福井県福井市で気密測定 2025/10/23

稜です。

2025年10月23日は福井県福井市で

㈱中広地所さまの現場の気密測定を行いました。

中に上がります。

 

現場はパネル工法となっており、

壁の断熱材はネオマフォーム。

 

パネルの取り合いはコーキングで

気密処理が施されており、

さらに外壁側の取り合いでも

テープで気密処理を施しています。

屋根はネオマフォームにウレタンを

吹き付けた付加断熱仕様です。

 

断熱力が上がるのは勿論のこと、

気密もしっかりと確保できるので

一石二鳥となっています。

サッシはYKK APW330。

樹脂ペアガラスですね。

少し見づらいと思いますが、

サッシ周りはコーキングで

気密処理が施されています。

こちらはホールダウン金物。

ウレタンで全体が覆われていますね。

 

気密も断熱も確保できるので

素晴らしい処理だと思います。

こちらは羽子板ボルトですね。

先ほどのホールダウン金物と同様、

熱橋の対策としてウレタンを吹き付けて

断熱処理を施してありました。

お風呂周りの気密・断熱処理。

 

ボード状断熱材の取り合いを、

隅はウレタン、面はテープと気密材を

使い分けて処理を施してありますね。

 

気密材を使い分けるのは重要で、

面や隅、隙間の大きさ、狭さによって

それぞれ使いやすい気密材があります。

 

こちらのボード状断熱材の取り合い

は面の気密処理が必要ですが、

市販のウレタンスプレーなどを使って

気密処理する場合は隙間が残りがちです。

 

しかし、テープを使った場合、

ほぼ隙間なく綺麗に処理出来ますし、

粘着の機能している範囲が広いため

気密性を長く保つことが出来ます。

もちろん、テープを貼る前に

埃や木くずなどを掃いて綺麗に

することが前提条件ですが。

 

そして、ウレタンにはウレタンの、

コーキングにはコーキングの適した箇所が

ありますので、それに合わせて処理を施せば

効率的に気密が確保できるようになる上に

経年劣化に強い家にもなるはずです。

二階の床(合板)と桁梁、

胴差しの取り合いを見てみると、

コーキングで気密処理が施されていました。

 

パネル工法などの現場では

この取り合いから漏気を起こしやすく、

気密処理がほぼ必須と言っても

過言ではない箇所ですので、

このように処理してあるのを

見ると安心します。

壁のパネルの配線貫通部です。

かな~り丁寧にコーキングで

気密処理が施されています。

 

コーキングは薄く打った場合、

振動や経年劣化によって裂けてしまう

ことがありますので、今は良くても

数年後には隙間が開いてしまう

可能性が少なからずあるんですよね。

 

ですので、このようにミッチリ

厚めにコーキングが打ってあるのは

未来を見据えた良い処理だと思います。

測定を始める前に、

玄関ドア周りがまだ気密処理

されていない状態でしたので、

コーキングで処理を施します。

ドア周りの隙間が広めなので

埋めるだけでも一苦労ですが、

しっかりと隙間を埋めるために

打った上からヘラでなぞって

なだらかにしています。

この通り、しっかりと綺麗に

隙間が埋まっていますね。

 

このヘラでなぞる工程を挟むのと

そうでないのとでは、隙間の埋まり方が

かなり違ってくるので重要な作業です。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.12cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)

をしていきます。

 

ホールダウン金物の根元辺り。

ウレタンを吹き付けてあるのですが

どうやら隙間が残っているようで、

少し漏気を起こしていました。

ウレタンを吹き付けて

隙間を塞ぎました。

 

しっかり埋まっているように見えて

そうでない事もあります。

測定中は実際に漏気によって

隙間を見つけることの出来るので、

気密を良くするチャンスでもあるんです。

上の方で、二階の床と桁梁と

胴差しの取り合いにコーキングを

打っているのを確認しましたが、

二階の床外周部を見てみると

柱の下端(切り欠き)が空いている

状態となっていました。

 

手を近づけて確認したところ

漏気していましたので埋めていきます。

一階側で気密処理をしていても、

二階側に出口が残っているので

逃げるように漏気してしまった訳ですね。

 

切り欠きにコーキングを打って、

ヘラでなぞってなだらかに。

こうする事で隙間が綺麗に埋まります。

 

何か所かありましたので、

結構隙間が埋まった気がします。

最後に屋根のウレタンの隙間。

怪しかったのでチェックすると、

やはり漏気を起こしていました。

こんな狭い隙間であっても

漏気してしまうものなので、

怪しいと思った隙間があれば

なるべく埋めておきましょう。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.088cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
16cm2 → 11cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.26 → 1.05
となっています。

この結果に、

立ち会いされた監督さんは

満足されたご様子でした。

 

柱の切り欠きなどを埋めたことで、

αA (家全体の隙間面積)が

5cm2 も埋まってくれました。

 

埋めた分がちゃんと結果に

反映されていると、

報われた感じがします。

 

これだけ良い気密であれば、

寒い冬でも暖かい家になりますね。

完成時の測定も楽しみです。

気密測定

Posted by fok-rs