石川県金沢市で気密測定 2025/08/27

稜です。

2025年6月18日は石川県金沢市で

ほそ川建設㈱さまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

屋根・壁の断熱はともに

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

サッシはリクシルのサーモスL。

アルミ樹脂複合サッシですね。

サッシ周りはコーキングと

ウレタンを使って気密処理を

施してありますね。

 

上端は隙間が出来やすい為

埋めやすいウレタンを使用し、

その他の取り合いはコーキングと

使い分けているのが良いですね。

現場は床断熱となっています。

 

床(合板)の下の大引きと断熱材の

取り合いにテープを貼って

気密処理をしてあるのですが、

柱付近はテープが貼りづらいので

隙間が残ってしまう事もしばしば。

 

画像のように柱にテープがかかって

いるのが分かる状態になっているのは、

柱周りまでしっかり処理している

という事なのでしょうね。

排水管の床貫通部は、

しっかりとコーキングで

気密処理を施しています。

二階の床と胴差し、桁梁の取り合いに

ウレタンを吹き付けていますね。

 

この取り合い、気密ラインの位置

によっては伝い漏れを起こしやすい為、

気密処理しておくと安心ですね。

こちらは下屋部分から確認できる

二階の面材なのですが…

なんか凄い事になっていますね。

 

面材と面材の間に隙間が空いていると、

屋根の方から漏気してしまう

ケースがありますので、

その対策として有効な処理です。

 

しかし、何故ここまでのピッチで

ウレタンを吹き付けているのか…

もしやビスを打った箇所の

気密処理しているのでしょうか。

なんにせよ気密への想いや熱意が

伝わってくる光景ですね。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.25cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.3cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)を

していきます。

 

壁を貫通しているスリーブ管。

下から見ている分には問題なさそうですが…

脚立に乗って上から覗いてみると、

隅に怪しげな隙間が出来ていました。

 

手を近づけて確認して見たところ、

やはり漏気を起こしていました。

ウレタンを吹き付けて隙間を

キッチリ埋めておきました。

 

隙間探しをする上で大切なのは、

位置や角度を変えて確認する事。

 

通常の人間の視点からでは

全く問題なさそうに見えても、

実際は死角に大きな隙間が

残ってしまっているかもしれません。

お次は間柱と床の間に出来た隙間。

これが案外漏気を起こしやすいんです。

 

おそらくですが、

半端に狭い隙間となっているので

奥の方もウレタンが詰まっておらず、

外気にまで通じてしまっているのでしょう。

こちらもウレタンで気密処理。

漏気量はそれなりといったところですが、

これが複数箇所あると気密にかなりの

影響を及ぼしてしまうことでしょう。

 

似たような隙間が出来ていても

漏気はしていないケースもありますが、

それは測定器で減圧している状態

だからこそ見分けられるだけですし、

何より断熱の補填という意味でも

一通り処理しておく事をおススメします。

こちらは桁梁の接合金物のスリット。

上部まで貫通していますので

貫通した先が外気に通じていると

漏気を起こす要注意な箇所です。

 

また、金属が熱橋となり

温度差による結露が発生して

しまうケースも考えられるので、

漏気を起こしていなくとも位置に

よっては気を付けておくべきです。

 

今回は上部がウレタンを吹き付けた

壁となっているので問題無いだろうと

思っていたのですが…

一応確認して見たところ、

少量の漏気を起こしていました。

…何故?と思いつつも、

とりあえずしっかりとウレタンで

気密処理を施しておきます。

 

こういった隙間にウレタンを

吹き付ける際の注意点。

なるべく奥の方まで詰まるように

意識してウレタンを吹き付けること。

 

単純に隙間が埋まりやすくなりますし、

気密を保持できる期間も長くなります。

 

奥までギチギチに詰まっている場合と、

表面にだけ吹き付けて蓋している場合。

どちらの耐久性が高いかなんて

簡単にイメージできますよね。

 

また、断熱という面においても

厚みがあった方が安心ですよね?

他にもサッシ付近で漏気を起こして

いる箇所がいくつかありましたので、

大工さんが気密処理して下さいました。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.22cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
35cm2 → 31cm2
となっています。

 

この結果に、

立ち会いされた監督さんは

納得されたご様子でした。

 

αA (家全体の隙間面積)は

4cm2 埋まったようですね。

もう少し良くなるかとも思ったのですが…

そう甘くは無いですね。

実はこちらの現場、

玄関ドアが片引き戸となっていて

少なからず漏気していました。

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が

改善しなかったのは、

玄関片引き戸からの漏気量が多かった

のが影響しているのかと思います。

 

とはいえ、勿論良い気密で

ある事に違いありません。

きっと快適な家になるでしょうね。

気密測定

Posted by fok-rs