石川県小松市で気密測定 2025/05/12
稜です。


2025年5月12日は石川県小松市で
㈱北製材所 ウィッシュホームさまの
現場の気密測定を行いました。
早速、中に上がります。

屋根はウレタン吹き付け断熱
となっています。

壁の断熱材はセルロースファイバー。
充填する前の状態ですので、
壁の面材と柱などとの取り合いに
コーキングを打って気密処理して
あるのが見えていますね。

サッシはYKK APW330。
樹脂ペアガラス仕様です。
少し見えづらいのですが、
サッシ周りはコーキングを打ったのち
さらにテープを貼って気密処理してあります。

既に配線済みのCD管は、
線の周りにコーキングを打って
気密処理されていました。
勿論、壁の面材の貫通部も
しっかりと処理されています。

さらに外壁側からも、
コーキングで気密処理。
これならどちらか一方の
コーキングが切れて隙間が
出来てしまった場合にも、
気密を保持できるので安心ですね。

壁の面材と柱などの取り合いを
コーキングで気密処理してあるのを
先ほど確認しましたが、
取り合いが複雑な隅の方まで
しっかりと気密処理してあります。
このような徹底的な処理が
気密の良い家を建てるための
秘訣なのでしょうね。
手間や時間はかかりますが、
気密を良くする上では欠かせません。

現場は基礎断熱となっています。
基礎を貫通している穴は、
測定前にあらかじめ埋めておく
必要があるのですが、
このようにバッチリ埋めてありますね。
水抜き穴にウレタンを吹き付けた後、
上からテープを貼ることで
通常外にはみ出る分が穴の中へと
押し込まれることによって、
ミチミチと効率良く隙間を
埋める事が出来るわけですね。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.12cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

既に良い気密なのですが、
より良い気密を求めて
C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
玄関土間の基礎と土台の間から
漏気が発生していました。

ここは測定器で減圧している
状態だからこそ漏気の具合で隙間の
有無を判別することが出来ますが、
普段は隙間が残っているかどうかなんて
まず分からない厄介なポイントです。
後にタイルや板などを貼っても
伝い漏れを起こす事があるので、
油断せずしっかりと処理しておきましょう。

ここは下屋の火打ち梁付近。
怪しい隙間がありましたので
手を近づけてチェックしたところ
漏気が起きていました。
皆さんはどれか分かりますかね?

正解はここです。
暗くて大きめの穴なので
分かりやすかったですかね。
ウレタン吹き付け断熱の場合、
火打ち梁の付近にはこのような
隙間が出来やすいので、
注意しておきましょう。
(ウレタンの厚みや高さによって
漏気のしやすさがかなり違います)

漏気していた穴の他にも、
怪しげな隙間も埋めておきました。
後々、経年劣化や振動によって
漏気を起こす隙間に変化する可能性も
0ではありませんので、
漏気を起こしていなくても露骨に
怪しい隙間は埋めるように心掛けています。

最後に梁の接続金具のスリット。
ここも言わずと知れた(?)
漏気スポットの一つです。
ただし、㈱北製材所さまの家の
条件(気密ラインや断熱材)では、
漏気を起こしづらいと思っていたので
見つけた時は少々驚きましたね。
こちらは下屋かつ外周部に
位置する箇所となっています。
壁の断熱はセルロースファイバーですが
このスリットの上部は高所なため
ウレタンで埋まっているという
特殊な条件下にありましたので、
漏気が発生したのでしょう。
…って説明が下手すぎて
文字だけでは伝わらないですよね。
申し訳ない…。

という訳で、ウレタンで埋めます。
漏気が発生している以上、
接続金具が熱橋を起こしてしまう
可能性も考えられますので、
スリットの隙間にしっかり丁寧に
ウレタンを吹き付けてから、
さらにウレタンを吹き付けて蓋をします。
(これは吹き付け直後の画像ですが、
時間が経過すればもっとミッチリ
ウレタンが膨らんでくれます。)
2箇所ありましたので、
どちらもしっかり埋めました。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…

C値=0.083cm2/m2の
ウルトラ気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
21cm2 → 14cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.37 → 1.32
となっています。

この結果に、
立ち合いされたお施主様は
納得されたご様子でした。
束柱の取り合いや梁のスリットの
隙間が埋まったことで、
気密が良くなっていますね。
αA (家全体の隙間面積)的には
7cm2 の改善となりましたので、
このレベルの良い気密からと考えると
かなり埋まった方ではないかと思います。
この良い気密のまま竣工を迎えられれば
とても快適な家になるのはないでしょうか。
完成時の気密測定も楽しみです。