石川県加賀市で気密測定 2025/05/23
稜です。

2025年5月23日は石川県加賀市で
㈲アカイホームさまの現場の
気密測定を行いました。


中に上がります。

屋根と壁の断熱材はともに
キューワンボード。
どちらも外側からテープや
コーキングを使用して
気密処理を施してあります。

サッシはYKK APW330と430。
どちらも樹脂サッシですね。

チェックしていきます。
現場は床断熱となっています。
床の気密は大引きと断熱材の
取り合いにテープを貼って
確保してあるようですね。

床の配管貫通部です。
一見配管の周りがスカスカで隙間が
空いているようにも見えるのですが、
少し見えづらいだけでこの合板の下から
コーキングで気密処理してありました。
先ほど大引きと断熱材の取り合いで
気密処理してあるのを確認しましたが、
同じ気密ラインで処理するように
意識しているようですね。
素晴らしいと思います。
気密ラインをあやふやにして
処理してしまっていると、
伝い漏れが発生してしまう
リスクがあるので要注意です。

お風呂周りもチェック。
かなり丁寧に処理されていますね~。
こういったボード状の断熱材は
取り合いが面やL字になりますので、
テープとの相性が非常に良いです。

給湯給水管などのの貫通部は
コーキングで処理されていました。
このお風呂の配管貫通部、
管や線が集中して束なっていたり、
低所にあるため下部が見えづらく
隙間が残っていても気付けません。
本当に漏気を起こしやすい箇所なので
気密測定の際は必ずチェックしましょう。
今回は漏気を起こしていません
でしたので大丈夫ですね。

玄関土間の土台とパッキンの
取り合いにテープが貼ってありました。
気密パッキンであっても
ジョイント部分などからは
漏気が発生しますので、
このように気密処理しておけば
安心できるので良いですね。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.20cm2/m2の超高気密です。

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
こちらは外周部に接する垂木と
断熱材などの取り合い。
経験上、漏気を起こしやすい要素の
ある取り合いだと思ったので
手を近づけて確認して見たところ、
やはり漏気を起こしていました。

大工さん曰く、外側から
コーキングで気密処理してある
から問題ないとの事でしたが、
おそらく取り合いが複雑で
綺麗に処理するのが困難だった
のではないかと思います。
垂木や断熱材など関連する取り合い
その全てを気密処理するには
流石に範囲が広すぎる上に、
同様の箇所がいくつかありましたので、
ひとまず目立った漏気が無くなるまで
確認しながら処理を行いました。

上の方で床の配管貫通部の
気密処理をご紹介しましたが、
大工さんが追加でコーキングを
打って補強して下さっています。
二重で処理してあるならば
まず漏気することは無いでしょう。

他に何かないかと探していると、
床の配線貫通部が気密処理されていない
状態になっているのを発見しました。
どうやら物陰に隠れていて
見逃してしまっていたようです。

こちらもしっかりとコーキングで
気密処理を行いました。
穴が大きい分、漏気量も
それなりに多くなりますので、
見逃さないようにチェックして
しっかりと埋めておきたいですね。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…

C値=0.13cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
26cm2 → 17cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.26 → 1.06
となっています。

この結果に、
立ち会いされたお施主様は
満足されたご様子でした。
αA (家全体の隙間面積)は
9cm2 の改善となりました。
埋めた分がしっかり結果に
反映されていますね。
今回、垂木の先の取り合いから
漏気が起こっていましたが、
外壁側から処理している事もあって
漏気が起きるかどうかなんて
目で見ただけではまず分かりません。
お風呂の配管貫通部にしたってそうです。
今回は大工さんがしっかりと
処理して下さっていたおかげで
漏気していませんでしたが、
これを見ただけで漏気するか否か
判断する事は非常に困難でしょう。
気密測定というのは、
ただ家の気密を測るだけではなく、
外気に通じているか判別できない隙間や
通常の人の視点では見えづらい箇所などを
確認して埋める事の出来るチャンス
でもある訳なんですね。
個人的に9cm2 は結構埋まった方
だと思いますが、あくまで
大工さんが元から丁寧な施工を
して下さっているからこそ、
この良い結果がある訳です。
これだけ良い気密であれば、
快適で暖かな暮らしが出来そうですね。