福井県福井市で気密測定 2023/08/17

稜です。

2023年8月17日は福井県福井市で

㈱ステーツさまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

天井と壁の断熱材は、

セルロースファイバー。

 

さらに外壁側にEPSを貼った

付加断熱仕様となっているようですね。

サッシはYKK APW430。

樹脂トリプルガラスですね。

チェックしていきます。

サッシ周りはテープで

気密処理されていますね。

 

テープで気密処理を行う際は、

このように隅にピタッと

食い込ませるように、

L字に貼るのが大切ですね。

 

こうすることで粘着が接する

面積が増えますので、

浮いてきたり、剥がれたりしにくい、

経年劣化に強い処理となります。

 

それに窓枠を入れる際にも

邪魔になりませんので、

丁寧に気密処理する事で

色んな恩恵が受けられます。

現場は床断熱です。

 

床を見てみると、

合板の取り合いがコーキングで

気密処理されているのが分かります。

 

コーキングを打ってから

上からなぞってありますので、

合板の取り合いの溝などを

埋めることが出来ます。

 

床の気密処理はテープを使うことが

多い印象なのですが、

これだけしっかりしてあれば

コーキングでも問題なさそうですね。

筋交いの裏側を見てみると、

ウレタンが詰められていました。

 

シートを貼って気密を取る際は、

この筋交いの裏側などの

狭い部分を処理するのが

とても難しいんですよね。

 

ですので、このようにテープと

ウレタンを使い分けることで、

効率良く隙間を埋めているのですね。

素晴らしい処理だと思います。

同様にこちらの柱と筋交いの

取り合いも使い分けで

気密処理されています。

 

ウレタンは膨らむ性質上、

表面の処理は弱かったりしますが、

その分隙間を埋める事には

適しています。

 

逆にコーキングは表面などを

処理する際にも有効なのですが、

大きな隙間などを埋める場合は

量を必要としますので、

あまり向いているとは言えません。

 

ですので、

こうして適材適所で使い分け

をするのが結構大切だったりします。

玄関土間の土台やパッキン。

取り合いがコーキングで

気密処理されています。

 

気密用のパッキンと言えど、

ジョイントなどから漏気を

起こしたりしますので、

こうして気密処理してあれば

安心出来ますね。

 

さらに木と木のジョイントまで

丁寧に気密処理してありますので、

素晴らしいですね。

一階天井の外周部を見てみると、

胴差しと合板などとの取り合いが

気密処理されていました。

日頃ここからの伝い漏れが

あーだこーだと言っていますが、

シートを気密ラインとしている

現場では、上の図のように

気密シートの裏側を流れる空気が

柱の切り欠きを出口として

漏気を起こしてしまいます。

 

胴差しと二階の床(合板)を

気密処理してあったのは、

その対策をしていたという訳ですね。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.30cm2/m2の超高気密です。

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。

 

二階の床(合板)のジョイント部分。

見てみると、少し隙間が

空いていますよね?

 

このままにしていると、

外周部の気密シートの裏側の空気が、

この隙間から伝って漏れてしまいます。

ここは大工さんがコーキングを

使って気密処理して下さいました。

 

ここでポイントなのが、

ただコーキングを打つのではなく、

その打った上からヘラや指でなぞる事。

このようにして上からなぞることで、

コーキングが隙間の奥の方まで届くので

効率良く処理出来るんですよね。

 

隙間が空いている部分だけ

テープを貼るのでも悪くないのですが、

隙間の根元から埋める方法ならば

それ以上空気の移動する範囲も広がりませんし、

更なる伝い漏れの心配も無くなりますよね。

その他に、天井の気密シートの

取り合いからの漏気がありました。

 

天井は壁と違ってなだらかな

箇所ばかりでは無く、

凸凹だったり狭かったりして

テープでの気密処理が難しいです。

 

上記画像の二か所も、

その一例ですね。

こういった箇所は、

無理にテープだけで処理しようとせずに、

ウレタンやコーキングなどを

使い分けながら処理すると、

効率良く隙間を無くすことが

出来ると思います。

 

適材適所での気密処理。

これ本当に大切です。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.21cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
30cm2 → 21cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.30 → 1.09
となっています。

この結果に、

立ち合いされたお施主様と大工さんは

満足されたご様子でした。

 

シート貼りの現場では、

気密を確保するのが本当に

難しい印象があります。

 

取り合いや気密ラインの意識、

テープの浮きのひとつひとつまで、

気密を良くするためには

丁寧な施工が求められます。

 

現場の中を見ていると、

大工さんが気密の事をちゃんと考えて

処理をしているのが伝わってきます。

 

ここまで良い気密になっているのは、

偏に大工さんのこだわりと熱意が

あるからこそのものなんでしょうね。

掃き出し窓を見てみれば、

スポットクーラーがちょこん。

室内を涼しくしてくれています。

 

もう8月も終わりですが、

まだまだ暑い日は続きそう。

 

現場や外で働く方々は、

十分にお気を付けください。

気密測定

Posted by fok-rs