石川県金沢市で気密測定 2025/04/30
稜です。

2025年4月30日は石川県金沢市で
㈱LINXさまの現場の気密測定を行いました。


中に上がります。

現場の断熱材は天井・壁ともに
グラスウールとなっています。
壁は面材と柱などとの取り合いに
コーキングを打って気密処理。
ただ打つのではなく、打った後に
上からなぞって押さえているので、
コーキングが隅や溝の形に添って
ミッチリと隙間を埋めてくれます。

そして外壁側の面材の取り合いに
テープを張って気密処理を施しています。
内側はコーキング、外側はテープと
内外二重の気密処理となっています。
私たちの経験上、
どちらか片側のみ気密処理している現場と
両側で気密処理している現場では、
気密の取れ具合が結構違っていますので
間違いなく効果はあるはずです。

サッシはリクシルのTW。
アルミ樹脂複合のサッシですね。

サッシ周りはテープとコーキングを
使って気密処理してありました。
…なんか妙に黒いですね。

それもそのはず。
実はこの黒いのは全てテープ。
これだけビッチリとテープで
気密処理してあるサッシなんて
まず見られませんよ。
その上、入隅にコーキングを打って
補強してありますので、
テープの端が浮いて漏気が…という
悲しいことにならない安心の施工です。

現場は床断熱です。
ご覧の通り、合板の取り合いにテープを
貼って気密処理してあるのですが、
この下の大引きと断熱材の取り合いにも
テープを貼って気密処理してあります。
ですので、壁と同様に二重の
気密処理となっている訳ですね。
上手く撮れていなかったので
残念ながら画像は無いのですが、
床の断熱材に関しましては
大引きの下にも断熱材を貼ることで、
比較的断熱力の弱い木の部分を
補強した仕様となっています。

柱周りや切り欠き、合板の端なども
しっかり気密処理されていますので、
伝い漏れの対策もバッチリです。

天井もコーキングを使って
綺麗に気密処理されています。
ビスの打ってある箇所まで
一つ一つ丁寧に処理してある所から、
大工さんの気密への熱意や想いというのが
ひしひしと伝わってきますね。

桁梁や筋交い、柱や面材など、
取り合いという取り合いを全てに
コーキングを打って均している
お手本のような素晴らしい処理ですね。
気密というのも断熱と同じで、
連続していないと効果がない
(漏気を起こしてしまう)場合があります。
ですので、気密を確保する上では
非常に理に適っているんですよね。
絶対に漏気させないという
強い意志が感じられますね。


お風呂周りは断熱材の取り合いに
コーキングを打って処理してあります。
排水管などの貫通部に至っては、
ウレタンを吹き付けてから余分な
部分を切り落として、
ウレタンごとコーキングで覆うという
凄まじい気密処理が施されています。
最初に見た時は、
(なんだこのケーキみたいなの…)
と思ったりもしたのですが、
ウレタンというものは小さな穴からも
漏気を

玄関土間の断熱材がコーキングに
覆われて見えない状態になっています。
この土間と断熱材の取り合いからも
漏気が発生する場合があるので、
このように処理している訳ですね。
それにしても、綺麗に均してありますね…


スリーブ管やPF管の壁貫通部。
こちらもまた丁寧な気密処理が
施されていますね。
厚めにコーキングを打っているので
切れたり剥離しにくいという点でも
優れた気密処理を言えるでしょう。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.10cm2/m2の超高気密です。

これだけ徹底的に気密処理してある状態で、
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.59 というのは何かあるはず…
何かないかと探していると、
滑り出し窓から目立った漏気が
感じられましたので、
漏気の具合を改善するべく奮闘中。
一見隙間なく閉まっているように見えても
漏気を起こす可能性があるので、
サッシのチェックはとても大切です。

㈱LINXの橋本代表の頑張りで
何とか良くなったようです。
いや~良かったです。
ついでに大きな掃き出し窓なども
召し合わせのパッキンを起こすなどして
漏気の改善を試みました。
いや、パッキンって…と思われる方も
いるかもしれませんが、
サッシ本来の性能を引き出すというのは
生活をする上でかなり重要です。
特にあまり開ける機会のないサッシは
やっておいて損はありません。
それでは再度測定を行います。
結果はいかに…

C値=0.064cm2/m2の
ウルトラ気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
13cm2 → 8cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.59 → 1.23
となっています。

この結果に、
立ち合いされたお施主様は
喜んでいるご様子でした。
やはりサッシから感じた漏気は
それなりに影響していたようですね。
サッシを調整した甲斐あってか、
αA (家全体の隙間面積)が
5cm2 良くなっていますし、
少し気になっていた n値に関しても
とても良くなっていますよね。
改めてサッシと気密の密接な関係性や
調整の重要性を認識することができました。
ただサッシの調整も大切ですが、
大工さんが丁寧かつ徹底された
気密処理をなさっているからこそ
これだけ素晴らしい結果があるわけです。
大工さんの気密に対する熱意や
徹底した処理にかける努力には感服です。
これだけ素晴らしい気密で、
断熱にもこだわっているとなれば、
暖かく快適な生活のできる家になりますね。