石川県小松市で気密測定 2024/11/18
稜です。
2024年11月18日は石川県小松市で
㈱アーツデザインさまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
現場はパネル工法となっています。
断熱材は屋根・壁ともに、
ボード状断熱材のネオマフォーム。
パネルと柱とのジョイント部分や
屋根の断熱材と母屋との取り合いに
テープを貼って気密処理してありますね。
屋根の気密処理をよく見てみると、
テープを貼った後でコーキングを
打ってあるのが分かります。
この順序も結構大切な事でして、
コレがコーキング→テープという風に
気密処理の手順が逆になると、
コーキングに重なっている部分が
剥がれやすくなってしまいます。
折角手間をかけて処理をしても
それでは勿体ないですよね。
ですので、気密材の相性と手順は
よく考えて処理する事が大切なんです。
こちらの防水シートはデュポン製の
ウェザーメイト・プラス。
経年劣化などを起こしにくく、
防水性が長持ちするという
高性能な透湿防水シートです。
サッシはYKK APW430。
樹脂トリプルガラス仕様です。
サッシ周りはコーキングとウレタンで
気密処理されています。
上端がウレタンで処理されているのは
横と比べて隙間が大きいため、
効率的に隙間を埋める手段として
使い分けをしているのでしょうね。
配線の壁貫通部もウレタンで
気密処理が施されています。
お風呂周りの気密処理です。
こちらはウレタンとテープを使い分けて
気密処理しているようですね。
平面や隅の箇所にはテープを、
外周部の溝や配管の貫通部などには
ウレタンを使用してあります。
どちらもその気密材が適した箇所に
使用してあって素晴らしいです。
床の配管貫通分はコーキングを
使って気密処理してありました。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.31cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.3cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
先ほどお風呂周りの気密処理を
チェックしましたが、
こちらの人通口に隙間が空いていました。
こうして見ていると、
一見問題なさそうに見えるのですが…
角度を変えて処理してある箇所を
正面から見てみると…
ウレタンが側面に接着しておらず、
隙間が出来てしまっているのが分かります。
追加でウレタンを吹き付けて
隙間をしっかりと埋めました。
一見問題無さそうであっても、
実際は見えていないだけで隙間が
出来て(残って)しまっている
パターンって結構あります。
チェックを行う際には、
角度(視点)を変えて見ることで
埋まり切っていない隙間を見つける事が
出来るかも知れません。
お風呂付近の間柱の取り合い。
床の合板と間柱用の切り欠きの取り合いに
このような溝が出来ているのですが、
こちらから漏気がありました。
この溝(切り欠き)というのは、
必ずしも漏気を起こすわけでは無いのですが、
床断熱の現場の場合はなるべくチェック
するように心掛けています。
他にも玄関土間にも同様の箇所が
いくつかありましたので、
しっかりと隙間を塞いでおきました。
玄関ドア下端から漏気があったようです。
もはやおなじみの箇所ですね。
後でモルタルで埋まる箇所とはいえ、
現状の気密を正確に測定する為にも
しっかりと埋めておきたいです。
それに、玄関ドアや土台と基礎の取り合いなどから
伝い漏れを起こす可能性も0では有りませんので、
なるべくちゃんとチェックして問題がありそうなら
処理しておくことをおススメします。
最後に床の給湯給水管の貫通部。
貫通部にはウレタンが詰まっている
ようですが…分かりますかね…?
給水管(青い方)の後ろ側に暗い影が
出来てしまっています。
すぐ後方にはパネルの断熱材がある為、
思うようにウレタンが詰まらなかったのでしょう。
実際に漏気も確認出来ましたので、
しっかりと漏気が無くなるまで
チェックしながら処理をしました。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.21cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
32cm2 → 22cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.31 → 1.15
となっています。
この結果に、
立ち合いされたお施主様は
満足されたご様子でした。
今回は改善処理によって、
10cm2 の隙間が埋まったようですね。
既に隙間がそこまで残っていないような状態で、
これだけ埋められたのであれば
中々良い結果なのではないかと思います。
このまま良い気密を保ちつつ
竣工を迎えることが出来れば、
ご家族皆さんで暖かく快適な家に
住まうことが出来ますね。