石川県小松市で気密測定 2025/07/07

稜です。

2025年7月7日は石川県小松市で

㈱山下工務店さまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

現場はパネル工法です。

 

壁はパネルの外壁側の取り合いに

テープを貼って気密を確保しています。

 

室内側でもテープを貼っている

箇所が見えていますが、

これは下屋の取り合いの都合で

伝い漏れを防ぐべく気密処理を

施しているみたいですね。

屋根はウレタン吹き付け断熱

となっています。

 

パネル工法など、ボード状断熱材を

使用する現場では屋根や天井の

気密を確保するのが大変です。

 

その点、こちらの現場は大工さんが

手間暇かけてテープやコーキングを

使って取り合いを気密処理せずとも、

ウレタン業者の方が吹き付けるだけで

気密を確保することが出来ます。

サッシはYKK APW430。

樹脂トリプルガラスですね。

チェックしていきます。

 

サッシ周りはテープを貼って

気密処理していますね。

お風呂周りの気密処理。

 

カネライトフォームの取り合いに

ウレタンが吹き付けられています。

 

屋根と同様に、吹き付け業者の方が

気密処理を行っていますので、

ウレタンが断熱材の取り合いに

びったりと密着しています。

 

我々が普段現場で使っているような

市販のウレタンスプレーとは異なり、

吹き付けた箇所との密着具合が高いので

隙間が残る可能性はかなり低いです。

 

厚みも幅もしっかりしているので、

漏気する恐れはほぼ無いでしょう。

(※貫通部は漏れやすいので要注意。)

ホールダウン金物も同様に

ウレタンが吹き付けられていて、

スッポリと全体が覆われています。

 

とても良い気密処理だと思いますが、

何より熱橋の対策としても素晴らしいです。

 

このホールダウン金物、

もちろん金属で出来ています。

金属は熱伝導率が高いため、

これらをとして外の

室内側(断熱の内側)まで伝い、

それが原因で温度差による結露が

発生してしまう可能性もあります。

 

その温度差を作らない為にも、

このようにしっかりと断熱をして

熱橋を防ぐことが大切ですね。

測定を始める前に、

監督さんが柱の周りにウレタンを

吹き付けて気密処理をしています。

 

現場は床断熱となっていて、

床の合板の下、大引きと断熱材の

取り合いで気密処理を施しています。

 

しっかりと気密処理出来ていれば

あまり問題は無いのですが、

柱周りはテープも貼りづらく

漏気を起こしてしまう可能性が

少なからずあります。

 

ですので、予めその対策として

柱周り(切り欠き)を埋めている訳ですね。

おっと、床の配線貫通部が

空いたままスカスカですね。

 

このままでは勿論漏気を

起こしてしまいますので、

隙間を埋めていきましょう。

この時、隙間の中にウレタンを

吹いて詰めるだけではなく、

床の合板にも乗っかる程度に

モコモコとウレタンを吹きましょう。

 

これはウレタンに限らず

コーキングでも同じなのですが、

隙間の内部を埋めただけでは

時間の経過や振動などによって

剥離が発生し隙間が生まれてしまう

ケースがよくあるからです。

 

隙間の内部だけでなく

床にも気密材が密着していれば、

接着面積が大きくなるので

抵抗する力も大きくなります。

 

ですので、隙間内部だけでなく

外部にも気密材を使い蓋をする。

コレが非常に大切です。

 

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.22cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)を

していきます。

 

先程のホールダウン金物を

よ~く見てみると、

根元の辺りに少しだけ隙間が

出来てしまっています。

 

手を近づけて確認してみると

漏気を起こしていましたので、

気密処理を行います。

隙間の中にウレタンをチュッと

吹き付けて気密処理完了。

 

この場合は、この隙間というよりも

ホールダウン金物の貫通部から

漏気しているだけですので、

出口となっている隙間表面ではなく

漏気の原因となっている貫通部を

埋める事が重要となっています。

 

ですので、隙間の中のそのまた奥、

ホールダウン金物の根元を狙って

ウレタンを吹き付ける事で、

伝い漏れの可能性も潰せる訳です。

下屋のウレタン吹き付け部分。

何やら怪しげな隙間がありますね。

 

手を近づけて確認してみたところ

やはり漏気を起こしていました。

ウレタンを吹き付けて隙間を埋めました。

 

確かにウレタン吹き付け断熱は、

間違いなく他と比べて気密を

取りやすい仕組みになっていますが、

人の手で施工を行っている以上は

このように漏気を起こす隙間が

残ってしまうのも仕方ありません。

 

ですが、カバーするのは重要です。

そのために目視や漏気チェックで

隙間を探して埋める作業が大切なんです。

こちらは火打ち梁の付近。

先程と同様に怪しい隙間が

出来てしまっていますね。

 

確認してみたところ、案の定漏気を

起こしていましたので隙間を埋めます。

というか、火打ち梁の付近は

非常~~っに漏気を起こす隙間が

出来やすい要注意ポイントです。

 

そんな家全体を見回る時間の

余裕なんてねぇよ。って方々も、

ウレタン吹き付けの現場では

絶対にチェックしておくべき箇所です。

 

隙間が大きい分、必然的に

漏気量も多くなりますので、

天然の送風機みたくなります。

そんなの残したくないですよね?

 

ウレタン吹き付けの厚みや高さに

よるところがありますので、必ずしも

漏気を起こすわけではありませんが

なるべくチェックしておく事を

おススメしたいですね。

お施主様や㈱山下工務店の方が

漏気のチェックをなさっています。

 

床外周部の合板とパネルとの間の

隙間にウレタンを詰めているのですが、

所々小さな隙間が出来てしまっていて

少しずつ漏気を起こしているようです。

本来ならば、はみ出している

ウレタンをカッターで切り取って、

テープを貼るのが後工程にも影響が

出づらいので良いのですが、

ここは小上がりになる箇所らしく

追加でウレタンを吹き付けて

気密処理をさせて頂きました。

 

こういった箇所をウレタンで

気密処理する場合には、

上の方でも説明しましたように

隙間の内部だけでなく床の合板にも

かかるように気密処理をします。

 

こうする事で、気密が取りやすく

なる上に長持ちします。

気密は今一瞬の為だけではなく

長く保たせることが重要なので、

後先を考えた処理を施す事が肝心ですね。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.19cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
26cm2 → 22cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.40 → 1.33
となっています。

この結果に、

立ち会いされたお施主様方は

納得されたご様子でした。

 

αA (家全体の隙間面積)は

4cm2 の改善となりました。

 

もう少し良くなると思ったのですが…

やはりパネル工法は気密の改善が

少し難しい印象がありますね。

 

取り合いが非常に多いので、

その分細かな隙間が残りやすく、

目視で探しにくいので如何せん家全体を

見回り切れいないというのが難点。

 

しかし、耐震性はバッチリですし、

他には代えられない魅力が詰まっています。

 

間違いなく良い気密です。

きっとお子様も快適にすくすくと

育つような素敵な家になりますね。

気密測定

Posted by fok-rs