石川県金沢市で気密測定 2024/05/14
稜です。
2024年5月14日は石川県金沢市で
㈱作造さまの現場の気密測定を行いました。
中に上がります。
屋根・壁の断熱は、
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。
サッシはYKK APW330。
樹脂ペアガラス仕様です。
チェックしていきます。
サッシ周りはテープで
気密処理されていますね。
少し見づらいかも知れませんが、
L字に食い込むように貼ってあります。
テープは貼る箇所の形に添うように
ピッチリと貼るのがポイント。
浮きが無い分、接着している面積も
増えるのでしっかり効いて
長持ちもしてくれるはずです。
現場は床断熱となっています。
床の合板のジョイント部分に
テープを貼って気密処理してありますね。
合板のジョイントだけでなく
柱周りも気密処理が必要です。
こちらの気密処理はコーキングで。
外周部までちゃんと処理してありますね。
ただ打つだけではなく、
打った箇所を上からなぞって
隙間にミッチリと詰まるように
気密処理してあります。
素晴らしいですね。
お風呂まわりもチェック。
断熱材の取り合いにゴワっと
ウレタンを吹き付けてありますね。
ウレタンは平面の処理には
あまり向いていませんが、
これだけしっかり吹いてあれば
漏気する事も無いでしょう。
何より断熱的にもプラスに働いて
くれるはずです。
柱と胴差しとの取り合い。
ウレタン吹き付けの現場に
限った話ではありませんが、
気密の取り方によっては
木材と木材のジョイント部分から
伝い漏れが起きたりします。
一ヶ所で見ればごく僅かな
漏気量ではありますが、
それが何か所もある場合には
それなりに気密への影響があります。
塵も積もれば山となるってやつですね。
その対策として、
柱や間柱の取り合いにテープを貼って
気密処理をしてありました。
面倒かもしれませんが、
やって損はないと思います。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.36cm2/m2の高気密です。
表示は四捨五入により0.4cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
先ほどお風呂周りをチェックしましたが、
どうやらこちらの配管貫通部から
漏気があったようですね。
このように管が集中していると
管と管の間に隙間が出来てしまいがちです。
監督さんがその隙間が埋まるように
なるべく奥までウレタンを
吹いて下さっていました。
本当は少し管同士の間隔を空ければ
処理もしやすくなるのですが、
数が多いと簡単な話ではありませんよね。
ですので、こうしてリカバリーする事が
とても大切なんです。
他にもないかとチェックしていると、
こちらの断熱材とウレタンの間に
何かシートのようなものが見えています。
手を近づけて確認してみると、
漏気していましたので、
隠れて見えなくなるまで
ウレタンを吹き付けて気密処理をしました。
現場は床断熱ですがお風呂のみ
基礎断熱となっていますので、
基礎と土台の間に入っているパッキン
辺りに出来た隙間から外気が侵入し、
このシートと下の断熱材の間の僅かな
隙間を出口として漏気していたのでしょう。
上の方から見ている分には
問題なさそうに見えたのですが、
見た目に騙されてはいけませんね。
改善処理で隙間探しをする際には、
高さや位置など視点を変えながら
確認する事が大切だと思い知らされました。
視点という事でもう一ヶ所ご紹介。
こちらは一階の高天井が影響して
取り合いが少し複雑になった
二階の壁の吹き付け箇所です。
この角度からでは問題無さそうに
見えるのですが、
一階から上を見上げながら
チェックしている際に怪しい
隙間を発見しました。
少し下にアングルを変えて撮影。
分かる方には分かるかもしれませんが、
そうでない方もいらっしゃると思います。
自分でもこの角度からでは、
まだあまり怪しまないかも知れません。
さらにアングルに変えて撮影。
真下から見てようやく
分かりやすくなりましたね。
中心より少し右上に見える黒い影が
怪しいと睨んでいた隙間です。
なるべく奥まで埋まるように
ノズルを突っ込んでウレタンを
吹き付けています。
こんなの普通気付けませんよね。
私は本当に色々見て周っているので
偶々見つけることが出来ましたが…
しかし、気密測定中に測定器で
室内を減圧している状態であれば、
隙間は見えずとも漏気の有無で
探して判別する事も可能です。
気密測定というのはただ測るだけでなく、
見つけて改善できる点にも価値があると思います。
筋交いの根元の部分にウレタンを
吹き付けてありましたが、
隅の方の小さな隙間などから
僅かに漏気を起こしていました。
作造さまの現場では、
床の合板の取り合いで気密処理している為、
柱や筋交いなど端の部分に隙間があると
漏気してしまうという訳ですね。
怪しげな小さな隙間に一つ一つ
ウレタンを吹き付けて、
気密処理を行いました。
上の方でも言いましたが、
一ヶ所の漏気は少なくても
それが複数あれば漏気量も比例して
多くなってしまいます。
油断大敵。しっかりと処理しましょう。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.15cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
50cm2 → 21cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.46 → 1.02
となっています。
この結果に、
立ち合いされた㈱作造さまの
社員の方々は満足されたご様子でした。
改善前の結果と比較すると、
大幅に数値が良くなっていますね。
実はサッシ関連で漏気の多い
箇所がありましたので、
その改善も行っておりました。
その影響もあってか、
αA (家全体の隙間面積)も
n値 (隙間特性値 範囲1~2)も
かなり良くなったようですが、
隙間を色々と探して埋めたのもまた事実。
何より、お風呂周りや間仕切り壁などに
外気が入り込む要因を塞ぐことが出来たのは
とても良い事だと思います。
このまま竣工まで良い気密を保ち、
快適で暖かな環境の家になると良いですね。