富山県中新川郡立山町で気密測定 2025/04/14

稜です。

2025年4月14日は富山県中新川郡立山町で

㈱三次元アーキテクツさまの現場の

気密測定を行いました。

玄関ドアは木製の仮ドアが

取り付けられていました。

 

木製の玄関ドアを採用する場合は

最初から本ドアを入れていたり、

このように手作り(?)の仮ドアを

取り付けているケースがありますね。

 

しかし、ちゃんとノブが付いていて

施錠できる仕組みになっているので、

見た目以上にしっかりとしています。

中に上がります。

現場の断熱は、屋根・壁・床がともに

ウレタン吹き付け断熱となっています。

サッシはYKK APW430。

樹脂トリプルガラス仕様ですね。

サッシ周りはウレタンで

気密処理してあります。

外周部の柱や間柱の下端にも

ウレタンを吹き付けて気密処理

してある状態でした。

 

案外漏気が起きてしまいがちな

箇所となっていますので、

気密処理しておくことをおススメします。

二階の柱の下端を処理しても、

この一階の天井(合板)や胴差しの

取り合いを処理していないと、

モグラ叩きのように残った隙間から

空気の出入りが発生してしまいます。

 

気密処理というのは、

一ヶ所やって終わり。ではなく、

関連する取り合い(残った逃げ道)を

潰しきっているかがとても重要です。

 

(ここは塞いだけど、こっちから

逃げるかも知れないな…)

という風に考えながら処理する事が、

気密を良くするコツなんです。

物が置いてあって見づらいですが、

お風呂もウレタンが吹き付けられています。

 

ですが、ここは屋根や壁と違い

発泡倍率の低いカチカチな

ウレタンとなっています。

 

このぐらいの板や物が乗ったぐらいでは、

メリッとウレタンが潰れたり穴が空いて

しまうことも無いほどには頑丈です。

 

しかし、発泡倍率が低く硬いため、

配管の貫通部などの狭い隙間の

処理がしづらく隙間が残ってしまう

可能性が高い印象です。

 

こちらの現場も少し不安でしたが、

室内側と外気側の基礎貫通部はともに

漏気が全くない状態に仕上がっていました。

ウレタン吹き付け業者さんの経験や

技術が感じられますね。素晴らしいです。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.30cm2/m2の超高気密です。

C値改善作業(隙間埋め)

をしてみます。

 

現場には天窓が採用されており、

周りにテープを貼るなどして

気密処理してあったのですが、

隅の箇所を見てみるとテープでは

塞ぎ切れていない状態でした。

手をかざすと漏気していましたので、

気密処理をしていきます。

 

一か所だけでなく、四隅から

漏気がありましたので、

慎重にウレタンを吹き付けて

隙間を埋めました。

サッシ周りにはウレタンが

吹き付けてあるとお伝えしましたが、

このように(画像一枚目)ウレタンが

あまり詰まっておらず隙間が

残ってしまっている箇所があったので、

こちらもウレタンを吹き付けて

気密処理を施しました。

 

吹き付けたウレタンが後から膨らんで

隙間が埋まるだろうと期待しても

あまり膨らまない場合もありますので、

しっかりチェックしておくことが大事です。

柱の根元の土台プレート。

こちらからも漏気がありました。

ウレタンを吹き付けて漏気を止めます。

 

柱が化生という事もあり、

処理が難しかったのでしょう。

 

十分な処理を施したつもりでも、

目視だけでは分からない事もあります。

気密測定の際には実際に漏気が

隙間の存在を教えてくれるので、

不安な箇所がある場合は測定の際に

しっかり確認しておきましょう。

これまた難しいポイントが。

 

屋根の勾配と天井下地、

そこに吹き付けられたウレタン。

 

吹き付ける際には既に下地を

組んでありましたので、

吹き付け作業がかなり難しい

状態だったという事です。

 

何しろ、この状態から隙間が

残っていないか目視で探すとなると

非常に困難な事ですからね。

目視で探すのが困難であっても

測定器で室内を減圧している状態なら

割かし簡単に隙間を見つけられます。

 

気密測定というのは単に

家の気密を測るだけではなく、

隙間を見つけて埋めることの出来る

チャンスでもある訳です。

こちらは下屋の束柱です。

 

私はウレタン吹き付け断熱で

この束柱と面材の間隔が狭い場合、

必ず漏気チェックをしています。

 

何故ならば、吹き付けが難しく

隙間が残りやすい箇所であり、

もし隙間が残っていた場合には

かなりの量の漏気となるからです。

 

今回は全部で6箇所あったのですが、

うち2箇所から漏気がありました。

漏気が無くなるまで確認しながら

しっかりとウレタンを吹き付けました。

 

ここ、本当に要注意箇所です。

今回も隙間が残っていた箇所は

フオォ――って感じでかなり風が

出ていました。

 

ウレタン吹き付け業者の方も

気を付けながら吹き付けして

下さってはいるのですが、

ただ吹き付けしづらいだけじゃなく

ウレタンが詰まっているかどうか

見づらいのも影響しています。

 

コレに関しては、

測定器で減圧した状態でなくとも、

少し影が出来ていたりして怪しいと思ったら

とりあえずウレタンを吹き付けて

気密処理しておくべきです。

 

ちなみに断熱が欠損している

という事にもなりますので、

処理がしやすいというだけでなく

断熱の補強を施すという意味でも

ウレタンでの処理を推奨します。

最後に床の配管貫通部です。

これ綺麗に処理してありますよね?

でも、漏気しているんです。

 

この状態で隙間が残っているとか

目で見ただけで分かる訳がありません。

これが気密の嫌なところですね

上からさらにウレタンを吹き付けて

漏気を止めました。

 

ちなみに間柱と排水管の間が

怪しいと思った方もいるでしょうが、

そちらでは無くて本当に正面の

何処かに隙間があったみたいです。

 

そんな小さな隙間の特定まで

やっていたらキリが無いので、

覆うように吹き付けました。

漏気が止まればそれでいいんです。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.13cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
40cm2 → 18cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.77 → 1.28
となっています。

この結果に、

立ち合いされた監督さんは

満足されたご様子でした。

 

αA (家全体の隙間面積)で言うと、

22cm2 の改善結果となりました。

結構埋まりましたね~!

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)も

内心少し不安だったのですが、

かなり改善したようで安心しました。

 

コレに関しては、

最後の方で改善していた

下屋の束柱と面材の間に出来た

隙間を埋められたのが大きいと思います。

 

かなり多量の漏気でしたので、

それによる影響は言わずもがなでしょう。

 

何はともあれとても良い気密。

㈱三次元アーキテクツさまのデザインと、

高気密で暖かく快適な環境。

素敵な家になりそうです。

気密測定

Posted by fok-rs