石川県白山市で気密測定 2025/01/14
稜です。
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2025年1月14日は石川県白山市で
㈱LINXさまの現場の気密測定を行いました。
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中に上がります。
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天井と壁の断熱材はグラスウール。
まだ充填する前の状態で壁の面材
(気密ライン)が見える状態です。
画像を見て分かる通り、
面材と柱や間柱の取り合い、
窓台と間柱の取り合いなど
徹底してコーキングで気密処理
を施してあります。
さらに外壁側でも気密処理を
施してあるため、内外二重の
気密処理となっている訳です。
安心感が違いますね。
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サッシはリクシルのTW。
アルミ樹脂複合のサッシですね。
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現場は床断熱となっています。
床の合板の取り合いはテープで、
柱の根元(切り欠き部分)は
コーキングで気密処理してあります。
気密材の使い分けも素晴らしいですが、
何よりテープ→コーキングと
順序を考えて処理しているのが
凄いポイントです。
これならば、テープが浮きにくので
気密も長持ちしてくれるはず。
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先ほども確認しましたが、
サッシ周りの気密処理はコーキング。
単にサッシの取り合いだけ
気密処理しているのではなく、
窓台と柱の取り合いの隅と表面まで
しっかりと処理されています。
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こちらは二階の床と胴差しや
梁などの取り合いです。
見てください、この徹底された気密処理を。
外周部に関する取り合い全てに
ビチッとコーキングを打ってあります。
一切の隙間を残さないという
気密にかける熱意やこだわりというか、
信念のようなものが伝わってきませんか?
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一階の下屋部分の気密処理。
こちらも先程と同様に、
取り合いをビッチリ丁寧に
気密処理してあります。
少しはみ出ている壁の面材まで
しっかりと処理してありますね。
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処理のしづらい柱と筋交いの
取り合いをチェック。
この鋭角の部分はコーキングガン等を
使って処理するのが難しいのですが、
ちゃんと処理出来ているようですね。
奥の方まで丁寧に処理してあって
本当に素晴らしいと思います。
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壁のスリーブ貫通部も丁寧に
コーキングで気密処理されています。
コーキングの消費量を惜しまず
厚めに打ってあるのが良いですね。
それに、打った後でなぞって押さえて
あるので接着面との密着度が高いです。
配線・配管の貫通部というのは、
中間気密測定後の工程でなにかと
触って動かしてしまいますので、
コーキングが薄かったり乱雑だと
動いた拍子に切れたり剥離して
隙間が開いてしまうケースもあります。
その点、厚めに打っておけば
その分切れにくくなりますし、
グニッと押さえてありますので
接着している面積が広く、
剥離する可能性も低くなります。
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玄関土間の土台や断熱材の処理。
いや、本当にえぐいですね…
柱と土台、土台と基礎の取り合いを
キッチリ処理しているのは流石ですが、
まさか土間の断熱材の取り合いを
断熱材ごと覆い隠すレベルで
コーキングを打ってあるとは…
この玄関土間の断熱材は、
土間との間に隙間が出来ていると
漏気を起こす事があります。
竣工までにはモルタルで埋まって
隠れる箇所ですので、
実質的に中間気密測定の為だけに
処理しているようなものなのですが…
ここまで丁寧にされているのは
初めて見るレベルでしたので
かなり驚きました。
大工さんの努力に感服です。
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測定を始める前に、
大工さんが何かしてらしたので確認してみると、
どうやら怪しい箇所を探して補修するなどして
最後の追い上げをしていたみたいです。
ただコーキングを打つだけじゃなく、
ヘラを使って押さえているのもGOOD。
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それでは測定を始めます。
気になる結果は…
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C値=0.17cm2/m2の超高気密…って
これはあり得ないでしょう。
ここまで処理が徹底されている現場で、
αA (家全体の隙間面積)が 21cm2。
n値 (隙間特性値 範囲1~2)も
決して良いとは言い難い数値ですし、
何か見落としがあるはずです。
こういう時は大抵サッシ関連が
怪しかったりするものですが…
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チェックして回った結果、
案の定サッシから気になる漏気が。
どうやら原因はサッシの縦枠の
カバーがしっかりはめ込まれて
いない事だったようです。
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結局2枚ある中連(引き違い窓)が
どちらも同じ状態となっていましたので、
バチッとカバーをはめ込んでいきます。
これでサッシから感じていた
多量の漏気は治まりました。
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ついでと言っては何ですが、
玄関ドアの下端から漏気があったり、
ホールダウン金物の根元に打ってある
コーキングがほんの若干切れていて
漏気していたので補修したりしました。
さて、それでは改めて測定を始めます。
結果はいかに…
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C値=0.074cm2/m2の
ウルトラ気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
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この結果に、
立ち合いされた社長や大工さんは
納得されたご様子でした。
一度目の測定結果と比較すると、
断然良くなっていますね。
ですが、ここまで徹底した
気密施工を施してあるというのに
まだ9cm2も隙間が残っているという
結果となっているのが気密の恐ろしいところ。
しかし、問題のあったサッシに関しては
縦枠のカバーをはめ込んで改善したとはいえ、
漏気量が0になったわけではありません。
やはり引き違いサッシ自体の気密性は
お世辞にも良いとは言えないので、
気密への影響は少なからずあるものです。
それを考慮すると躯体の気密性は
非常に優れていると言えるでしょう。
見ていて興奮するレベルの
丁寧かつ徹底された気密施工。
気密の良い家は、大工さん達の
努力の上で成り立っているのだと
改めて実感しました。