石川県金沢市で気密測定 2024/07/23
稜です。
2024年7月23日は石川県金沢市で
㈱アーツデザインさまの現場の
気密測定を行いました。
玄関ドアはユダ木工の
木製開き戸となっていますね。
相変わらず養生の模様が
可愛らしいデザインで和みます。
防水シートはデュポン製の
ウェザーメイト・プラス。
経年劣化などを起こしにくく、
防水性が長持ちするという
高性能な透湿防水シートだそうです。
やはり他のシートと比較しても、
かなり目立つ色合いをしているので
現場の付近を通る人たちの
目に留まりやすいですよね。
中に上がります。
現場はパネル工法となっています。
屋根・壁・床の断熱材は
ネオマフォームです。
サッシはYKK APW430。
樹脂トリプルガラスですね。
奥はベランダとなっており、
現場用のスポットクーラーが
置いてありますね。
スポットクーラー良いですねぇ…
もうこの夏場の現場作業では
必須といっても過言ではないのでは
ないでしょうか?
(※ちなみに気密測定中は使用できません;;)
他にも森の窓というメーカーの
木製サッシも入っています。
かなり幅広で面白いですね。
チェックしていきます。
サッシ周りはウレタンとコーキングで
気密処理されていますね。
隙間が大きくなりがちな上端は
ウレタンで、それ以外はコーキングで。
使い分けて効率的に処理している
というのが伝わってきますね
屋根の断熱材の取り合いは
テープやコーキングで処理してあります。
先ほどご紹介しました通り、
テープとコーキングを使い分けて
処理しているのですが、
いくつか素晴らしいポイントが
ありますので皆さんにも見て欲しいです。
まずは適材適所。
平面にはテープを貼って、
L字のすみにはコーキング
といった風に使い分けてあります。
平面の処理に関しては、
テープでの処理がとても有効的です。
そして凸凹の出来ている箇所には
コーキングなどの方が向いています。
(この場合は母屋と断熱材の段差)
凸凹ならテープで処理している
箇所もそうじゃないのか?
と思われる方がいるかもしれませんが
段差と処理する向きが平行ならば
特に問題はありません。
むしろ凸凹を意識して浮きが
出来にくいように処理している辺り
丁寧な処理という他ありません。
次は処理の順序。
これは何を指しているかというと、
テープの処理が終わった後で
コーキングの処理をしている点ですね。
別にちゃんと処理してるなら
順序なんてどうでもいいでしょ?
いえいえ、そんなことはありません。
この順序が逆になっていた場合、
コーキングの上からテープを
貼ることになりますので、
せっかく貼ったテープが剥がれたり
浮いてしまう可能性があるんです。
逆にテープの上からコーキングを
打った場合には、
端の部分がコーキングで抑えられて
剥がれたり浮きずらくなるといった
メリットも生じます。
そして最後はピンにテープを
貼っている点です。
コレが意外にも漏気を起こして
しまいがちな箇所の一つとなっています。
断熱材を支えるピンですので
その分かなりの数となっていますが
何かしらの処理をしておくと
安心できると思います。
他と同様にテープを貼ったのち
コーキングを上から打っているのも
とても素晴らしいですよね。
給湯給水管の床貫通部。
コーキング処理も分厚く丁寧ですが、
何より素晴らしいのは管同士の
間隔を空けて通している点ですね。
管同士の間隔が狭くなっていると、
その間にコーキングやウレタンが
詰まりづらく隙間が残ってしまう
ケースがありますので、
このようにしっかりと間隔を
空けているのは本当に良いです。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.19cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
壁からニョキッと顔を出しているCD管。
どこかからヒュオォォ…と
音が鳴っていたので気になって
探してみたところコレが原因でした。
つまりは目張りできていなかった
という事ですねハイ…
本当に申し訳ございません。
ただ、かなり高所にあるという点と、
外側からでは屋根に上らない事には
目張り出来ない位置についていたようなので
見逃してしまった次第です…
とりあえず目張りをします。
さらに監督さんが屋根に上って
外側からも目張りをしてくれました。
本当にありがとうございます。
排水管の床貫通部です。
周りにウレタンを吹き付けていますが、
少し漏気してしまっているようです。
追加でウレタンを吹き付けて、
気密処理を行いました。
見た目は問題なさそうですが、
測定器で減圧をしている状況であれば
実際に漏気しているか否かで
隙間の有無を判別することが出来ます。
通常は見逃してしまいそうな隙間でも、
ちゃんと漏気が止まるまで確認しながら
埋められるのは良いですよね。
玄関土間の土台と基礎の間に入っている
気密パッキンから漏気がありました。
実際にこの大きな隙間分の
漏気が起きている訳ではなく、
奥の方にあるジョイント部分から
漏気が起こっています。
ウレタンを吹きつけて隙間を埋めました。
床断熱用に気密パッキンを使用しても
ジョイント部分などから漏気を
起こしてしまうケースは多いので、
怪しげな箇所は気密処理しておくと安心です。
最後に金物のスリット部分。
こちらはほぼ漏気が無かったのですが、
位置的に熱橋となる可能性がありましたので
ウレタンを吹き付けました
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.11cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
24cm2 → 14cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.51 → 1.15
となっています。
この結果に、
立ち合いされた社長は
納得されたご様子でした。
改善前と比較してみると、
αA (家全体の隙間面積)と
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
どちらもかなり良くなっていますね。
木製玄関ドアや木製引き違い窓、
ベランダへ繋がる掃き出し窓からは
それぞれ少なからず漏気がありましたので、
それを考慮すると躯体自体の気密性は
バッチリ取れていると思われます。
細かな箇所からの漏気はありましたが、
全体的に見ればとても丁寧な処理が
施されていましたので、
㈱アーツデザインさまや大工さんの
気密へのこだわりや強い想いが伺えます。
まだまだ暑い日は続きそうですが、
寒い冬が到来する前にはこの家も
完成しているのではないでしょうか。
これだけ気密が良い家ですので、
今後迎える寒い季節でも
快適な生活が出来そうですね。