富山県富山市で気密測定 2025/07/04

稜です。

2025年7月4日は富山県富山市で

大洋住宅㈱さまの現場の

気密測定を行いました。

玄関ドアは上部がアーチ型の

珍しいものが採用されていまして、

仮ドアもそれに合わせて専用のもの

となっていてビックリしました。

 

結構色々な現場を見てきましたが、

アーチ型の仮ドアを見たのは

これが初めてですね。

 

丸みがあって可愛らしいです。

中に上がります。

現場は屋根・壁ともに

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

サッシはYKK APW330。

樹脂ペアガラスですね。

お風呂はミラーフォームの

取り合いにウレタンを吹いて

気密処理を施しています。

それでは早速測定を行います。

気になる結果は…

C値=0.43cm2/m2の高気密です。

表示は四捨五入により0.4cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)を

していきます。

 

先ほどお風呂周りの気密処理を

チェックしましたが、

人通口の周りをチェックしてみると

結構漏気を起こしていました。

人通口の周りにもウレタンを

吹き付けてはあるのですが、

所々隙間が残ってしまっていたり、

上部の取り合いがそのままだったり、

はたまた人通口自体から漏気が

発生していたりと様々な原因がありました。

 

薄っすら赤い線が見えると思いますが、

ここは気密処理を施さなければ

ならない箇所となっています。

(残った隙間に関しては割愛しています)

ウレタンやテープを使い分けて

一通り気密処理を施しました。

 

人通口上部と土台との取り合いは

木くず等で汚れてしまっていたり

ウレタンの飛沫が乗っている為、

テープを貼っても剥がれてしまう

可能性を考慮してウレタンで

気密処理をしています。

 

同様に残った小さいな隙間たちも

ウレタンで埋めています。

 

ただ、人通口の平面の取り合いは

接着力と接着面積の違いから

ウレタンで処理をするよりも

テープを使う方が優れています。

 

気密処理する箇所の形状や材質

によって気密材を使い分ける、

コレが気密を長持ちさせる上で

非常に大切な事です。

お風呂周りでは他にも、

排水管の付近などから

漏気が発生していました。

 

まずは排水管の周り。

狭いので処理しづらいですが、

外にまで繋がっている以上

周りはしっかりと塞ぎましょう。

 

そして、断熱材の切り込み。

これは直接漏気しているのではなく、

近くの排水管貫通部や少し離れた

位置にある給湯給水管の貫通部など

から伝い漏れが起きています。

文字だけでは理解しづらいと

思いますので画像を参照ください。

 

気密というのは厄介でして、

給湯給水配管などの貫通部を

ウレタン等で塞いだところで、

別に出入口が残っていれば

そこから漏気が起きてしまいます。

 

この出入口、どれだけ狭かろうが

僅かでも隙間が残っている限り

空気がスルスルとすり抜けていきます。

 

ですので、気密処理をする際は

関連する取り合いを徹底して

塞いだり埋めておく必要がある訳です。

ウレタンを吹き付けて

隙間を残さず埋めました。

 

取り合いと伝い漏れの問題。

コレはお風呂周りに限った話ではなく

状況が似ればどこでも起こり得る話ですので、

なるべく注意して見ておきたいですね。

お風呂周り最後の漏気箇所。

土台と床、間柱の取り合いですね。

 

正確には間柱の切り欠きに出来た

隙間から伝い漏れが起きています。

 

そう、先程と同じ伝い漏れです。

とはいえ原因は同じではなく、

何処か床の断熱材と大引きとの

取り合いに残った隙間から空気が侵入し、

ここが出口となっているのでしょう。

勿論、床断熱の現場ですので、

大引きと断熱材の取り合いに

気密処理を施していますが、

それでも絶対はありません。

 

特に柱の付近はテープが貼りづらく

隙間が残ってしまう事があります。

 

元を塞げるのであればそれがベストですが、

床に合板を敷いた今、探すのは不可能です。

 

ですが、出口を塞ぐのも大切。

なるべく切り欠きの隙間の奥まで

ウレタンが詰まるように意識して

気密処理を行いました。

こちらは桁梁の接合金物のスリット。

 

隙間が大きい分、漏気量も多い

要注意ポイントの一つです。

 

コレが漏気を起こすか否かは

気密ラインの位置にもよります。

例えばスリットの両端が室内側に

通じている場合は勿論漏気しません。

室内の空気が移動するだけです。

 

ですが、画像のようにスリットの片側

が外気に接している状態の場合、

外気の侵入口となってしまいます。

それも、とても大きな侵入口。

気密シート貼りの現場でも、

パネル工法の現場でも、

ウレタン吹き付けの現場でも。

様々な現場で起こり得るケースです。

 

ウレタン吹き付けの現場では

外気側がウレタンで塞がっている

可能性も僅かにあり得ますが、

経験上高確率で漏気しています。

 

吹き付け業者の方が意識して

処理しない事にはまず塞がりません。

ですので、漏気の有無はともかく

怪しい位置にある金物のスリットは

なるべく埋めておくことをおススメします。

 

熱橋の対策としても重要ですので。

お次はホールダウン金物の貫通部。

 

見て分かる通り、スッポリと

穴が空いてしまっています。

 

床断熱の現場の場合は、

外周部に限らず全ての位置から

確実に漏気を起こしますので、

必ず埋めておくべきポイントです。

柱の切り欠きにウレタンを

吹き付けています。

 

現場は床断熱となっており、

大引きと断熱材の取り合いで

気密処理を施している状態。

 

そうした場合、柱周りはテープの

貼りづらさなどから伝い漏れが

起きる可能性が少なからずありまして、

その対策をしているという訳ですね。

最後に玄関ドア周り。

取り合いが気密処理されておらず、

それなりに漏気を起こしていました。

 

取り合いにビッチリとテープを

貼って気密処理を施します。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.20cm2/m2の超高気密です。

 

αA (家全体の隙間面積)が
47cm2 → 22cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.51 → 1.16
となっています。

この結果に、

立ち会いされた監督さんは

納得されたご様子でした。

 

今回、αA (家全体の隙間面積)は

25cm も埋まっているようです。

お風呂周りや接合金物のスリットなど、

色々な箇所を改善して回りましたが、

結果的にかなり良くなっていますね。

 

目で見ただけで怪しいと思える

ポイントばかりでしたので

改善も比較的簡単でしたが、

目視では隙間の存在を認識

出来ないようなケースも多いです。

 

絶対に大丈夫と思っていても、

思わぬ所に隙間が隠れ潜んでいて

見逃してしまっている可能性もあります。

 

気密測定では、漏気を頼りに

隙間を探し出すことも出来るので、

「普段通りにやっているから

大丈夫だとは思うけど…

万が一大きな隙間が残っていたら

嫌なので確認しておきたい。」と

単純に家の気密性能を測るだけでなく、

もしもの時の保険にもなります。

 

とても良い気密です。

快適で涼しい家になりますね。

気密測定

Posted by fok-rs