富山県で気密測定 2024/09/24

稜です。

 

2024年9月24日は富山県で

㈱さくらさまの現場の

気密測定を行いました。

 

今回はお施主様のプライバシー保護の為に

家の外観は撮影しておりません。

現場に来てまず驚いたのは、

軒がとても深く、精錬された設計と

なっていたことでしょうか。

端から端までピチッと綺麗に

間隔を取ってあってるんですよね。

 

この長さで違和感やズレもなく

美しく均等に設計・施工するのが

とても大変な事だというのは

想像に難くないでしょう。

さらにもう一つ驚いたのが、

玄関ドアに大工さんお手製の

片引き戸(仮ドア)が

取り付けられていた点ですかね。

もちろんレールが付いていて

しっかりと動きます。

 

木製の玄関ドア(本ドア)は、

傷が付きやすくて怖いですよね。

なので、こうして仮ドアを

作ってしまおうと考えた訳です。

 

いや~その考えも勿論素晴らしいですが、

コレを実際に作ってしまう大工さんも天晴です。

 

ただ、流石にこのままでは漏気するので

測定時には目張りをします。

中に上がります。

現場はパネル工法となっています。

断熱材はネオマフォーム。

さらに外壁側にも付加断熱として

ネオマフォームが貼ってあります。

 

内側でパネルのジョイント部分に

テープを貼って気密処理してありましたが、

パネルの外壁側やネオマフォーム(付加断熱)の

ジョイント部分にもテープを貼ってあります。

 

この水色のシートは、

デュポン製のウェザーメイト・プラス

という透湿防水シートです。

なんでも経年劣化などを起こしにくく、

防水性を長持ちさせられるんだとか。

屋根の断熱材もネオマフォーム。

100mmを二枚貼りした200mmの仕様。

 

見れば分かると思いますが、

母屋をテープで覆い隠すほどの

しっかりした気密処理が施されています。

サッシはエクセルシャノンの

樹脂トリプルガラス仕様。

 

サッシの周りはウレタンと

コーキングを使い分けて

気密処理してあるようですね。

付近のまぐさや間柱などの取り合いも、

コーキングを打つなどして気密処理されています。

サッシの枠などを見てみると、

框がかなり狭い状態になっています。

 

実はコレ、框を隠して

ガラスのみが見えるように

設計されているんです。

この後入るボード分の厚みを足すと…

 

かなりピッタリ来ていますよね。

この上にさらにクロスがかかると

完成時にはほぼ完全に框が隠れて

ガラスのみが目に映るようになります。

 

これこそまさに、

ピクチャーウィンドウというヤツです。

吹き抜け部分のサッシに関しても、

勾配天井の板が框の端に来るように

設計されています。

 

惚れ惚れするような精度です。

現場は基礎断熱となっております。

 

断熱材には他と同様にネオマフォーム。

取り合いにはテープやウレタン、

コーキングを使って気密処理されています。

パネルや柱と床との取り合いを見ると、

コーキングをピチッと打って

気密処理が施されていました。

これは伝い漏れの対策ですね。

 

外周部に位置する床の合板と柱など、

木と木の取り合い部分は伝い漏れが

起きやすいです。

 

先述した通り、

現場は基礎断熱となっていて

そのうえパネルの内外にテープを貼って

気密処理しているのですが、

万が一を伝い漏れが起きた場合の事を

考慮して処理しているのでしょう。

 

気密に対する考え方と言いますか、

お施主様のために良い家を造ろうとする想い。

そのために一切の妥協を許さない

といったような努力や熱意が伝わってきます。

(写真がボケとる…)

 

二階の床(合板)と胴差しや梁との

取り合いにコーキングが打ってあります。

 

こちらも先程と同様に

伝い漏れの対策ですね。

 

もちろん、反対側(二階の床外周部)も

一階の床外周部と同じように

気密処理が施してありますので、

サンドイッチのように上下で挟んで

隙間を潰している訳ですね。

 

例えば、柱の根元にある切り欠きは

一階側と二階側のどちらから見ても

隙間が空いている状態となっています。

 

そのため、どちらか一方のみを

気密処理したところで、

その反対側の隙間が空いたままでは

結局漏気が発生してしまいます。

 

コレはこの箇所に限った話ではなく、

同じ気密ラインで空気の出入り口(隙間)が

上下二方向など複数箇所存在する場合は、

逃げ道が残らないように徹底して

気密処理しなければ効果が望めません。

化生の桁の端の方にうっすらと

テープがかかっていますね。

 

おそらく二階のパネルと接しているので

伝い漏れの対策として処理したのでしょう。

 

(ここちょっと伝うかもな~。)

とは分かっていても、

それが化生となるとどうしても

処理するのに躊躇してしまいがち。

 

このように処理されているのを見ると、

気密への想いの強さが感じられますね。

こちらは梁を繋げて固定する為の

金物のスリット部分です。

 

このスリットは上下貫通している為、

どちらか一方でも外気に通じている場合は

気密処理しておく必要があります。

 

空いたままの状態にしておくと

隙間の大きさも相まって、

かなりの漏気量となる上に

金物が熱橋となって結露を

起こしてしまう可能性もあるので、

しっかりとチェックしておきたい箇所ですね。

 

ちなみに、こちらの現場では

スリットにウレタンを吹き付けたのち

塞ぐようにテープを貼って気密処理してあります。

割と手間がかかっていますが、

ここまで丁寧に処理されていると

まず漏気はしないでしょうから安心ですね。

グレーのウレタンで覆い隠すように

気密処理されているのは、

ホールダウン金物です。

 

こちらも先程の金物と同様に

熱橋となってしまいますので、

このようにウレタンで断熱してある訳ですね。

 

気密ライン(位置)によっては

漏気を起こしてしまいますので、

こちらもしっかりとチェックしましょう。

玄関土間まわりの気密処理。

 

土間のモルタルと断熱材や

土台の取り合いなどが

テープとコーキングを使って

とても丁寧に処理されています。

 

使用されているテープは、

WURTH製の強力な粘着性を誇るテープ

ユラソールですね。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.11cm2/m2の超高気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

二階の屋根の断熱材。

 

テープで気密処理されているのは

上の方で既に確認しましたが、

端の方(外周近く)を見てみると

パネルの間柱を避けるように

テープが一部カットされていました。

 

端の方はどうしても隙間が出来るのと

テープのみでの処理が難しいという点から

先にウレタンを吹き付けてあるのですが、

どうやら完全に塞がっている訳ではなく

少しだけ漏気を起こしていました。

なるべく奥の方まで詰まるように

チュっとウレタンを吹いて

気密処理を行いました。

 

ちなみに、テープをカットした部分だけ

処理するのではパネルの断熱材と間柱の

取り合いから伝い漏れが起きそうなので、

そちらも併せて処理しておきました。

CD管やPF管の壁貫通部です。

 

テープが貼ってありますので

問題なさそうなのですが、

角度を変えて見てみると…

ちょっと怪しい箇所がチラホラありますね。

CD管の根元が一番分かりやすいかも。

 

テープは選定と処理の仕方によっては

とても長持ちするので良いのですが、

浮きが出来てしまうと次第に隙間が

広がっていってしまいます。

こういった平面や直角でない箇所は

テープで気密処理するのが結構難しいです。

 

今回は既にテープが貼ってあって

凸凹や浮きがありましたので、

追加でテープを貼るよりもウレタンを

吹き付けた方が気密が取りやすいと判断し

処理を行った次第です。

 

もちろん、テープやコーキングであっても

時間をかけて丁寧に処理すれば

ちゃんと気密は取れますし、

長持ちさせることも出来ます。

最後に少し漏気していたサッシ周りを、

測定に立ち合いされた㈱さくらの社員さん

に処理して頂きました。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.093cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
19cm2 → 16cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.45 → 1.24
となっています。

この結果に、

立ち合いされた㈱さくらの社員さん

は満足されたご様子でした。

 

αA (家全体の隙間面積)は

3cm2 の改善となりましたが、

C値が0.1cm2/m2を切った事に

とても喜んでおられます。

 

元から良い気密でしたので

改善しても数値が良くならない

パターンが怖かったですが、

n値 (隙間特性値 範囲1~2)も

ちゃんと良くなっていますし、

埋めた分が反映されているようで良かったです。

 

これだけ色々とこだわった家で

気密が良く快適な生活が出来るのなら、

住まわれるお施主様はとても幸せでしょうね。

気密測定

Posted by fok-rs