石川県金沢市で気密測定 2024/03/11

稜です。

2024年3月11日は石川県金沢市で

慧工芸舎一級建築士事務所さまの

現場の気密測定を行いました。

中に上がります。

現場は段差があったりして

面白そうな設計となっています。

屋根・壁の断熱は、

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

 

天井には既にボードが貼って

ある状態ですね。

サッシはリクシルのサーモスⅡ。

アルミ樹脂複合のサッシです。

チェックしていきます。

 

サッシ周りはウレタンで

気密処理されていました。

一階の外周部の天井(二階の床)と

胴差しや梁との取り合い。

ウレタンを吹き付けて

気密処理してありますね。

 

工法や気密ラインにもよりますが、

伝い漏れを起こしやすい箇所なので

処理しておくと安心です。

そして床側の柱の根元。

こちらもウレタンで気密処理

してありました。

 

上か下の片方だけだと、

せっかく気密処理をしても

結局漏気が起こってしまいます。

片方だけでなく両方で処理する事で

初めて空気の逃げ道を潰すことが出来ます。

 

逃げ道を潰すという事に関しては

これに限った話でなく、

様々な箇所で同じ事が起こり得ます。

気密処理をする際に大事なことは、

関連する取り合いから逃げてしまわないか、

ここから伝って結局漏気を起こすのではないかと

考えたり疑ってかかる事ですね。

 

何度も言っていますので、

しつこいと思う方もいらっしゃるでしょうが、

大切なことですので何度でもお伝えします。

CD管の先端にウレタンが

吹き付けられています。

 

配線が完了したCD管やPF管は

忘れてしまわぬうちに、

ウレタンやコーキング、粘土などで

気密処理してしまいましょう。

 

もし、処理せず放置してしまうと、

外から空気を直入れする道となります。

しかも、竣工してからでは処理しようにも

出来ない事が多いと思います。

 

外から冷たい空気を引き込むことで

室内との温度差にとって結露が発生したり…

なんてことも考えられますので、

なる早で処理してしまいましょう。

玄関土間の土台と基礎の間のパッキン。

 

とても丁寧にネッチリと

コーキングで気密処理してありますね。

ここまでコーキングで丁寧に

処理してあるのはあまり見ませんね~!

入隅を見てみると、

間柱の取り合いにウレタンが

少し吹き付けられていました。

 

木と木のジョイントは、

伝い漏れを起こしやすいので

注意したいポイントですね。

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.26cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.3cm2/m2。

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。

何かないかと探していると、

一階でなんだか怪しい隙間を発見。

手を近づけてみると、

中々の漏気を起こしていました。

上の方でお伝えしましたが、

こちらの現場では段差(高低差)が

チラホラとありまして…

処理すべき箇所の判別が少し

難しかったのかと思います。

 

この箇所はそれによる影響で

処理をし忘れてしまい、

漏気してしまったという訳ですね。

 

隙間がしっかり埋まるように

ウレタンをミッチリと吹き付けて、

気密処理を行いました。

玄関土間の断熱材の取り合い。

どうやら少し空いている隙間から

漏気があったようですね。

 

後でモルタルで埋まる箇所ですが、

正確に気密を測定する為にも

しっかりと埋めておきましょう。

床の配管貫通部です。

 

分かりますかね?

手前側中央辺りに隙間が

出来ています。

 

こういった僅かな隙間からも

漏気は起きてしまいます。

ウレタンを吹き付けて

漏気を止めました。

 

ウレタンは吹いた後に膨らんでくれるので

隙間を埋めやすい印象がありますが、

都合良く隙間を埋めてくれるかと

言われるとそうではないので、

あまり過信しすぎない方が良いですね。

 

結局は人の目で確認する

工程が大切です。

最後にスリーブ管の貫通部。

最近私が必ずチェックしている箇所です。

分かりづらいかも知れませんが、

下の方に隙間が残っていますね。

 

まあこれも、過信するなと

言いたくなる一つの要因ですね。

プロの吹き付け屋が仕事をしても

こんなことが起こり得ます。

追加でウレタンを吹き付けて

隙間をしっかりと塞ぎました。

 

なんだかんだと言いはしましたが、

私が言いたいことは

別にウレタンがどうという話ではなく、

何事も確認は大切だという事です。

 

実際ウレタン吹き付けは

比較的気密を取りやすいですし、

市販の缶でも大きな隙間などを

埋められるのでとても便利なのですが…

完璧ではありません。

 

それをカバーするためにも、

人の目や手で確認を行うのが

重要だという事をお伝えしたいです。

 

それでは再度測定を始めます。

結果はいかに…

C値=0.19cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。

 

αA (家全体の隙間面積)が
38cm2 → 28cm2

 

n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.37 → 1.30
となっています。

この結果に立ち合いされた

お施主様と設計士の松下さまは

満足されたご様子でした。

 

家の形から考えると、

気密を取るのが難しめな

設計であったと思いますので、

この結果は中々素晴らしい

ものだと思います。

 

現場の大工さんもとても丁寧な

処理をされていましたので、

それが実を結んだのでしょう。

 

素敵な設計で暖かく快適な

家となるのであれば、

この上なく贅沢なことですよね。

気密測定

Posted by fok-rs