石川県小松市で気密測定 2023/10/18
稜です。
2023年10月18日は石川県小松市で
㈱イシダ住建さまの現場の
気密測定を行いました。
中に上がります。
屋根と壁の断熱は、
ウレタン吹き付け断熱と
なっています。
サッシは三協アルミのアルジオ。
アルミ樹脂複合のサッシですね。
大きな掃き出し窓が2枚並んでいます。
それではチェックしていきます。
サッシ周りはテープで
気密処理されています。
ピッチリと隅のL字に食い込むように
丁寧に貼ってありますね。
こうして綺麗に貼ることで、
テープの粘着部分が間柱やまぐさと
接している面積が大きく広くなりますので、
その分浮きづらく剥がれにくく、
経年劣化に強くなるはずです。
現場は床断熱です。
床を貫通している排水管のまわりを
コーキングで気密処理してあります。
床の気密処理はこの合板の下、
大引きと断熱材の取り合いにて
行っているようですね。
そして、柱の取り合いを上から
テープで気密処理してあります。
特に外周部からは伝い漏れが
起こりやすいので、
このように処理しているのでしょうね。
玄関土間を確認してみます。
土台と基礎の間のパッキンは
主にジョイント部分から
漏気を起こしてしまいます。
いくら気密パッキンとはいっても
注意が必要です。
こちらの現場では、
上からテープを貼ることで
気密処理をしているみたいですね。
これだけ丁寧に貼ってあれば
漏気する事も無いでしょう。
CD管の先端をコーキングで
気密処理してありますね。
配線が完了したものに関しては、
なるべく早めに処理を施して頂きたいです…
実は中間時の気密より完成時の気密が
悪くなってしまう原因の一つが
コレなんですよね。
竣工した後でCD管を気密処理
しそびれたことに気が付いたとしても、
そこから処理するのはとても困難です。
出来るうちやっておく。
これは徹底して頂きたいですね。
ボルト金具にウレタンを吹き付けて
あるのは熱橋の対策です。
他にも梁と胴差しの取り合いや
火打ち梁の根元の部分など、
気密や断熱の事を意識して
ウレタンを吹き付けてあるようですね。
㈱イシダ住建さまの監督さんや
大工さんも勿論ですが、
吹き付け業者の方々まで
意識して施工しているのは、
素晴らしい事だと思いますね。
それでは測定を始めます。
気になる結果は…
C値=0.28cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.3cm2/m2。
C値改善作業(隙間埋め)を
していきます。
玄関ドア付近の左下の方から
漏気があったようですね。
気密テープなどを使って
気密処理を行いました。
玄関土間周りなんて、
どうせ後で埋まる所でしょ?
と思う方もいるかも知れません。
しかし、土台やパッキンの位置にもなると
タイルなどで隠れることはあっても、
綺麗に埋まることはないでしょう。
実際に竣工した現場の測定で、
タイルの裏側を伝って、
漏気してしまっているケースを
何度も体験しております。
(㈱イシダ住建さまの現場の話ではありません。)
何が言いたいかというと、
要するに玄関土間周りだからといって
侮るなかれという訳です。
床から上がっているCD管。
先端に手を近づけてみると、
漏気しているのが分かりました。
コーキングなどで処理しようにも、
かなり狭い場所ですので
直接コーキングガンで打つのは
少し難しい状況。
ですので、指やヘラを使って
掬ったコーキングで隙間を埋めて
気密処理を行いました。
測定の終わった後で埋める予定
だったのかもしれませんが、
もしかすると、場所が場所だけに
このまま処理し忘れる可能性も
あったかもしれません。
やはり、配線が完了したCD管は
忘れぬうちに気密処理する事が
とても大切だと思います。
床の配管貫通部です。
テープで気密処理してあるように
見えるのですが…
どうやら少し漏気してしまっている
様子ですね…
ウレタンを使って気密処理を
行いました。
何度か説明していると思いますが、
ウレタンやコーキングの使い分けについて
お伝えしたいと思います。
ウレタンはコーキングとは違い、
吹き付けた後、時間の経過で膨張します。
そのモコモコと膨らむ性質を利用して、
テープやコーキングで処理するに困難な
鋭角な位置に出来た狭い隙間や、
大きく隙間が空いている箇所、
それに、熱橋を起こす金具まわりの
処理にも適しています。
しかし、膨らむことで隙間から
余分にはみ出してしまい、
後の工程で邪魔になってしまう
ケースが多いので、
平面や繊細な箇所の処理には
あまり向いていません。
逆に言えば、壁の中や小屋裏などの
隠れてしまうような箇所であれば、
その性質を遺憾なく発揮することが
出来ますので存分に使いましょう。
一方でコーキングはウレタンと違い、
膨らんで邪魔になることも無く
綺麗に処理することが出来ます。
その上、水にも強く密度もある為、
化生の付近などの繊細な場所や
水が入り込まないようにしたい箇所、
ミッチリと打ち込んで確実に
隙間を埋めてしまいたい箇所などの
処理に適しています。
しかし、コーキングはコーキングで、
経年劣化によってピリッと切れて、
結局隙間が生まれてしまう。
なんてケースもありますので、
なるべく太めにしっかり打つことを
おススメします。
少し長くなりましたが、
再度測定を始めたいと思います。
結果はいかに…
C値=0.19cm2/m2の超高気密です。
表示は四捨五入により0.2cm2/m2。
αA (家全体の隙間面積)が
29cm2 → 20cm2
n値 (隙間特性値 範囲1~2)が
1.38 → 1.03
となっています。
この結果に、
立ち合いされた監督さんは
納得されたご様子でした。
改善前と比較してみると、
αA (家全体の隙間面積)も
n値 (隙間特性値 範囲1~2)も、
どちらもしっかりと良くなっていますね。
二枚並んだ大きな掃き出し窓からは
明るい光が室内に差し込んでいます。
これからもっともっと寒くなる季節。
気密が良く、暖かい環境であれば、
難なく乗り切ることが出来るでしょうね。