石川県金沢市で気密測定 2025/05/08
稜です。

2025年5月8日は石川県金沢市で
トラスト住建㈱さまの現場の
気密測定を行いました。


中に上がります。


現場の断熱は屋根・壁ともに
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。

サッシはYKK APW430。
樹脂トリプルガラス仕様です。
サッシ周りはコーキングで
気密処理されていますね。

現場は床断熱です。
柱周りはコーキングを使って
気密処理してありますね。

二階の床(合板)と胴差し等の取り合いに
ウレタンが吹き付けられています。
2階の柱の下端(切り欠き)を
気密処理していても、
下の取り合いに隙間が出来ていると
逃げ道が残るので結局
漏気してしまいますよね。
ですので、このように逃げ道を
残さず潰すように意識した処理が
とても大切になっています。

玄関土間の土台と基礎の間に
入れているパッキンの上に
テープを貼って処理しています。
通気させる為の穴が空いていない
気密用のパッキンであっても、
ジョイント部分には隙間が出来ます。
そのまま放置していると
漏気を起こしてしまいますので、
テープやコーキングを使って
気密処理しておくと安心です。

お風呂周りは全面にウレタンを
吹き付けて処理されています。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.13cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
先ほどチェックしたお風呂の
給湯給水管などの貫通部。
あれだけモコモコ吹いてありましたし、
こうして実際に見ていても
隙間なんて無さそうなのですが…

このように下から覗いてみると、
管同士の間に隙間が出来てしまって
いるのが分かりますね。
測定器を使って室内を減圧し、
手を近づけて確認したところ
漏気が発生していました。

カットしたり動かした為か、
上部にも少し隙間が出来ていたので
グルっと一周丁寧にウレタンを
吹き付けて処理をしました。

他にも脚立を立てたのか、
ウレタンが凹んでしまっている
箇所もありましたので、
追加でウレタンを吹き付けて
隙間を埋めておきました。
気密的に問題は無くても
断熱的に弱くなってしまうのは
残念ですのでしっかり補強しましょう。

下屋の束柱をチェック。
壁の面材との間隔が狭いのが
とても気になりますね。
確認してみたところ、
やはり漏気を起こしていました。

実はこの束柱と面材の間に
出来る隙間というのは、
非常に漏気を起こしやすい箇所。
狭い上に束柱が遮っている為、
ウレタンが吹き付けづらいので
隙間が残ってしまう訳ですね。

この場合、面材と束柱の取り合いに
ウレタンを吹き付けてハイ終わり。
では、不十分です。
これだけ狭いと隙間の奥にまで
ウレタンが入り込んでくれませんので、
束柱と梁との取り合い等からも
伝い漏れが起きてしまう可能性があります。
関連する取り合いはしっかりと
全部処理しておくのがベストです。

最後に柱と筋交いの間に出来た
隙間を処理していきます。
このように柱周りにテープを貼って
気密処理を施しているのですが、
柱と筋交いの間に空間が
出来てしまっていますので、
このままでは伝い漏れが発生します。

ですので、伝い漏れを防ぐために
しっかりとこの隙間も処理しましょう。
気密処理を行う際は、
関連する取り合いや隙間を
なるべく徹底して処理すると
気密が良くなり易いです。
ちなみに上部の取り合いは、
テープではなくウレタンを使って
気密処理をしました。
気密材も適材適所なので、
処理する箇所によって使い分けるのも
隙間を綺麗に効率良く埋めたり、
気密を長持ちさせる上で非常に重要です。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…

C値=0.11cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
25cm2 → 21cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.35 → 1.16
となっています。

この結果に、
立ち合いされた監督さんは
納得されたご様子でした。
割と埋めたつもりだったのですが、
αA (家全体の隙間面積)の
改善量は 4cm2 と少し渋め。
とはいえ、
n値 (隙間特性値 範囲1~2)も
ちゃんと良くなっていますので、
隙間を埋めた効果はあったようです。
私が改善処理を行う際には、
気密処理が取り合いに対して
連続しているかどうかや、
普段目に付きづらいような箇所(位置)を
優先的にチェックしています。
少しでも意識して見ていれば、
漏気を起こす隙間か否かも自然と
判別できるようになりますので、
どうすれば気密を良く出来るのか
分からない…という方にはおススメです。
ともあれ、流石はトラスト住建㈱さま。
最初から既に良い気密でしたが
さらに気密性が上がりましたので、
より快適な生活が出来る家になりそうです。