福井県吉田郡で気密測定 2025/04/08

稜です。

2025年4月9日は福井県吉田郡で

日の丸工務店(同)さまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

現場はパネル工法となっています。

断熱材はネオマフォームです。

そしてパネルと柱などとの取り合いに

徹底してコーキングが打ってあります。

屋根の断熱はウレタン吹き付け

断熱となっています。

サッシはリクシルのEW。

樹脂トリプルガラス仕様です。

透明なコーキングですので

少し見づらいかも知れませんが、

サッシの周りや窓台の取り合いなどに

丁寧な気密処理が施されています。

一階の天井外周部(合板と胴差し、

梁桁との取り合い部分)や、

桁梁の接合金物のスリット、

それを固定する為のピンまで

コーキングで気密処理してあります。

 

ピンまで気密処理してあるのは

なんとも素晴らしいですね。

さらには二階の床外周部も

コーキングで気密処理してありました。

 

先ほど一階天井の外周部が気密処理

されているのを確認しましたが、

二階の床外周部に繋がっているので

柱の切り欠きなどを埋めておかないと

結局漏気が起きてしまいます。

 

ですので、このように関連する

取り合いや隙間を埋める事が

良い気密にする為に重要な作業な訳です。

玄関土間まわりの断熱材の

取り合いまでコーキングで

気密処理されていました。

 

後で埋まる箇所と侮るなかれ。

位置によっては埋まらずにそのまま

貼ったタイルの裏を伝うなどして

漏気が発生してしまうケースがあります。

 

しっかりと処理出来るうちに

隙間を埋めてしまえば、

安心して後の工程に進めますよ。

現場は基礎断熱となっています。

こちらは外周部に位置する

ホールダウン金物ですが、

全体をウレタンで覆っていますね。

 

気密だけでなく断熱的にも

とても有効的な処理です。

前述の通り現場は基礎断熱です。

 

基礎を貫通している水抜き穴などは

塞ぐ、または埋めておく必要があります。

 

室内側からウレタンを吹き付けて

外側からテープを貼ってありました。

こうする事で吹き付けたウレタンが

外へと余分にはみ出す事もありませんし、

その分穴の中でミチミチと膨らみますので、

効率的に隙間を埋めることが出来ます。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.13cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

既にとても良い気密ですが、

C値改善作業(隙間埋め)

をしてみましょう。

 

玄関ドアの下端両脇から

漏気があったようですね。

 

不安要素を残さない為にも

しっかりと処理しておきましょう。

大工さんがコーキングを使って

気密処理をして下さいました。

 

ただコーキングを打つだけでなく

上から指でなぞっていますので、

隙間を埋めやすい処理となっています。

ただコーキングを打つだけでは

しっかり埋まっているように見えて

実は隙間が残っていたりします。

 

余分にはみ出たコーキングを

指やヘラでなぞって押し付けることで

残っている隙間を埋められますし、

接着している面積を広げる事が出来ます。

 

今だけでなく、経年劣化や振動による

剥離や亀裂の発生など未来の事を考慮すると、

接着面積が多いほど気密は長持ちするので

とても重要な工程だと言えるでしょうね。

下屋部分の一階天井(合板)と梁などの

取り合いを気密処理しそびれていたようで、

ウレタンを吹き付けて気密処理をしています。

 

気密というのはとても面倒なもので、

何処か隙間を埋めたところで

別に隙間が空いていれば次はそこから

空気の出入りが発生してしまう、

まるでモグラ叩きのようなものです。

 

この他の一階天井外周部や

二階の床外周部を埋めてあっても、

ここが空いたままでは漏気が

発生してしまう可能性が高いです。

 

とても面倒な話ではありますが、

一ヶ所隙間を埋めるとしたらば

それに関連する取り合いや隙間は

全てしっかりと埋めておきましょう。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.10cm2/m2の超高気密です。

 

αA (家全体の隙間面積)が
16cm2 → 13cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.26 → 1.20
となっています。

この結果に、

立ち合いされた大工さんは

納得されたご様子でした。

 

実はこちらの現場、

引き違い窓が7枚も付いているという

気密的には中々不利な条件でした。

(うち1枚は測定器設置個所の為

目張りを施してあります。)

 

それでいてこのレベルの気密。

流石は日の丸工務店(同)さまですね。

 

この徹底されたコーキング処理を

なさっている素晴らしい大工さんは、

「木よりコーキングの方が触っている。

やっと本業に入れる(木材に触れる)わ。」

と軽く笑いながら言っていました。

 

また「やっぱり気密はやっただけ出る

(処理した分だけ良くなる)。」

とも言っておられました。

尋常ではない程のコーキング処理などを

施して苦労されている大工さんだからこそ、

これだけ良い気密になっているのですし、

作業量による違いも実感できる訳です。

 

やはり良い気密というものは、

大工さんの技量や努力、熱意が

あるからこそ成り立つものですね。

気密測定

Posted by fok-rs