富山県黒部市で気密測定 2025/01/10

稜です。

2025年1月10日は富山県黒部市で

伊田直樹建築設計事務所さまの

現場の気密測定を行いました。

中に上がります。

屋根と壁の断熱は共に、

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

サッシはYKK APW430の他に

『佐藤の窓』という木製サッシが

採用されていました。

 

元々の製作者はドイツのSmartwin

(スマートウィン)という会社で、

日本のレインボーオーシャンビューと

いう会社がライセンス契約を結び、

国内で生産されているサッシだそうです。

 

伊田社長とお施主様に伺った話では

富山県での採用は初(?)との事。

日本には他にも色々な木製サッシが

生産・販売されていますが、

この佐藤の窓は断熱性能と気密性に

優れた高性能な商品なんだとか。

 

実際に測定器で減圧した際に

漏気のチェックを行いましたが、

確かに気密性はかなり良さそう。

外壁側を見てみると、

面材と付加断熱の取り合い部分に

テープを貼って気密処理してありました。

 

もちろん室内側のウレタンでも

既に気密は取れていますが、

内外二重の気密処理が施してあれば

より強固なものになりますよね。

現場は床断熱となっています。

 

床は大引きとボード状断熱材の

取り合いにテープを貼って

気密処理してあるのですが、

それとは別に柱や筋交いの下端に

コーキングを打って処理してありますね。

 

大引きと断熱材の取り合いに

テープは貼ってあるものの、

柱などの付近はテープが貼りづらく

少し隙間が残ってしまうケースも

あるようなんですよね。

 

ですので、こうして部分的に

気密処理をしてある訳なんです。

外周部の柱の下端まで

しっかり処理してあります。

 

柱と窓台との取り合いにまで

コーキングを打ってあって

素晴らしいと思います。

お風呂の気密処理をチェック。

 

個人的にお風呂はかなり隙間が

出来やすいと思っておりますので、

毎回しっかりとチェックしています。

断熱材の取り合いにウレタンと

テープを使って気密処理してあります。

 

面はテープ、隅はウレタンと、

適材適所でしっかり使い分けて

あるのが本当に素晴らしいポイント。

 

は幅が広く施工箇所にしっかりと

接着させられるテープを使うのがBEST。

 

は正直なところウレタンでも

コーキングでもテープでも、

気密は問題なく確保できますが、

ボード状断熱材の取り合いに隙間が

出来てしまっている場合には、

その隙間の奥まで埋められる上に

断熱的にもプラスに働くウレタンでの

処理は優れていると言えますね。

そして排水管や給湯給水管の

貫通部の処理です。

 

これも本当に素晴らしい!

配管の貫通部というのは、

束ねて通してしまうと配管同士の

間に隙間が出来てしまいます。

 

その隙間というのが、

視認しづらく処理もしづらい為

とても厄介なものなんです。

 

しかし、このように配管の間隔を

少し空けて通す事によって、

隙間を作る事なく綺麗に処理出来るわけです。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.12cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)

をしていきます。

 

こちらは下屋の束柱です。

周りにはしっかりとウレタンが

吹き付けられているように見えますが…

別の角度から確認してみると、

このように右側に怪しげな影が

出来てしまっていました。

(先程とは別の箇所の画像です)

 

ウレタン吹き付けというのは

狭い箇所を苦手としている所があり、

意識して吹き付け作業をしない限りは

このようにウレタンがかかっていない面が

出来てしまう事もあるんですよね。

何か所かありましたので、

いずれもしっかりとウレタンを

吹き付けて気密処理を行いました。

次はこちらの柱と筋交いの合間に

出来ている隙間です。

 

上の方でも説明しましたが、

柱や筋交いの下端から漏気が

発生するケースがあります。

 

こちらは周りをコーキングで

気密処理してあるのですが、

柱と筋交いの合間を出口として

漏気してしまっているようですね。

隙間にコーキングを打って

気密処理を行いました。

 

テープでの処理もアリですが、

下端にコーキングを打っている都合上

テープが浮いたり剥がれてしまう

可能性もありますし、

柱と筋交いの合間や上端の狭い箇所に

しっかり詰めて処理出来る点では

コーキングが一番適していると思います。

 

もちろん、反対側からもちゃんと

処理してありますのでご安心下さい。

(大工さんありがとうございます)

最後にホールダウン金物の付近。

コーキングを打って処理してありますが、

どうやら赤丸の部分から少しだけ

漏気があるようです…

コーキングを打って隙間を埋めました。

 

ただでさえ死角で見づらい位置な上に

上の写真を見た限りでは埋まっているように

も見えないこともないですよね。

 

普段では気付かないような隙間でも、

測定器で減圧している最中であれば、

実際に漏気しているか否かで

隙間の有無を判別することが出来ます。

 

単に気密を測るだけではなく、

このように隙間を探して見つけて

埋める機会を設けられる気密測定って、

改めて大切だと思いますね。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.083cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
17cm2 → 11cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.40 → 1.18
となっています。

この結果に、

立ち合いされたお施主様は

喜んでいるご様子でした。

 

冒頭でご紹介した木製サッシの

佐藤の窓も気密性が高かったため

サッシ類からの漏気はほとんど

無いという素晴らしい結果でした。

 

当日はそれなりに雪が積もって

寒い日でありましたが、

竣工した暁には暖かく快適に

生活が出来る事でしょうね。

気密測定

Posted by fok-rs