福井県越前市で気密測定 2024/06/13
稜です。
2024年6月13日は福井県越前市で
㈱ケーシュウ・ワークスさまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
壁の断熱材はグラスウール。
気密シート貼りの仕様ですね。
屋根の断熱材はサーマックス。
そのうえウレタンを吹き付けた
付加断熱仕様となっています。
サッシはYKK APW330。
樹脂ペアガラスです。
サッシ周りをよく見ると、
窓枠のまぐさ等との隙間に
グラスウールが細かく詰め込まれています。
これは気密処理というよりは
断熱的な目的でしょうね。
(今は見えないだけで、気密処理も
してあると思われます。)
空いている隙間をグラスウールで
埋めることで空気の流れを断ち、
結露の対策しているのでしょうか。
考え無しにウレタンを吹き付けると
最悪枠が歪んでしまう可能性もありますので、
理に適った処理だと思います。
現場は床断熱となっています。
床の気密は大引きと断熱材の取り合いに
テープを貼って気密処理してあります。
伝い漏れを起こしやすい柱周りは
上から丁寧にコーキング処理が
施されていました。
気密シート貼りの現場で、
この室内側の防湿シートが
気密ラインとなっている場合、
このように床までシートを下ろし
テープを貼って気密処理をする事が
ほとんどだと思われます。
これが一階の場合は床の気密処理が
しっかりとしていれば問題ありません。
(基礎断熱の場合を除く)
が、二階の場合は気密ラインを
意識した処理が必要となります。
何故そのような処理は必要かというと、
二階の壁はシートで気密が保持されていますが
その内部には外気が通じているわけで、
二階の床外周部には柱や間柱用に
切り欠き(穴)が出来ているので、
この切り欠きを塞がない事には
当然そこから空気が出入りします。
つまりは上の図のように漏気が
発生しうるわけですね。
(分かりづらかったらスミマセン)
具体的にはどこを処理すれば
いいかと言いますと、このラインです。
特にこの穴。(二枚目の画像)
本当に簡単に言えば、
上(二階の気密ライン)の処理をしたなら
下(一階の気密ライン)の処理もしなければ
ならないという事です。
ただ、この気密ラインというのが
現場の形状によっては複雑に
なっている場合もありますので、
それを意識しながら処理するのが
重要という訳ですね。
後でお伝えして処理して頂こうと
考えていると…
その後現場に到着した社長がすぐさま気づき、
この取り合いを処理する運びとなりました。
いや、流石社長!
現場に着いてすぐ気づくとは
素晴らしい観察眼をお持ちですね…
隙間の大きな切り欠きはテープを貼って、
その他の取り合いはコーキングで
気密処理をされています。
隅の部分はテープでの処理が困難ですので、
コーキングと使い分けて処理するのは
とても素晴らしいと思います。
それでは処理が終わりましたので
測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.16cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
玄関土間付近の土台の端。
壁のシートの取り合いには
テープが貼られているのですが、
平面だけではなくL字の部分にも貼る為に
テープをピリッと切っていますので、
その隅の部分から少なからず漏気して
しまっているようです。
いや、コレは仕方ないっちゃ
仕方ないんですよね…
こういった取り合いの処理って
本当に難しい上に、
見ただけでは漏気するかしないか
分からないでしょうから。
測定器で減圧中だからこそ
実際に漏気しているか否かで
隙間が出来ているか判別できますが、
そうでなければあまり気にならない
ような見た目をしていますので。
さらにテープを貼ることで
気密処理を行いました。
次はこちらです。
梁と屋根のウレタンはかかる箇所。
これも油断ならない箇所なので要注意。
漏れていないケースもありますが、
今回は近づけた手にフワーッと
風が当たりましたので外気に通じる隙間が
出来てしまっているという事ですね。
この部分で漏気しやすくなる
要因をいくつか挙げると、
・屋根のウレタンの厚みが薄め。
・勾配は緩く、軒先に近い。
・この箇所のすぐ先に束がない。
などでしょうか。
こちらの現場では、
屋根にサーマックスという断熱材を
貼ったのちにウレタンを吹き付けて
気密を確保しておりますので、
ウレタン吹き付け断熱のみの場合より
少しウレタンが薄くなっているのも
関係していると思われます。
隙間があれば必ず漏気してしまう
という訳ではありませんが、
この隙間が隠れる程度にはウレタンを
吹き付けておくと安心できますね。
他にも似た箇所がいくつかありましたので
全てウレタンで気密処理をしました。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.13cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
27cm2 → 21cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.20 → 1.10
となっています。
この結果に、
立ち合いされた社長は
満足されたご様子でした。
改善処理を行う前から
とても良い気密ではありましたが、
6cm2 の隙間が埋まって
0.1cm2/m2 表示へと変化しましたね。
上でお伝えした切り欠きの部分に関しても
社長自ら処理されていましたし、
気密へのこだわりや熱意が
ヒシヒシと伝わってきました。
豊かな自然に囲まれていて、
気持ちの良い景色が眺められる素敵な家。
そのうえ、快適な生活を
送ることが出来る環境となれば、
とても幸せな事でしょうね。