石川県金沢市で気密測定 2024/04/23

稜です。

2024年4月23日は石川県金沢市で

㈱北製材所 ウィッシュホームさまの

現場の気密測定を行いました。

中に上がります。

屋根の断熱は、

ウレタン吹き付け断熱と

なっています。

壁の断熱材はセルロースファイバー。

 

今はまだ充填前の状態で、

代わりに壁の面材と柱などとの

取り合いにコーキングを打って、

気密処理してある状態を見ることができます。

 

丁寧に処理してあるのが

見て分かりますね~。

サッシはYKKのAPW330。

樹脂ペアガラスのサッシです。

ではチェックを…って、あら?

サッシ周りの気密処理が

施されていませんね…

 

㈱北製材所 ウィッシュホームさまは

いつも処理されていたと思うのですが…

その後しばらくすると大工さんが

現場に戻って来られまして、

サッシ周りの気密処理をし始めました。

 

そこで何があったのかと伺ったところ

どうやらコーキングが無くなったので

買いに走っていたのだとか。

こちらの現場では、

(今回の気密測定が終了するまでに)

使用されたコーキングの本数が

なんと164本にも及ぶそうです!

 

なんちゅう消費量じゃ…

まぁそれもそのはず、

現場の気密処理を見れば一目瞭然ですが

打ってあるコーキングが太いのなんのって。

 

幅に関しても凄いのですが、

これで厚みも取っているので恐ろしい。

面材の取り合いにコーキングを打って、

その後ヘラか何かで上からなぞって

処理されていますね。

 

試しに触ってみると、

プニプニとした感触で弾力があります。

二枚目の画像を見て頂ければ分かりますが、

1mm近く厚みがあるんですよねコレ。

 

コーキングを使用した気密処理では、

幅と厚みに余裕があるほど良い処理だと

個人的には思っております。

 

幅を取るほど接着面積が増えますので

剥離しにくくなりますし、

厚みがあれば切れにくくなります。

どちらも兼ね備えた処理であれば

物と物とを繋げ支える性能が高まり、

多少の揺れや動きならば耐えうるはずです。

 

長くなりましたが、

余裕を持たせた処理であるほど

経年劣化などに強くなるという事ですね。

勿論、ただ打つだけではなく

上からなぞって押さえる処理も

とても重要な事ですのでお忘れなきように。

同様にエアコンの先行配管や

PF管などの壁貫通部も、

コーキングで処理してありました。

 

こちらも余裕を持たせた処理と

なっていますね。

現場は基礎断熱となっています。

 

基礎を貫通している箇所は

測定前にあらかじめウレタンやコーキング、

粘土などを使って埋めておく必要があります。

(ピッチリとくっつくのであれば、

仮にテープを貼っておくのでも可)

 

こちらは水抜き穴ですが、

しっかりと埋めてありますね。

こちらは第一種の床下換気システム

のスリーブ管貫通部です。

 

スリーブ管の周り(基礎との取り合い)が

コーキングで気密処理してありますね。

ただ。その上から目張りをしてあるので…

このようにペラペラと捲れてしまいます。

 

先ほどの画像ではくっ付いているように

見えない事もないですが、

実際にはいくつも隙間が出来ているので

気密測定においてはNGです。

(画像の目張りは単に雨風除けのものです)

そんな時にはコレ。

内側目張りというヤツです。

 

表面のコーキングがダメでも、

スリーブ管の内側であれば

ちゃんとテープはくっつきます。

ただし、赤丸の付いている

テープのシワが寄る箇所は、

しっかりと押さえておかないと

隙間が出来てしまう可能性が

ありますので要注意です。

 

『雨が降って表面が濡れてしまった…』

という場合でも活用できる目張りの方法なので、

皆さんも是非やってみてください。

測定を始める前に、

C値改善作業(隙間埋め)
をしていきます。

 

こちらは下屋部分の束とボードの

間の隙間です。

 

屋根はウレタン吹き付けと

なっていますが、

コレが要注意ポイント。

何が問題なのかというと、

この束とボードの間隔が狭いので

その間にウレタンが詰まらないんです。

 

実際に確認して見たところ、

やはり漏気を起こしていました。

 

本来は赤丸の付いている箇所(辺り)に

ウレタンがちゃんと詰まっていれば

漏気する事も無いのですが、

空いている隙間全体から風が出ているのが

詰まっていないという何よりの証拠ですね。

まぁこんな風に言うだけなら

誰でも出来るわけでして…

 

実際にウレタン吹き付けをするとなると、

隙間を残さずに綺麗に埋めるというのは

中々困難な事だと思います。

特に吹き付け業者さんの使うような

2液タイプのウレタンフォームは、

狭い箇所の処理が難しいでしょうから。

 

この場合の処理方法としては、

根元から埋めるというのは諦めて

関連する隙間(この場合縦のライン両サイド)

をウレタンやコーキングで塞ぐ

というのが確実な処理ですね。

 

いくつか同様の個所がありましたので、

大工さんにしっかりと処理して頂きました。

屋根がウレタン吹き付けの現場では

こちらも要注意ポイント。

 

画像では分かりづらいですが、

火打ち梁の付近です。

ここも本当に隙間が出来やすいっ!

なんでしょうね。

狭いし鋭角になっていているので、

ウレタンが綺麗に入りにくく

隙間が出来てしまいがちなんですかね。

 

屋根の吹き付けは大体厚みがある(100倍発泡)ので、

漏気してしまっているという事は

その厚み分だけ断熱材(ウレタン)の

入っていない部分が出来ているという事。

 

ですので、表面の出口にプチュっと

ウレタンを吹き付けてハイ終わりではなく、

隙間の中にウレタンガンのノズルを突っ込んで

なるべく奥の方の隙間まで埋める事を

意識しながら処理するのがおススメです

それでは測定を始めます。

気になる結果は…

C値=0.085cm2/m2の

ウルトラ気密です。

表示は四捨五入により0.1cm2/m2。

この結果に、

立ち合いされた監督さんは

納得されたご様子でした。

 

上の方でご紹介した束とボードとの

間の隙間に関してですが、

個人的にはそれなりの漏気量だったと思います。

他がしっかりと処理されていても

この隙間に気づくことが出来す、

そのまま放置していればその分気密が

悪く出てしまっていたでしょう。

 

しかし、測定器で減圧していたので

これに気づくことも出来ました。

普段通りに処理しているから

何も問題無いだろうと油断していると、

思わぬ所に大きな隙間が出来ていても

見逃してしまうかもしれません。

目で見ただけでは判別の付かない隙間でも

実際に漏気しているかをチェックできるのが

気密測定の大きなメリットだと私は思っています。

 

他にも色々と処理したこともあり、

とても良い気密となりましたね。

あらゆる取り合いにコーキングを

太くしっかりと打ってありましたので、

長い間この気密を保つ事が

出来るのではないでしょうか。

完成時の測定も楽しみです。

気密測定

Posted by fok-rs