石川県金沢市で気密測定 2024/11/29

稜です。

2024年11月29日は石川県金沢市で

㈱zuiunさまの現場の気密測定を行いました。

中に上がります。

屋根と壁の断熱は共に、

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

サッシはYKK APW330の他に、

木製のオーダーメイド品が

採用されていました。

 

迫力があって素敵ですね~。

現場は基礎断熱となっていまして、

水抜き穴はウレタンで埋められています。

 

空いたままでは測定に大きな

影響が出てしまいますので、

事前に処理して下さっていると

本当に助かります。

早速ですが、測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.22cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

C値やαA (家全体の隙間面積)は

悪くない数値ですが、

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が

かなり高いので原因調査します。

 

その結果、一ヶ所スリーブ管外部の

目張りが少し浮いてしまっているのが

原因だと発覚しました。

 

勿論、測定前に目張りに問題がないか

チェックして周っているのですが、

当日はかなりのどしゃぶりで

元々貼ってあるテープを押さえただけでは

効果が無かったようですね。

 

押さえた際に、テープがちゃんと

くっ付いているかも確認したのですが、

後からジワジワと浮いてしまったのでしょう。

上からテープを貼ったところで

雨でビショビショになっている状態では

まともに目張りできないでしょうから、

室内側から風船を使ってスリーブ管を塞ぎます。

 

外側と違って、内側はスリーブ管が

壁からあまりはみ出ていないので、

テープでの目張りが難しいんですが、

このように風船を使用すれば

確実かつ効率的に目張りが出来ます。

 

何らかの影響で外側での目張りが

困難な場合には、おススメの目張り方法です。

(時間の経過でしぼんでしまうので、

効果があるのは当日限り&測定中も

定期的にチェックする必要アリ。)

木製サッシの下端やその付近から

漏気があるようですね。

 

物が物という事もあって、

中々気密処理するのが憚られる

箇所ではありますが…

サッシにマスキングテープを貼って養生し、

ウレタンが付かないようにしてから

丁寧に気密処理を行いました。

付近の化生柱もこんな感じに。

既に処理してから時間が経過して

ウレタンが固まった後の状態ですので

マスキングテープは剥がしてありますが、

かなり綺麗目に処理出来ていますよね。

 

とてもお高そうな木製サッシや化生柱など、

ウレタンやコーキングを使って

気密処理するには神経を使いますが、

漏気があるのであればなるべく

やっておきたい箇所ですね。

配線の壁貫通部です。

どうやらウレタン吹き付け後に

配線を行ったようで、(?)

手を近づけて確認して見たところ

少しだけ漏気がありました。

何か所かありましたので、

ウレタンを吹き付けて気密処理をします。

 

ここでポイントなのが、

なるべく貫通部の奥にまでウレタンが

届くように吹き付ける事ですね。

 

奥にまで詰まっているほど、

経年劣化による隙間の発生も

防ぎやすくなりますし、

断熱の面でも効果がありますので。

こちらは接合金物のスリット。

このブログで良く紹介している

要注意ポイントの一つですね。

 

今回は上部にミッチリと

ウレタンが入っていますし、

位置的にも漏気が起こるような

箇所ではありませんが、

僅かでも伝い漏れなどの可能性が

あるのならと、処理を行いました。

 

仮にこのスリットの上部がスカスカで

外気に通じているのであれば

それはもうかなりの漏気となります。

 

注意すべきは目視できるスリットの

反対側が気密ライン外か否か。

ウレタン吹き付け断熱やパネル工法、

気密シート貼り(グラスウールなど)、

いずれも漏気を起こす可能性はありますので

絶対にチェックしておきたいポイントです。

最後にお風呂の配管基礎貫通部。

 

室内側でのチェックは出来ていないのですが、

外側から確認してみると隙間が空いていました。

 

室内側からちゃんと処理してあれば

問題は無いと思いますが、

念のため外側からも処理をします。

両側でやってあれば安心ですね。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.15cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
36cm2 → 25cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.83 → 1.22
となっています。

この結果に、

立ち合いされた設計士さんは

納得されたご様子でした。

 

正直なところ、木製サッシは

隙間が多いんじゃなかろうかと

ドキドキしていたのですが、

特にそんなことも無くとても良い結果。

 

目張りの修正による影響もありますが、

木製サッシの付近や配線の貫通部などの

気密処理は絶対に効果があったはずです。

 

こんなに素敵な家で気密も良い、

きっと暖かく快適な生活が出来るはず。

住まわれるお施主様は幸せですね。

気密測定

Posted by fok-rs