富山県黒部市で気密測定 2025/09/05

稜です。

2025年9月5日は富山県黒部市で

伊田直樹建築設計事務所さまの

現場の気密測定を行いました。

中に上がります。

現場の断熱は屋根・壁ともに

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

 

さらに外壁側でも気密処理を

施してありますので、

かなりの安心感がありますね。

サッシはYKK APW430。

樹脂トリプルガラス仕様ですね。

サッシ周りはコーキングで

気密処理されていました。

現場は床断熱です。

 

床は大引きと断熱材の取り合いで

気密を確保している状況で、

柱下端の切り欠きは別途

コーキングで処理してありました。

同様に筋交いの根元も

コーキングとウレタンを使って

気密処理を施しています。

 

狭めの隙間はコーキングで、

大きい隙間はウレタンと

気密材を適材適所で使い分けて

いるのは素晴らしいと思います。

PF管の先端を確認すると、

既に配線が完了しているため

コーキングで気密処理されていました。

 

中間測定時 → 完成測定時にかけて

気密を落としてしまう要因の一つなので、

配線が完了した後はなるべく早めに

気密処理をしておきたいですね。

お風呂周りの気密処理です。

 

ネオマフォームの取り合いが

隅はウレタン、面はテープと

筋交いと同様に気密材を使い分けて

気密処理されています。

 

全部テープで気密処理しても

問題ないんじゃない?と思う方も

いらっしゃるかもしれません。

粘着の強いテープで処理をすれば

確かに強度は高くなるでしょうからね。

 

しかし、気密材にもそれぞれ

強いところと弱いところがあります。

 

例えば、ネオマフォームや

フェノバボードといった

ボード状断熱材の断面というのは、

性質上粉っぽくサラサラしていて

テープの粘着が機能しません。

貼っても直ぐにペロンと捲れます。

 

そして外気に通じる隙間が

空いている箇所にそのままテープを

貼るのもおススメは出来ません。

これは気密というより断熱の問題ですが。

 

というのもテープはコーキングや

ウレタンと比べて熱伝導率が高めで、

厚みもあまりありませんので、

断熱的に弱いポイントになってしまう

可能性があるからですね。

 

ウレタンはテープよりも施工精度や

強度において劣るかもしれませんが、

テープが苦手とする粉っぽい箇所や

隙間が空いている箇所を処理するのに

適していますよね。

 

長々と書いていますが

結局何が言いたいのかというと、

適材適所で使い分けるのは

とても重要だという事です。

もちろん上で書いた要素だけが

全てという訳ではありません。

 

気密処理する箇所の形状や性質に

よってどんな気密材を使うのが適して

いるか、それを考える事が大切なのです。

大工さんが玄関土間の基礎と土台の

取り合いにテープを貼っています。

 

これは基礎と土台の間に入っている

パッキンのジョイント部分等から

漏気が起きる可能性があるので、

その対策をしている訳ですね。

測定を始める前に、

C値改善作業(隙間埋め)を

していきます。

 

先ほどチェックしたばかりの

お風呂周りの気密処理。

隙間が大きく出来てしまう

排水管などの貫通部はウレタンで

気密処理を施しています。

 

パッと見では問題なさそうですが…

分かりますかね、排水管の下辺りに

怪しげな暗い隙間が出来ているのが。

 

上から撮った写真では死角となっていた

ので全然気付きませんでしたね。

そして人間の視点でも死角になります。

そのため隙間の存在に気付くことが出来ず

こうして残ってしまっている訳です。

隙間探しをする上で通常の人間の

視点に縛られてはいけません。

 

とはいえ、地べたに顔を付けたり

脚立に上って高~い位置から覗いたり

して確認するのはとっても大変です。

 

しかし測定器で室内を減圧している

この状況であれば、実際に漏気が

隙間の存在を知らせてくれますので

目ではなく手で探すことが出来ます。

 

であれば、低い位置でも高い位置でも

無理な体勢を取らずとも手を伸ばすだけで

隙間の有無をチェックする事が出来るので

とても楽ですし目に頼るよりも確実です。

 

もし隙間の位置の特定が難しければ、

スマホのカメラで撮影するなどして

状況や形状を確認してみると良いです。

 

排水管の下に出来ていた隙間は、

しっかりとウレタンで埋めました。

さて、低い位置に出来ていた

隙間をしっかりと塞いだところで、

次は高い位置をチェックしましょう。

 

レンジフード用のダクト貫通部。

こちらも一見問題なさそうですが…

上から覗いてみると…

何やら怪しげな隙間が見えます。

 

手を近づけて確認してみると

やはり漏気を起こしていました。

こちらもウレタンでしっかりと

気密処理を施しました。

 

これも死角に出来る隙間。

通常の人間の視点では、

まず気付けないでしょう。

 

隙間探しをする時には、

色々な可能性を考慮しながら

探すと見つけやすいです。

外周部の柱の横に怪しげな隙間。

手を近づけて確認してみると

漏気を起こしていましたので、

ウレタンで気密処理を施しました。

 

外周部は特に漏気を起こしやすく、

普通は漏気しなさそうな隙間であっても

外気に通じているかもしれないので要注意です。

少しでも怪しいと思う隙間があったら

なるべく処理しておきましょう。

他にも外周部に怪しい箇所があったので、

大工さんが気密処理してくれています。

 

掃き出し窓の下端辺りは結構漏れやすいので、

なるべくチェックしておきたいですね。

それではそろそろ測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.079cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

この結果に、

立ち会いされた伊田代表は

納得されたご様子でした。

 

今回のポイントは適材適所と死角。

適した気密材を選んで使い分ける事で

良い気密を長く保つ事が出来ます。

 

死角のチェックは面倒ですが、

気密を良くする上で非常に重要。

気密測定で室内を減圧した状態であれば、

実際に漏気を感じられて隙間を探しやすく

なるので効率的に死角もチェックできます。

 

実はこちらの現場、

掃き出し窓が3枚に大き目の中連は2枚

と気密的にサッシの条件が少し不利。

しかしそんな中、このレベルの気密を

出しているのは凄い事だと思います。

 

これだけ良い気密であれば、

きっと暖かく快適な家になるでしょう。

完成した後の測定も楽しみです。

気密測定

Posted by fok-rs