石川県金沢市で気密測定 2025/08/06
稜です。

2025年8月6日は石川県金沢市で
㈱アントールさまの現場の
気密測定を行いました。


中に上がります。
現場は屋根・壁ともに
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。

サッシはリクシルのEW。
樹脂ペアガラス仕様ですね。

チェックしていきます。
サッシ周りはウレタンで
気密処理が施されています。

現場は床断熱となっており、
柱の周りなどがコーキングで
丁寧に気密処理されていました。

排水管の床貫通部なども、
しっかりと気密処理してあります。

さらには、玄関土間の基礎と
土台の間に入っているパッキンを
埋めるようにミッチリとコーキングを
打って気密処理されていました。
現場は床断熱ですので、
外周部だけでなく室内側の
取り合いからも伝い漏れが
発生する可能性があります。
これだけ丁寧に処理されていれば、
まず漏気する事は無いでしょう。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.28cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.3cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
束柱の根元を確認してみると、
少しウレタンが詰まっていない
箇所が見受けられましたので、
手を近づけて漏気チェック。
やはり漏気を起こしていますね。
見た感じそこまで怪しくは無いのですが、
経験上ここは割かし隙間が出来がちな
スポットなのでなるべくチェックしています。

とはいえ、場所が場所だけに
狭くて非常に処理しづらい。
特に屋根や天井など上方に
多量のウレタンを吹き付ける際には、
吹き付けたウレタンが自重で
落下してしまう可能性がある事を
念頭に置いて処理しなければなりません。
そうなっては気密が確保できない
のは勿論のこと、落下したウレタンが
資材や床などを汚してしまう恐れもあります。
ですので、処理する予定の箇所に
一度テープで蓋のようなもの作り、
予め残しておいたテープの隙間から
内部にウレタンを吹き込みます。
そうすることでウレタンが落下
するのを防ぐ事が出来るうえ、
本来自由に膨らんで外にはみ出て
いくはずのウレタンが、
テープの蓋に圧迫(邪魔)されて
隙間をギュウギュウに埋めてくれます。
安全かつ効率的に埋められるので、
屋根や天井に多量のウレタンを
吹き付ける際は是非真似してみて下さい。

火打ち梁の隅に隙間が。
手を近づけて確認してみたところ、
案の定漏気を起こしていました。
ここ、本当に漏れやすいんですよね。

ウレタン吹き付け断熱の現場で
似たような状態になっていたら、
必ずチェックまたは気密処理
しておく事を推奨します。
しっかりと隙間を埋めました。

吊木の周りです。
屋根や天井で漏気しやすい箇所
と言えばこちらもでしょうか。
怪しい隙間が見えていますね。

構造や取り合いの都合上、
ウレタンが吹き付けづらく
隙間が残ってしまいやすいです。
多量の漏気が発生する訳ではないですが、
外気まで通じる隙間があるという事は
その分断熱材が欠損しているという事です。
快適な家づくりのためにも、
しっかりとウレタンで隙間を
埋めておきましょう。

お次はこちら。
この画像のどこかに漏気を起こす
隙間があるのですが…分かりますか?

正解は赤丸の二箇所です。
少し角度を変えて撮影していますので、
これなら隙間が分かりやすいですね。
隙間探しをする上で、
この角度(視点)というのが非常に大切。
家全体を隅々まで漏気チェック
するのは流石に難しいので、
私は基本的に目で見て怪しいと思った
箇所をチェックするようにしています。
この『目で見る』というのは、
単に同じ位置から見るだけはなく
別の位置から覗いたりして、
視点を変えながら隙間の有無を
判断する事を意味しています。

お風呂の排水管や給湯給水管の貫通部。
一見、隙間なんて無さそうに
見えますし油断してしまいますが…

視点を変えて見てみるとホラ、
何やら怪しげな隙間が現れましたね。
狭いというだけでも処理が難しいのに、
低い位置となればなおさらです。
隙間が残ってしまうのも仕方がないでしょう。
ですが、たとえ隙間が残っていたとしても
後で見つけてちゃんと埋められれば
リカバリーできるので問題ありません。
隙間を見つけられればの話ですが。
そのために重要なのが、
視点を変えながら探すという事です。

コーキングの業者の方が、
丁寧にコーキングで気密処理を
してくださっています。
ただコーキングを打つだけでなく、
ヘラでコーキングを均して
隙間を埋めてらっしゃる辺り、
流石はプロという感じですね。
コレをするのとしないのとでは、
隙間の埋まり方や気密が保持される
年月が大きく異なりますので、
皆さんも是非やってみて下さい。
手間と時間はかかってしまいますが、
それに見合う効果はあるはずです。


玄関ドアの下端にも隙間があったようで、
どうようにコーキングで気密処理を
施してくださっていますね。
玄関土間周りは後工程で埋まる
箇所が多いとはいえ、
場所によっては伝い漏れを起こして
しまう可能性があるので油断大敵です。

大工さんも、床の取り合い等を
テープで気密処理して下さっています。
柱周りがコーキングで気密処理
されているのは先ほど確認しましたが、
外周部も同様に漏気を起こしがちな
ポイントとなっていますので、
処理しておいた方が安心できますね。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…

C値=0.21cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
30cm2 → 22cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.19 → 1.07
となっています。

この結果に、
立ち会いされたお施主様は
納得されたご様子でした。
今回、αA (家全体の隙間面積)は
8cm2 の改善となりました。
隙間を見つけて埋めた分が
ちゃんと結果に反映されていますね。
しつこいですが、隙間を探す際には
視点を変えて見るのが大切です。
勿論、測定器で減圧しているので
実際に漏気しているか否かで
隙間の有無を判別する事になりますが、
事前に当たりを付けておかないと
時間がいくらあっても足りません。
そのために視点を変えながら見回り、
怪しげな箇所を探すんです。
何はともあれ、良い気密です。
快適な暮らしの出来る家に
なるといいですね。