石川県金沢市で気密測定 2025/09/11

稜です。

2025年9月11日は石川県金沢市で

㈱BEAR’S WORKS さまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

 

現場はパネル工法です。

断熱材は天井・壁・床ともに

ネオマフォームとなっています。

パネルの取り合いを見ると、

テープで気密処理を施してありました。

 

さらに外壁側でもテープを貼って

気密処理を施していますので、

内外二重の気密を確保しています。

天井はネオマフォームの取り合いを

コーキング(室内側)とテープ(外気側)で

気密処理しています。

 

こちらも二重の気密処理ですね。

どちらか一方だけの場合と比べて

気密が良くなりやすいですし、

もしどこかに隙間が出来てしまっても

もう一方の気密が確保できていれば

影響も少なくなるので良いですよね。

天井に所々テープを貼ってありますね。

 

ネオマフォーム(断熱材)はピンで支えて

落ちないようになっているのですが、

実はこのピンから伝い漏れが発生する

ケースがあるんですよね。

 

一か所一か所からの漏気量は

それほどで多くはないのですが、

これが数十か所となると話は別です。

 

また、ネオマフォームの取り合いに

打ってあるコーキングですが、

よく見るとピンにテープを貼った後に

コーキングを打っていますよね。

 

気密材にも相性というものがありまして、

ツルツルなコーキングの上からテープを貼ろうと

すると直ぐにペラリと剥がれてしまいます。

(ネッチリしているタイプのコーキングなら

割と貼りついてくれます)

 

この気密処理ひとつ見るだけでも、

㈱BEAR’S WORKS さまや大工さんの

こだわりや熱意が伝わってきますよね。

サッシはシャノンの樹脂サッシ。

トリプルガラス仕様ですね。

サッシ周りはコーキングで

気密処理が施されています。

 

パネルや柱などとの取り合いも

テープで丁寧に処理されていますね。

現場には広めなスキップフロアがあり、

この下はインナーガレージとなっています。

 

室内側は床の合板の取り合いに

テープを貼って気密処理してあり、

下の外気側では室内側の天井と同様に

断熱材や桁梁の取り合いにコーキングを

打ってピンにもテープを貼っています。

 

構造的に隙間が出来やすく漏気が

起こりがちなインナーガレージですが、

ここまで丁寧に気密処理を施してあれば安心ですね。

壁や床の配管・配線貫通部は、

コーキングで気密処理されています。

 

コーキングで気密処理する際には、

厚く太めに打つことをおススメします。

これが薄かったり細かったりすると、

振動や経年劣化で亀裂ができてしまい

そこから漏気が…なんてことにも。

 

良い気密を長く保つためには、

振動や経年劣化で隙間が発生しない

ように強く丈夫な処理を施しましょう。

二階の床(合板)と胴差し、

桁梁の取り合いがコーキングで

気密処理されていますね。

 

こちらは伝い漏れが起こりやすい箇所で、

その対策をしている訳ですね。

少し見づらいかも知れませんが、

桁梁の接合金物のスリットにテープを

貼って気密処理してありますね。

 

こちらは上部が完全に外気と

いう状態では無いのですが、

伝い漏れが発生する可能性がある

ので処理しておくべき箇所です。

 

ビッタリと丁寧にテープを

貼ってあるので安心ですね。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.11cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)を

していきます。

 

こちらは二階の勾配天井部分。

勾配が付いたことによって、

天井の断熱材と壁のパネルとの間に

出来た隙間をウレタンで塞いで

気密処理を施しています。

 

かなりモコモコはみ出すぐらいに

ウレタンを吹き付けてあるようなので、

パッと見では漏気しなさそうですが…

分かりますかね?

壁のパネルの断熱材と間柱との間に

僅かに隙間が出来ています。

 

それがどうした?と思う方も

いらっしゃるかも知れませんが、

実はこの僅かな隙間から漏気しています。

 

何故漏気しているかというと、

この隙間が天井と繋がっているからです。

天井の断熱材と壁のパネルの間に

ウレタンを吹き付けたことによって

大きな隙間は埋まったのですが、

この僅かな隙間が残っている限り

逃げ道となって伝い漏れを起こします。

同様の箇所が複数ありましたが、

いずれも大工さんがコーキングで

丁寧に隙間を塞いでくださいました。

 

それも、ただコーキングを打つだけでなく、

指で上からなぞって押さえています。

 

こうする事で、隙間の奥まで

コーキングが入っていきますし、

表面の接着面積も大きくなるので、

経年劣化に強くなり気密を長く

保つことが出来るようになります。

 

素晴らしい処理をして頂いたところで、

再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.050cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
13cm2 → 6cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.55 → 1.03
となっています。

この結果に、

立ち会いされた田村代表とお施主は

喜んでいるご様子でした。

 

αA (家全体の隙間面積)が

7cm2 埋まっていますね。

勾配天井付近の僅かな隙間を

いくつか埋めただけでこの改善量。

 

たとえ小さい隙間であれど、

数が多ければ侮れないという事を

分かっていただけたかと思います。

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)も

非常に良い数値になっていますし、

躯体の隙間はほぼ無い状態と言っても

過言では無いでしょう。

 

これだけ良い気密の家であれば、

とても快適な暮らしが出来るはず。

住まわれるお施主が羨ましいですね。

気密測定

Posted by fok-rs