石川県金沢市で気密測定 2025/06/02

稜です。

2025年6月2日は石川県金沢市で

㈱ハザマ住建さまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

屋根はウレタン吹き付け断熱

の仕様となっています。

壁の断熱はセルロースファイバー。

吹き付けする前の状態です。

 

画像の通り、壁の面材と柱などの

取り合いにコーキングを打って

気密処理を施しています。

 

柱と胴差しの取り合い正面は

テープを貼って処理していますね。

 

気密処理というのは、

処理する箇所によって気密材を

使い分ける事も重要です。

外壁側には付加断熱として

EPSが貼ってあります。

 

このEPSで隠れてしまっていて

今はもう見えない状態ですが、

面材の取り合いにテープを貼って

気密処理を施してあります。

 

先程の室内側のコーキングと、

外壁側のテープで内外二重の

気密処理となっている訳ですね。

サッシはリクシルのEW。

樹脂トリプルガラス仕様ですね。

チェックしていきます。

 

サッシ周りはテープとコーキングを

使って気密処理してあります。

玄関土間を見てみると、

土台とパッキンと基礎の取り合いや

土間の断熱材の取り合いに

テープを貼って処理しています。

 

案外伝い漏れの起こりやすい

箇所なので、これだけしっかり

気密処理してあれば安心ですね。

こちらはホールダウン金物です。

 

床断熱、基礎断熱に関わらず

外周部に位置する箇所は

漏気が起こり得ますので、

土台の貫通部をしっかり埋めて

気密処理しておきましょう。

 

またウレタンで全体を覆われていているので

まるで繭のような見た目をしていますが、

これは熱伝導率の高い金属なので

熱橋の対策として断熱をしている訳ですね。

監督さんが屋根のウレタンと

束柱の周りをチェックして、

怪しげな箇所に追加でウレタンを

吹き付けて気密処理しています。

 

これは吹き付けを行う際に、

本来綺麗に埋まるはずの部分が

束柱などの障害物によって遮られて

隙間が残ってしまうケースがあり、

それが外気にまで通じていると

漏気が発生してしまう訳です。

 

目で見ただけでは外気まで通じて

いる隙間か判別出来ませんので、

もし怪しげな暗い隙間を見つけたら

追加でウレタンを吹き付けるなどして

なるべく埋めておきましょう。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.064cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)

をしていきます。

 

現場にはサッシがいくつか

取り付けられていますが、

滑り出し窓からの漏気の具合が

気になるという事で、

監督さんが調整を試みています。

 

サッシ調整、侮るなかれ。

こちらのサッシは滑り出し窓ですが、

しっかり閉まっているように見えても

障子と枠のパッキンの密着の具合で

隙間の量が全然違ってきます。

 

このサッシの場合は、

グレモン受け金具を動かして

ハンドルの掛かりを調整します。

 

それによって、よりギュッと障子が

引き寄せられて枠のパッキンとの

当たり具合が良くなります。

密着すればするほど気密性が

向上する訳ですね。

こちらは気密処理ではなく、

上でご紹介したホールダウン金物と

同様に金属の熱橋対策として

ウレタンを吹き付けています。

 

家の断熱性能が良く、内と外との

温度差が大きくなればなるほど、

断熱力の弱い部分などから

結露が発生するリスクが増えます。

 

熱橋による結露を防ぐためにも

対策はしっかりとしておきたいですね。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.055cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
7cm2 → 6cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.18 → 1.07
となっています。

この結果に、

立ち会いされた監督さんは

満足されたご様子でした。

 

監督さんがサッシを調整したことで

αA (家全体の隙間面積)が

1cm2 だけではありますが、

縮まっていますね。

 

ただ、この素晴らしい気密から

1cm2 隙間を埋めるのは、

中々簡単な事ではありません。

 

私共も他に何か無いか探しましたが、

細々とした隙間はいくつかあったものの

特に目立ったものは見つけられませんでした。

 

その点、サッシからの漏気は分かりやすく

(調整可能であれば)隙間を埋めやすいので、

突き詰めて気密を改善する場合には

サッシの漏気具合はチェックするべきですね。

 

単純に家の気密としても重要ですが、

サッシ本来の性能を引き出して

あげる意味でも大切な事です。

 

気密測定の際に、最初から

とても良い結果が出たとしても、

それで満足するのは勿体ない。

 

躯体の隙間がほとんど無くても、

サッシからは目立った漏気が

あるかも知れませんし、

それをちょちょっと調整すれば

さらに気密が良くなるかもしれません。

 

測定中は漏気の具合も判別しやすく

なるので是非チェックしてみて下さい。

気密測定

Posted by fok-rs