福井県三方郡美浜町で気密測定 2023/12/01

稜です。

今年も気密をより良くするために

改善を努めてまいりますので、

よろしくお願いいたします。

2023年12月1日は福井県三方郡美浜町で

田辺工務店さまの現場の

気密測定を行いました。

中に上がります。

屋根と壁の断熱は、

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

サッシはYKK APW330。

樹脂ペアガラスです。

2階に上がろうとすると、

なにやら素敵スペースを発見。

 

スキップフロアが設計されていますね。

スキップフロアと吹き抜けを利用して、

大きなFIX窓を縦に二枚並べる

素敵な設計となっています。

 

明るい光が室内に差し込む上、

まるで写真のような景色を眺められる

贅沢な仕様となっているようです。

チェックしていきます。

 

既に枠が入っていますので

確認するのが難しいですが、

サッシ周りはウレタンで

気密処理されていました。

現場は基礎断熱となっています。

 

水抜き穴などの基礎貫通部は

事前に塞いでおく必要があります。

 

という事で、

水抜き穴を覗いてみましょう。

これは…どうなんでしょう?

とりあえず外側からの気密処理は

されていないようですね。

 

(恐らく)断熱材が見えていますが…

どういった状態か分かりませんので、

一旦このままにしておきましょうか。

おっと、これは…

配線貫通部がスポスポの状態。

 

電気屋さんが配線する過程で、

ウレタンを一部むしり取って

しまっていますね。

二箇所ありましたので、

ウレタンをミッチリと吹いて

しっかり隙間を埋めました。

 

配線が完了したのであれば、

ちゃんと処理しておいて欲しいです。

 

万が一、そのまま竣工時まで

処理をし忘れてしまうと、

後から気付くのも直すのも

かなり困難な事ですからね。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.46cm2/m2の高気密です。
表示は四捨五入により0.5cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)

を始めます。

 

先ほどチェックした水抜き穴。

測定結果を見る限りでは、

やっぱり室内と繋がっていそうです。

 

なるべく奥まで詰まるように

ウレタンを吹き付けて処理しました。

さらにその上から気密テープを

貼っていきます。

 

ウレタンで処理をしましたが、

膨らんで隙間をミチミチと

埋めてくれるまでには、

少し時間がかかったりします。

 

ですので、この場は粘着力の

強いテープを使って、

確実に漏気を起こさないよう

処理をしたわけですね。

玄関ドアの下端付近から

漏気があったようです。

 

高さ的にもモルタルで埋まらない

箇所となっていますので、

この状態のまま放っておくと、

竣工後もタイルの裏などを伝って

少なからず漏気してしまうでしょう。

 

そこから改善するのは

とても困難な事ですので、

今のうちにしっかりと

処理しておきたいですね。

漏気の有無は分かりませんが、

木と木のジョイント部分などに

テープを貼って気密処理しています。

 

一ヶ所からの漏気は少なくても、

それが複数箇所もあると気密を

落とす原因になりかねません。

 

間柱と窓のまぐさの取り合いなど、

ジョイント部分から伝い漏れが

起きるケースは割とありますので、

より良い気密を求める場合は

処理しておくことをおススメします。

ダクトの壁貫通部をチェック。

周りにウレタンが吹きつけられて

いますので一見問題なさそうですが…

上端の方をよく見てみると、

怪しい隙間が出来ていますよね。

 

手を近づけて確認してみると、

やはり漏気を起こしていました。

同様の箇所がいくつかありましたので、

ウレタンを吹き付けて気密処理をしました。

 

何故このように隙間が

出来てしまうかというと、

ダクトが梁などと密接している

ことが大きく関係しています。

 

物と物が密接している状態は、

狭く小さな隙間が出来やすいです。

この狭く小さな隙間というのが

非常に厄介なヤツでして、

狭く小さい分、その隙間には

ウレタンが詰まりづらいわけです。

 

ウレタン吹き付け断熱の場合は、

後で余分にはみ出たウレタンを

カットする工程がありますので、

それによって埋まっていたはずの

隙間が再度現れたりします。

これによる影響も大きいです。

とはいっても、

これらのダクトの貫通部は

天井下地の上部にいるわけで、

ボードやクロスを張る際に邪魔に

なるわけでもありませんし、

この後の工程で隠れますので

完成後に目に映ることもありません。

 

(画像は別の会社さんの現場です)

断熱材も全然違いますが、

つまりは上の画像のように

ダクトやスリーブの周りを囲うように

吹き付けをすれば良いんです。

 

これなら隙間が狭くても関係無いので、

有効な処理を施すことが出来ます。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.061cm2/m2の

ウルトラ気密です。
表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
83cm2 → 11cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.58 → 1.12
となっています。

この結果に、

立ち合いされた田辺工務店の方々は

満足されたご様子でした。

 

ものっ凄いジャンプアップ&

とても素晴らしい気密!

やはり水抜き穴が埋まっていなかった

のが影響していたという事でしょうね。

 

良くなるとは思っていましたが、

まさかここまで良い気密になるとは…

水抜き穴の他にもダクト周りなども

気密処理しましたので、

それも改善に繋がっているはずです。

 

そして何より、

元々の施工が丁寧でしっかり

としているからこそ、

ここまで良い気密が出るのでしょう。

スキップフロアの大きなFIX窓からは、

とても良い景色が眺められます。

 

素敵な家で暖かく快適な生活を。

住まわれるお施主さまは幸せでしょうね。

気密測定

Posted by fok-rs