石川県かほく市で気密測定 2024/06/21
稜です。
2024年6月21日は石川県かほく市で
㈱イシダ住建さまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
こちらの現場では、
当社の商品『通気遮熱FOボード』
を採用して下さっています。
いつもありがとうございます。
屋根と壁の断熱は、
ウレタン吹き付け断熱と
なっておりまして、
先程の通気遮熱FOボードを
屋根のウレタンの下地材として
ご利用いただいています。
サッシは三協アルミのスマージュⅡ。
樹脂ペアガラスです。
チェックしていきます。
現場は床断熱です。
排水管などの床貫通部は
コーキングで気密処理されています。
床の外周部を見ると、
柱の根元の切り欠きにウレタンが
吹き付けられています。
伝い漏れを起こしがちな箇所の
一つとなっていますので、
このように気密処理しておくと
安心できますね。
二階の床外周部の柱の根元も
先ほどと同じように気密処理
されていましたが、
上(二階)の取り合いを処理したならば
下(一階)の取り合いまでちゃんと
処理しなければなりません。
せっかく空気の出入り口を一つ塞いでも、
別に出入り口が残っていれば
結局伝い漏れを起こしてしまいますからね。
ウレタン吹き付け業者さんが
丁寧に処理して下さっていますね。
隙間無くミッチリ吹き付けて
下さっていますので、
伝い漏れの心配は無さそうです。
市販の一液ウレタンスプレーでは
こんなに綺麗には吹けません。
こちらはお風呂の気密処理。
断熱材の取り合いに
とても丁寧にウレタンが
吹き付けられています。
CD管に線を通してありますが、
その周りをコーキングで埋めて
気密処理をしてありますね。
以前、別の会社さんの現場で
この処理にコーキングを使用すると
電気屋さんに怒られたという旨の話を
監督さんがしてくれました。
もし、後の工程でコーキングが
邪魔になるという場合には、
穴埋め用の粘土・パテを使って
埋めるのも大いにアリだと思います。
コーキングで気密処理をした場合は、
後で線を動かすのがかなり困難ですが、
粘土やパテであればコーキングよりも
融通が利くはずです。
測定を始める前に少しだけ
C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
玄関土間の土台と基礎の間には
気密パッキンが入っていますが、
ジョイント部分などから伝い漏れを
起こしてしまうケースがあります。
その対策として、
土台と基礎にテープを貼って
気密処理をしています。
こちらも同じく土間まわり。
玄関ドアの右下端が怪しいとの事で
監督さんがコーキングを打っています。
ただ打つだけでは効果が薄いですが…
打った後で上からヘラでなぞり、
隙間を確実に埋めていきます。
上からヘラなり指なりでなぞることで
無駄にはみ出しているコーキングが
小さな隙間にまで押し込まれます。
この処理をするのとしないのとでは、
隙間の残り具合にかなり違いがあります。
これを誰かに言われたからでなく
自分から進んでしているあたり、
気密への理解とこだわりが強く感じられますね。
束の挿し口、土台のホゾ穴の奥に
小さな黒い丸が見えますでしょうか?
アレがどうやら外気に通じているようで、
何かしらで埋めなければなりません。
(暗すぎて見づらいカモ…)
あまりはみ出さないように気を付けながら
ウレタンで気密処理を行いました。
後に小上がりを作る予定ですが
工程の都合で束が付けられない為、
このようにホゾ穴が空いたままの
状態になっている訳ですね。
束を取り付ける前に、
しっかりと処理が出来たのは、
とても良い事だと思います。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.35cm2/m2の高気密です。
表示は四捨五入により0.4cm2/m2。
決して数値が良くないという
訳ではないのですが、
いつもの㈱イシダ住建さまの
気密では無い感じがします。
何か原因がないかと探していると、
中連の引き違い窓の上部から
それなりに漏気しているのを確認。
どうやら外の光が入り込む程度の
隙間が出来ているようですね。
手を近づけてチェックすると、
フワーッと空気が流れ込んできていました。
本来は先程のサッシの上部に
この気密材を付けなければ
いけないのですが…
初めて入れたサッシだそうで、
大工さんも監督さんもこの仕様を
把握できていなかったそうです。
サッシ屋さんもサッシ屋さんで
後で付ける予定だったとしても、
大工さん達に説明ぐらいして
あげるべきなんじゃないか…?
と思いましたがそんなことはさておき、
早速この気密材を取り付けていきましょう。
まずは先程の気密材を上部の隙間に
押し込んでいきます。
サッシ上部の穴と気密材の穴が
ピッタリ合う位置まで調整します。
そしてこの穴の部分に…
この留め具を差し込みます。
特に工具などを使う必要はなく
本当にただ差し込むだけで
しっかりと固定する事が可能です。
この商品に限らず、
サッシ上部に光の見えるほどの
大きな隙間が空いている場合は、
大概上部にシールが貼ってあって
取り付け方が記載されています。
もしかすると、
うっかり気密材を取り付けないまま
引き渡しをしてしまっているケースも
あるかも知れませんので、
何かおかしいぞ…?と思ったお施主様は
調べてみると良いかも知れません。
(㈱イシダ住建さまの話ではありません。)
お風呂の人通口。
シートを貼って周りにウレタンを
吹き付けることで気密を確保
しているようですが、
右下の当たりが少~し怪しい。
手を近づけてチェックすると、
やはり漏気していました。
追加でウレタンを吹き付けて
気密処理を行いました。
人通口本体にウレタンを吹くと
後々面倒かもしれませんが、
このようにビニールシートを使って
気密を取る方法ならば、
最悪シートを破くだけでお風呂の
点検が出来るので良いですね。
㈱イシダ住建さまの現場では、
このように素敵な板張りの箇所が
設計されている事があります。
今回は下屋の位置に設計したため、
この上部にもウレタンを吹き付ける
必要があったようですね。
しかし、上部の空間が狭いようで
吹き付けがかなり難しそうです。
一通りチェックしてみましたが、
この束の裏の部分に隙間が
出来てしまっているようです。
この狭いスペースで尚且つ
束の裏ともなると、
ウレタン吹き付け作業も
非常に困難だったという事が
想像に難くないですね。
漏気を止めるためにウレタンを
使って気密処理をします。
とはいえ、この気密処理自体も
そう簡単ではありません。
狭い上にウレタンガンの向きも
制限されていますので。
そこで大工さんは右と左の両側から
ウレタンを吹き付けることで
なるべく隙間が埋まりやすいように
処理をしていました。
いや~これは本当に素晴らしい。
どうすればより的確に隙間を
埋められるのかと考えて実行にする。
気密に対して理解があり、
それを重んじているという
何よりの証拠だと私は感じました。
こんな大工さんに家を建てて
もらえると安心できますね。
それでは再度測定を始めます。
結果はいかに…
C値=0.14cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
40cm2 → 16cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.50 → 1.06
となっています。
この結果に、
立ち合いされた監督さんは
納得されたご様子でした。
αA (家全体の隙間面積)も
n値 (隙間特性値 範囲1~2)も、
どちらもとても良くなっています。
これほどのジャンプアップ。
サッシの気密材が付いたことによる
ところが大きいと思いますが、
その他の隙間が埋まったのも
間違いなく結果に影響しているはずです。
元々の処理がしっかりしているからこそ
このような素晴らしい結果になる訳で、
それは監督さんや大工さんの
気密処理を見ていれば分かりますよね。
素敵なデザインで暖かく
快適な環境の『いい家』。
住まわれるお施主様は幸せでしょうね。