石川県金沢市で気密測定 2025/05/21
稜です。

2025年5月21日は石川県金沢市で
ほそ川建設㈱さまの現場の
気密測定を行いました。

玄関ドアは…片引き戸ですね。
あまり隙間が無いように祈ります。


中に上がります。
室内(特に二階)は広々としていて
開放感のある設計となっていました。

現場は屋根・壁ともに
ウレタン吹き付け断熱です。

サッシはリクシルのTW。
アルミ樹脂複合サッシですね。

チェックしていきます。
二階の床(合板)と胴差し、
桁梁の取り合いを見てみると
ウレタンが吹き付けられていました。
ここは伝い漏れを起こしやすい
箇所なのですが、このように処理
されていると安心ですね。
外周部ということもあり、
熱橋の対策で羽子板ボルトなどにも
ウレタンが吹き付けてありました。

こちらは下屋部分です。
二階の面材の取り合いを見ると
先程と同様にウレタンが
吹き付けられている状態でした。
この面材と面材の間に出来た
隙間から伝い漏れが起きる
ケースもありますので、
このように対策しているのは
素晴らしいと思います。

排水管の床貫通部もチェック。
とても丁寧にコーキングを打って
気密処理してありますね。
コーキングでの処理をする際、
ただ打つだけでは直ぐに切れたり
隙間が残ったりしてしまいますので、
上の画像のようにコーキング打った後
上から押さえて均しておくのがベストです。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.39cm2/m2の高気密です。
表示は四捨五入により0.4cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
こちらの現場、玄関土間に
大きなFIX窓が3枚並んだ
設計となっているのですが、
サッシ周りが気密処理されていない
状態となっていました。
漏気の具合を確認して見たところ
中々漏れていましたので
気密処理をしていきます。

建築というのは勿論気密だけでなく、
工程というものもありますので
処理していなくても仕方がありません。
が、これだけ漏気しているとなれば
気密処理のしやすい今のうちに
やっておかなければ後々大変です。
監督さんがウレタンと使って
丁寧に気密処理されています。
サッシ周りは基本気密処理を
しておくべく箇所なのですが、
普通の中連窓や掃き出し窓であれば
最悪処理していなくとも極端に
気密が悪くなることも無いでしょう。
ですが、この玄関土間に取り付けた
サッシというのは取り合いの関係上、
本当に漏気を起こしやすいので
隙間が残らないよう丁寧かつ慎重に
気密処理しておく事を推奨します。

お次はこちら、玄関土間の
断熱材の取り合いです。
こちらも漏気を起こしやすい
箇所となっていまして、
実際に手を近づけて確認して
みたところフワーッと風が
出てきているのが分かりました。
後々埋まる箇所ではありますが、
この時点での気密を正確に測定する
為にもしっかりと埋めておきます。

最後に間柱の下端に出来た隙間。
この隙間からも漏気がありましたので、
ウレタンを吹き付けて埋めていきます。

そもそも壁はウレタンで埋まっているのに
何で漏気するんだ…?と不思議に思う方も
いるかも知れませんので説明すると、
例えば土台や床の合板との取り合いに
外気に通じる隙間が出来ているとします。
その隙間がウレタンで埋まって
いれば特に問題無いのですが、
この隙間というのが狭いため
ウレタンが上手く隙間に入り込んで
くれないというのが現実です。
ウレタンは狭い箇所などの処理で
とても便利な印象がありますが、
特に吹き付け業者の方が使用する
現場発泡のウレタンでは細部の
非常に狭い隙間を一つ残らず埋める
というのはほぼ不可能と言えます。
(You〇ube等に吹き付けた途端に
モコモコ膨らむ動画などがあるので
どんな感じなのか気になる方は
調べてみてくださいね。)
ですので、こういった隙間を
残さないようにするには、
ウレタン吹き付け業者の方に
任せきりにするのではなく、
後から各自でウレタンやコーキングを使い、
チェックしつつ埋めてまわるのが大切です。

他にも入隅からも漏気がありましたので
ウレタンで気密処理をしました。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…

C値=0.32cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.3cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
105cm2 → 85cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.69 → 1.56
となっています。
この結果に、
立ち会いされた監督さんは
納得されたご様子でした。
サッシ周りや間柱の下端を
気密処理したことで、
隙間が埋まったようですね。
αA (家全体の隙間面積)が
20cm2 も埋まっていますので、
かなり効果があったのでしょう。
冒頭でもお伝えしましたが、
こちらの現場の玄関ドアは
片引き戸となっていまして、
漏気量を確認してみたところ
かなりの漏れ具合でしたので、
隙間は相当なものかと思います。
使い勝手の良い玄関片引き戸ですが、
構造上隙間が多くなっているので
気密性との両立は難しいです。
玄関片引き戸の漏気の具合や
家の大きさの事を踏まえると、
条件の悪い中でこれだけ良い気密を
確保できているのは素晴らしいと思います。
ほそ川建設㈱さまの素敵な家で気密も良い。
暖かく快適な暮らしができるならば
お施主様はとても幸せでしょうね。