石川県金沢市で気密測定 2025/09/18
稜です。

2025年9月18日は石川県金沢市で
㈱北製材所 ウィッシュホームさまの
現場の気密測定を行いました。
中に上がります。

屋根はウレタン吹き付け断熱
となっています。

壁の断熱材はセルロースファイバー。
充填する前の状態なので
壁の面材が見えていますね。

壁の面材と柱や筋交いの取り合いは
コーキングで気密処理してあります。
かなり太めに打ってありますので
長持ちしてくれると思います。

外壁側でも面材の取り合いに
テープを貼ってありますので、
内外二重の気密処理となっています。
どちらか一方だけ処理するよりも
内外の両側で処理してある方が
間違いなく気密性は上がります。
もし万が一、どちらか一方の気密処理に
不備があったり隙間が空いてしまっても、
もう一方が問題なければ気密は保たれますよね。

サッシはYKK APW330。
樹脂ペアガラスです。

サッシ周りをチェック。
コーキングで丁寧に気密処理
が施されていますね。
隅だけでなく、柱とまぐさ等の
正面の取り合いまで気密処理して
あるのは素晴らしいですね。

CD管の内部にコーキングを詰めて
気密処理が施されています。
これだけミッチリ詰まっていれば
まず漏気することは無いでしょう。

胴差しや桁梁、床の合板の取り合いが
コーキングで気密処理されていました。
伝い漏れを起こしやすい箇所ですので、
処理してあるのを見ると安心します。

玄関まわりや柱の取り合いです。
面の長い取り合いはしっかりと
テープで気密処理してありますし、
土台と基礎の取り合いもコーキングで
気密処理してあって良いですね。
ここまで徹底して処理する事が
良い気密を出す秘訣なのでしょう。

それでは測定を始めます。
気になる結果は…

C値=0.085cm2/m2の
ウルトラ気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。
勝手口の下端から漏気があったようです。
監督さんがコーキングで気密処理を
してくださっていますね。
このような土間に接するサッシ類は
下端の隙間の有無の確認がしづらく、
隙間が残ってしまいがちなポイントです。
後の工程でほぼ埋まる箇所ですが、
中間時の気密を正確に測りたい場合は
しっかりと気密処理しておきましょう。
画像のように屈んで下から覗き込むような
体勢をすれば隙間の有無が確認しやすいです。

よく見かける屋根の隙間。
見かけは怪しくても実際は
問題ないケースが多いのですが…
今回はかなり漏気していました。

見ただけでは分かりづらいですが
中央の桁が境となっていまして、
右側のウレタンと左側のウレタンは
微妙に位置(高さ)が違います。
それによって段差が生まれ、
その段差に隙間が空いている部分から
漏気が発生しているという訳です。
もうちょっと上手く撮れれば
説明しやすくて良かったのですが…
理解できない方には申し訳ないです。

位置関係とか高低差とか構造とか、
理解すれば隙間も埋めやすくなりますが、
とりあえず怪しい隙間は埋めましょう。
漏気の有無をチェック手段がない場合は
どの道隙間を埋めるしかないのですから。


お次もさっきと似たような隙間。
実際のところは外気の侵入経路が
違うので別物の隙間です。
こちらは二階の屋根の勾配と
桁梁の重なる位置に空いた隙間。
この隙間の先に束柱があったり、
隙間がウレタンがちゃんと埋まっていたりと
最近はあまり漏気していなかったのですが、
どうやら今回は隙間が外気まで通じているようです。

こちらもしっかりとウレタンを
吹き付けて隙間を埋めます。
こういった箇所は隙間が大きい分
漏気量も多くなりがちなので、
しっかりと埋めておきたいですね。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…

C値=0.045cm2/m2の
ウルトラ気密です!
表示は四捨五入により0.0cm2/m2!
αA (家全体の隙間面積)が
13cm2 → 7cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.53 → 1.16
となっています。

この結果に、
立ち会いされた監督さんは
満足されたご様子でした。
αA (家全体の隙間面積)は
6cm2 の改善となりました。
自分で言うのもアレですが、
このレベルの気密で6cm2
埋めるのって凄いことですよ。
いや~これだけ良くなると
気持ちが良いですね。
n値 (隙間特性値 範囲1~2)も
大きい隙間が埋まった事で
かなり良くなっていますし、
とても良い結果ですね。
気密測定の良いところは、
ただ数値を測るだけでは無く
改善する事も出来るというところ。
気密の良い家を建てるのであれば、
施工精度の確認という意味でも
万が一の場合の保険という意味でも、
気密測定はとても大切な事だと思います。
竣工の測定も楽しみですね。

