石川県野々市市で気密測定 2025/07/24
稜です。

2025年7月24日は石川県野々市市で
㈱正栄産業さまの現場の
気密測定を行いました。


中に上がります。

現場は屋根・壁ともに
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。

そして基礎断熱となっており、
こちらもウレタン吹付け断熱
処理が施されています。

サッシはYKK APW330。
樹脂ペアガラス仕様ですね。

換気システム用のスリーブ管の
基礎貫通部です。
先ほど基礎内にウレタンを吹き付けて
断熱処理しているのを確認した通り、
この貫通部の室内側の隙間はウレタン
によって塞がっている…はずです。
ただ、目視で隙間の有無を確認
したわけではありませんので、
万が一隙間が残っていては大変です。
という事で、念の為に外側からも
気密処理を施しておく事になりました。

スリーブ管の貫通部まわりの
隙間にウレタンを吹いています。
基礎断熱の現場における
基礎貫通部というのは、
大抵隙間が大きい事もあって
万が一隙間を残してしまった時の
気密への影響は決して侮れません。
最悪の場合、基礎内で結露が発生して
カビを繁殖させてしまう可能性すらあります。
何が言いたいかというと、
後で後悔しないためにやれる事は
なるべくやっておこうという話です。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.10cm2/m2の超高気密です。

C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
柱の切り欠きに手を近づけると、
漏気を起こしている箇所がありました。
現場は基礎断熱だというのに、
何故こんなところから漏気が
発生してしまうのでしょうか。

実は、柱と床(合板)と土台との
取り合いに外気に通じる隙間が
残っている状態だと、今回のように
漏気が発生してしまうんです。
つまり、床断熱だろうが基礎断熱だろうが、
関係なく漏気を起こしてしまう訳ですね。

他にもいくつか漏気していたり
怪しい箇所がありましたので、
いずれも気密処理を施しました。

こちらは屋根のウレタンですが、
何やら小さな穴が空いていますね。
お施主様が持参したサーモグラフィー
で付近の温度差を確認したところ、
この小さな穴の部分だけ温度が
極端に違って見えました。

必ずしも漏気を起こしている
という訳では無いのですが、
温度差が発生している以上は
見過ごせません。
穴の奥の方まで詰まるように
ウレタンを吹き付けて
断熱気密処理を施しました。

最後に玄関ドアの下端辺りから
漏気があったようですので、
そちらの気密処理をしています。
それでは再度測定を行います。
結果はいかに…

C値=0.079cm2/m2の
ウルトラ気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
12cm2 → 9cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.47 → 1.25
となっています。

この結果に、
立ち会いされたお施主様は
喜んでいるご様子でした。
今回、αA (家全体の隙間面積)は
3cm2 の改善となりました。
元々かなり良い結果でしたが、
お施主様が怪しい隙間を
見つけて下さった事もあり、
さらに気密が向上しました。
これだけ気密が良ければ、
経年劣化による気密性の低下も
緩やかになると思いますので、
永く快適な生活が出来るでしょう。
お施主様がご自身で隙間を見つけ
それを埋めることが出来たという経験は、
一生の思い出になりそうですね。