福井県今立郡で気密測定 2023/11/22

稜です。

2023年11月22日は福井県今立郡で

㈲谷本木材さまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

 

こちらの現場、

㈲谷本木材さまでは初めての

気密施工となっているそうです。

ピチッとシートが貼ってあるので

期待してしまいますね~

屋根の断熱材はグラスウール。

それを2重に敷き詰めた

仕様となっているそうです。

壁の断熱材はネオマフォーム。

 

こちらの住宅、

断熱に力を入れているようで

Ua値 0.22 となっているそうです。

凄いですね~!

サッシはYKK APW430。

樹脂トリプルガラスとなっています。

チェックしていきます。

 

サッシ周りはコーキングで

気密処理が施されています。

二階の床(合板)と胴差しとの

取り合いにウレタンが

吹き付けられていますね。

 

伝い漏れを起こしやすいというのは

いつもお伝えしていますが、

特に気密シート貼りの現場では

こちらの処理がほぼ必須に

なるかと思います。

理屈では上の図のように、

二階の床までシートを降ろして

気密処理をしていますので、

シートの内側を走る空気が

柱の切り欠きなどを出口として

室内へと侵入してしまいます。

 

対処方法としては、

予め気密シートを貼る前に

上の取り合いを気密処理しておくか、

下で出口となる箇所を潰すという

方法が挙げられます。

 

他をしっかり処理してあっても、

これが原因で気密が悪くなってしまう

事がありますので注意したいですね。

測定を始める前に、

C値改善作業(隙間埋め)を

少しだけします。

 

コンセントボックスの周り、

気密シートの端の部分が処理

されていない状態となっていました。

測定器で減圧してみると

漏気していましたので、

気密処理をしていきます。

少し処理が難しいですが、

気密テープを貼って漏気を止めます。

 

定めた気密ラインに関連する

取り合いは全て処理しておくのが

とても大切です。

逃げ道を残さないように意識

しながら処理すると、

効率的に気密を確保する事が

出来ると思います。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.42cm2/m2の高気密です。

表示は四捨五入により0.4cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)を

していきます。

 

気密シートの取り合いで処理されて

いない箇所がありました。

気密テープを貼って処理をします。

 

これは意外とある話なのですが、

白いシートと白いテープを

一緒に使っていると、

パッと見でテープを貼っていない

箇所に気づく事が出来ず、

貼り忘れが残ってしまうケースがあります。

 

このようなケースがあっても、

気密測定で再確認する時間を設ければ、

貼り忘れを見つけて改善することも出来ます。

間仕切り壁と屋根のシートの

取り合いなのですが、

シートがタッカーで留まっている

状態になっていました。

 

このままでは漏気を

起こしてしまいますね。

梁の下まで伸びていた分の

シートをカットして、

梁との取り合いにテープを貼って

気密処理を行いました。

 

後で上からボードで押さえるなら

大丈夫なんじゃないの?

と思う方もいるかもしれませんが、

ギッチリビッチリと押さえていない

限りは漏気してしまいますし、

気密シートは気密だけではなく

防湿や調湿の役割もありますので、

キッチリと処理しておくことが

とても大事なんですよね。

配線のシート貫通部です。

 

テープはかかっているのですが、

隙間が出来てしまっていますね…

ここからテープで気密処理する場合

電線同士の間の隙間を埋めづらいので、

ウレタンを使って気密処理をしました。

こちらは耐力壁の配線貫通部です。

手を近づけてみると漏気を

起こしていましたので、

テープを貼って気密処理をしました。

ここから漏気を起こしていたのは、

上部の屋根(気密シート)との

取り合いが上手く気密処理出来ていなかった

ことが原因だと思われますので、

合板と柱の取り合いにもテープを貼って

しっかりと気密処理を行いました。

 

間仕切り壁の気密処理は、

取り合いが複雑だったりして

結構難しいです。

 

しかし、漏気が起こりやすい箇所

でもありますので、

注意して処理をしたいですね。

上で一度ご紹介しましたが、

気密シート貼りの現場では、

二階の床(合板)と胴差しとの

取り合いは気密処理する必要があります。

 

他の取り合いは問題ありませんでしたが、

お風呂の上部だけ気密処理

出来ていませんでした。

ユニットバスが入っている状態だと、

気密処理したりチェックするのが

難しくなってしまいますので、

処理し忘れてしまったのでしょうね。

 

他の箇所と同様にウレタンを

吹き付けて気密処理をしました。

 

それでは再度測定を行います。

結果はいかに…

C値=0.27cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
54cm2 → 35cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.31 → 1.18
となっています。

この結果に、

立会いされた設計士さんや

㈲谷本木材さまの方々は

喜んでくださっていました。

 

αA (家全体の隙間面積)は

改善前と比較してみると、

19cm2 縮まっているようです。

気密処理した分がちゃんと

反映されているようで、

なんだか報われた気分になります…

 

元々がしっかりしていないと、

改善処理でいくら頑張っても

ここまで良い気密を出すのは

中々困難なことです。

 

これも㈲谷本木材さまが

丁寧な施工を心掛けて、

良い気密を出すための努力を

されたからこその結果でしょうね。

初めての気密施工でコレは

素晴らしいですね!

気密測定

Posted by fok-rs