石川県金沢市で気密測定 2025/06/05
稜です。

2025年6月5日は石川県金沢市で
ほそ川建設㈱さまの現場の
気密測定を行いました。

中に上がります。

現場は屋根・壁ともに
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。

サッシはリクシルのサーモスL。
アルミ樹脂複合サッシですね。

チェックしていきます。
サッシ周りはコーキングとウレタン
を使って気密処理してあります。

玄関ドアの周りもチェック。
こちらは周りの隙間が少ない為か、
コーキングのみで処理されています。

玄関ドア横の配線貫通部も
コーキングで気密処理。
処理し忘れがちな箇所なので、
配線が終わり次第なるべく早めに
気密処理しておきたいですね。

現場は床断熱となっており、
床の気密は大引きと断熱材の
取り合いにテープを貼って
確保してあります。
ただ柱の切り欠きを見てみると、
このようにコーキングを打って
気密処理してある状態でした。
もちろん、柱も大引きと断熱材に
接しているので、テープを貼って
気密処理が施されているのですが…
L字と出隅のコンボで処理が難しい上に、
他所で侵入した空気が合板と断熱材の間を
走って切り欠き(隙間)が出口となり、
伝い漏れが発生する可能性があります。
ですので、このようにコーキングを
打って切り欠きを塞いでいる訳ですね。

同様に排水管の床貫通部も
コーキングで気密処理してあります。
ミッチリとコーキングが入っていて、
しっかりと均してありますね。
排水管の周りに施した気密処理は、
水が流れる際の振動によって
気密材と接着面が剥離を起こし、
隙間が生まれてしまう可能性もあります。
ですが、このようにしっかりと
丁寧に気密処理を施す事で、
気密を長持ちさせることが可能です。

お風呂周りはボード状断熱材の
取り合いや配管の貫通部に、
ウレタンを吹き付けて気密を
確保してありました。
これは吹き付け業者の方が
気密処理を施していますが、
私たちの使う市販のウレタンスプレー缶と
業者の方が使う現場発泡ウレタンとでは
密着力というのがまるで違います。
ぴたっとビタッぐらい違います。
気密というのは、この密着力と
いうのが非常に重要となっていまして、
例えば先程のコーキングについても
貫通部(合板や断熱材)への接着面積が
大きければ大きいほど抵抗が増し、
剥離や亀裂が発生しにくくなります。
もちろんテープについても同じで、
浮きが出来まくっているテープより
浮き無くビチっと貼ってあるテープの方が
剥がれにくいというのは想像に難くないでしょう。
ウレタンに至っては膨張する
性質上 凸凹が出来やすく、
凸凹の間に出来た空間から漏気が
起こるというのも珍しくありませんし、
またテープやコーキングと比べて
踏ん張る力がさほど強くない為、
貫通部など接着面積の少ない箇所は
人の手や物がぶつかった際の衝撃や
振動によって剥離してしまうケースも
そう少なくありません。
ですので、密着力が高いほど
凸凹や剥離による隙間の発生を
起こしにくく気密性に優れている
という訳なんですね。

そしてそのビタッと密着する
ウレタン吹き付け処理を、
下屋部分の面材の取り合いにも
施してありました。
これは…うーん。
正直この部分から漏気するのは
納得がいかないのですが…
この面材は二階の外壁に位置しますので、
当然下屋に吹き付けたウレタンよりも
高い位置まで上がっています。
そうした時に、面材同士の間に
隙間(空間)が出来てしまっていると、
その間を伝って外気が侵入していまう
という構造になっているんですよね。
(非常にややこしいので伝わらなかったらスミマセン)
そんなことある?と思うかもしれませんが、
それがあるんですよね。何故か。経験上。
少なくとも下屋のウレタン吹き付けを
行った際に、壁の面材にもウレタンが
掛かっているはずなのですが…
そう上手く隙間が埋まらないのでしょうね。
漏気量自体はそれほどでもありませんが、
予期せぬ所からの外気の侵入を
防ぐためにも、なるべく気密処理
しておきたいポイントの一つですね。

下屋のウレタン吹き付けに
おいては、こちらも要注意。
束柱と面材の間に出来る隙間ですね。
個人的には非常に危険なポイント
の一つだと思っています。
何故かと言いますと、
①束柱と面材の間隔によっては
ウレタンが詰まりづらく隙間が残りやすい。
②隙間が大きいので漏気量が多く
室温や空気質に影響しやすい。
③高所にある為、目に付きづらく
見逃してしまいがち。
といった感じですかね。
ですので、下屋のある現場では
必ず具合をチェックしているのですが、
こちらの現場では束柱と面材の間に
ウレタンが詰まるように意識して
吹き付け処理が施されていましたので、
素晴らしいと思いました。
こういったことを理解している
業者さんに吹き付けしてもらえると
安心出来るので嬉しいですね。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.14cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
この結果に、
立ち会いされた監督さんは
満足されたご様子でした。
いや、C値改善作業(隙間埋め)無しで
このレベルの気密は素晴らしい。
偏に気密処理とは言っても、
要点を理解して意識した処理と
そうでない処理とでは、
隙間の残り具合や伝い漏れの有無、
経年劣化や振動に対する耐久性が
かなり違ってくるはずです。
人生で一番大きなお買い物。
快適に生活できる家を建てるなら
安心できる会社さんにお願いしたいですね。