県金沢市で気密測定 2025/01/27
稜です。
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2025年1月27日は石川県金沢市で
㈱アーツデザインさまの現場の
気密測定を行いました。
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中に上がります。
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現場はパネル工法。
断熱材は屋根・壁ともに
ネオマフォームとなっています。
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サッシはYKK APW430。
樹脂トリプルガラス仕様です。
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こちらの掃き出し窓前は
小上りとなっています。
木の温もりを感じる素敵な設計です。
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チェックしていきます。
サッシ周りはウレタンとコーキングを
使い分けて気密処理してありました。
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屋根の断熱材の取り合い。
コーキングやテープで気密処理
してありますね。
ここでのポイントは二つ。
ひとつはテープ処理をした後に
上からコーキングを打っている事。
これが逆にコーキング→テープになると、
コーキングの上に重なっている部分のテープが
浮いて剥がれてしまう可能性があります。
(テープやコーキングの材質などにもよります)
しかし、テープ→コーキングの順にならば
むしろテープの端の方が押さえられて
浮いてしまうケースも少なくなります。
そしてふたつ目が断熱材を支えている
ピンの気密処理です。
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上の図のように断熱材とピンの
取り合いから漏気するケースが
起こりうるんですよね。
実際には、図のように断熱材とピンとの間に
スカスカに隙間が空いている訳ではなく、
自重によってピンが断熱材に食い込み、
付近の形状が変化したりすることで
僅かに隙間が生じて漏気が発生する次第です。
対策としてはこの取り合いに
覆い隠すようにテープを貼ったり、
上(外気側)にテープを貼ることで
防ぐことが出来ます。
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それでは測定を始めます。
気になる結果は…
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C値=0.26cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.3cm2/m2。
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C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
こちらの間仕切り壁内部の
給湯給水管や配線貫通部等が
空いたままの状態となっていました。
現場は床断熱ですので、
このように基礎内に通じる隙間は
必ず埋めておく必要があります。
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場所が場所なだけに
かな~り処理が難しそうですが、
何とかしっかり隙間を塞いで
気密処理をして下さっています。
画像のように胴縁で見づらい上に
囲まれているような箇所でしたので、
見逃してしまっても不思議ではありません。
なんにせよ漏気は止まりましたので
万事解決、OKです。
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柱まわりをチェックしていると、
切り込みが入っている箇所から
僅かに漏気がありました。
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これが何か所かあったのですが、
一ヶ所からの漏気は少なくとも
それが複数となれば侮れません。
コーキングを打ってから…
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指で上からなぞって、
隙間を確実に埋めます。
この打ったコーキングを
上からなぞって押さえる工程。
これが本当に大切なんです。
二枚目の画像に記載してある通り、
この工程を挟むのとそうでないのとでは
施工箇所に接着しているコーキングの
面積が全く異なりますので、
これによって隙間を塞ぎやすく、
気密がより長持ちする訳です。
あるコーキング屋さん曰く、
「コレをやるのとやらないのと
では大違いです。」との事。
専門家がそう言うのですから、
間違いないでしょう。
気密に関しての安心感違います。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
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C値=0.19cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
26cm2 → 19cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.50 → 1.37
となっています。
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とても良い気密ではありますが、
こちらの木製玄関ドア下端などに
外の光が見えるほどの隙間が
いくつか空いている状態でした。
漏気量が気になる所ですので、
参考値になってしまいますが
玄関ドアを目張りした状態でも
測定をしてみたいと思います。
結果は…
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C値=0.12cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
19cm2 → 12cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.37 → 1.22
となっています。
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この結果に、
立ち合いされた社長は
納得されたご様子でした。
玄関ドアを目張りした結果、
目張り前と比較して
αA (家全体の隙間面積)が
7cm2 良くなりました。
コレに関しては後程玄関ドアを
調整するとの事でしたので、
気密は今より良くなるはずです。
とはいえ、目張り前の数値も
改善作業の効果もあってか、
とても良くなっていると思います。
気密が良く、暖かい。
木の温もりに身も心も温まる
素敵な家になるでしょうね。