石川県金沢市で気密測定 2025/06/09
稜です。

2025年6月9日は石川県金沢市で
正栄産業㈱さまの現場の
気密測定を行いました。


中に上がります。

現場は屋根・壁ともに
ウレタン吹き付け断熱の
仕様となっています。

サッシはリクシルのEW。
樹脂サッシですね。

測定を始める前に、
お風呂の配管貫通部の
気密処理を行います。
とは言っても、何も処理を
していないという訳ではなく、
現場には既にユニットバスが入って
いたので室内側から気密処理の
具合を確認することが出来ず、
確実に隙間を埋めておくために
外側からも処理する事になりました。

ウレタンを吹いて隙間を埋めています。
こういった配線配管が何本も
束なっている箇所を気密処理する際は、
物同士の間にウレタンやコーキングが
詰まるように意識して処理しましょう。
また、手前だけ塞いでも
後から剥離して隙間が生まれて
しまう可能性もあるので、
なるべく奥の方まで詰まるように
処理するのがおススメです。

それでは早速測定を行います。
気になる結果は…

C値=0.19cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
ウレタンで埋まっている状態
なので分かりづらいですが、
ここに火打ち梁があります。
一見全く隙間なんて無さそうに
思ってしまうのですが…

視点を変えて見ると、ほら。
怪しい隙間が現れましたね。
手を近づけて確認してみると、
案の定漏気が発生していました。

ウレタンを吹き付けて
隙間をしっかりと埋めました。
このように見る角度によって
隙間が見え隠れするケースがあり、
通常の人の視点に縛られていると
隙間を見逃してしまう事もあります。
C値改善作業を行う際には
視点を変えながら隙間探しを
するのがおススメです。

次はこちら、梁の接合金物の
スリットですね。
先程の火打ち梁もそうですが、
ウレタン吹き付けの現場では
ありがちな漏気箇所の一つです。
屋根の高さやウレタンの厚み、
接合金物の付いている位置によって
漏気するか否かが決まりますが、
今回は漏気しているケースでした。

こちらもウレタンを吹き付けて
気密処理を行いました。
もし漏気していなかったとしても、
外気に接する可能性がある位置の
金具は熱橋による結露の対策として
ウレタンで埋めておくと安心ですね。

こちらは二階の床(合板)と胴差し、
桁梁などの取り合い。
木と木の取り合い部分なので
壁のウレタン吹き付けだけでは
都合よく隙間が埋まってくれません。
そのため伝い漏れを起こしやすく、
気密を良くする上ではしっかりと
処理しておきたい部分です。


最後に玄関ドアの付近に
隙間が残っていましたので、
ウレタンを吹き付けて
気密処理を行いました。
後々処理する予定だったのでしょうが、
ボードなどで隠れてしまい
結局そのままに…なんて事も
起こり得る話だと思いますので、
処理出来るうちにしっかりと
埋めておくと安心ですよね。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…

C値=0.11cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
21cm2 → 13cm2

この結果に、
立ち会いされたお施主様方は
満足されたご様子でした。
今回 αA (家全体の隙間面積)は
8cm2 の改善となりました。
n値 (隙間特性値 範囲1~2)に
関しては元々かなり良い数値で、
実際 0.01だけ上がっていますが、
完全に誤差の範疇でしょう。
隙間が結構埋まった件については、
接合金物のスリットや火打ち梁に
空いていた隙間が大きかった為、
数値も良くなりやすかったのでしょう。
とっても良い気密。
これならばお施主様方も
暖かく快適な暮らしが出来ますね。