石川県金沢市で気密測定 2023/08/30
稜です。
2023年8月30日は石川県金沢市で
トラスト住建㈱さまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
屋根と壁の断熱は、
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。
サッシはYKK APW330。
樹脂ペアガラスです。
チェックしていきます。
サッシ周りはコーキングで
気密処理されています。
まぐさと柱の取り合いまで
コーキングで気密処理
してあるようですね。
そこまでする必要ある?
と思われる方もいるかも知れませんが、
木材と木材の取り合いから
伝い漏れを起こしてしまうような
ケースは意外とあります。
一ヶ所からの漏気はそこまでの
量では無いと思いますが、
これが何か所もありますので
油断大敵です。
現場は床断熱となっています。
床の合板のジョイントが
テープで気密処理されています。
柱の根元はコーキングで
気密処理してあるようですね。
例えば画像のように、
室内側の合板のジョイント部分を
気密ラインとして定めたのであれば、
それに関連している取り合いや隙間は
全て気密処理する必要があります。
ですので、柱の根元や床を貫通する
配管などの貫通部もしっかりと
気密処理しなければ、
気密を確保することは出来ません。
これは本当に大切な事なので、
気密処理をする際に意識すると
やりやすいかも知れませんね。
壁を貫通しているスリーブ管をチェック。
なにやら端の方に黒いものが
塗られています。
近づいて見てみると、なるほど…
これはコーキングですね。
なぜこの一部分だけ気密処理
してあるのかというと、
このスリーブ管と柱が密接
しているからなんです。
このように隣り合って配置されていると、
ウレタン吹き付け工事をする際に
このスリーブ管と柱の間に出来た僅かな隙間に
上手くウレタンが入ってくれないんですよね。
ですので、その僅かな隙間からの
漏気を許さぬようにと、
コーキングで気密処理をしている訳です。
測定を始める前に、
少しだけ気密処理をします。
玄関土間のパッキンの取り合い。
気密パッキンを使っていても、
完全に気密を確保できるわけではありません。
このようにテープやコーキングを
使って気密処理をしておくと、
安心できると思います。
土間の断熱材の取り合い。
ここも下の砕石などから
伝い漏れを起こしてしまうのか、
漏気しているケースがあったりします。
後の工程で埋まる箇所ではありますが、
それでも100%伝い漏れが
無くなるかと言われると、
そうとは言い切れないと思います。
ですので、不安な箇所は
処理出来るうちに処理するのが大事です。
原因は分かっているのに、
既に隠れてしまっているので直しようがない…
そんな後悔が残らないようにしたいですよね。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.16cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
外周部に位置する建具の付近。
土台と基礎の間のパッキン上部に
隙間が出来てしまっています。
漏気を起こしていましたので、
隙間にウレタンを吹き込んで
しっかり気密処理を行いました。
玄関ドアの付近などは
特に漏気を起こしやすいので、
注意しておきたい箇所ですね。
二階の床(合板)と柱との間にある
切り欠きを気密処理しています。
一階の床ならまだしも、
ここを気密処理する必要って
ないんじゃないの…?と
思うかもしれませんが、
意外と伝い漏れを起こしがちな
箇所なので侮れません。
入隅をチェックしていると、
少し怪しい隙間を発見。
確認して見たところ、
僅かな量ではありましたが
漏気を起こしてしまっているようです。
僅かと言えど、漏気は漏気。
隙間から外気に通じてしまっている以上、
結露を起こしてしまわないように
しっかりと気密処理を行いましょう。
怪しいと思った隙間があれば、
漏気の有無にかかわらず
ウレタン等で気密処理してしまうのも
良いと思います。
最後に掃き出し窓の調整をします。
引き違い窓は漏気を起こしやすいですが、
その中でも掃き出し窓は大きい分
さらに漏気を起こしやすいです。
ドライバーで調整を試みますが、
通常のドライバーでは届かない
調整箇所があったようです。
これは困った…
そんな問題を解決いてくれたのは、
この超ロングなドライバー。
実はコレ、車のメンテナンス等で
使用するものらしいのですが、
通常のドライバーと比較すると
長さが何倍にもなっているのが分かりますよね。
これを監督さんにお渡しして、
掃き出し窓を調整して頂きました。
さて、それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.13cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
22cm2 → 18cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.38 → 1.31
となっています。
この結果に、
立ち合いされた監督さんは
納得されたご様子でした。
今回、αA (家全体の隙間面積)は
4cm2 の改善となりました。
あの長いドライバーを使ってまで
掃き出し窓を調整した甲斐が
結果として表れていますね。
これだけ良い気密であれば、
暖かく快適な家となるでしょうし、
それでいて、素敵なデザインの家となれば、
住まわれるお施主様は幸せな暮らしが
出来るでしょうね。